ペッパーは何所に行ったの?
最近、全然見なくなったな~。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「ペッパーって、最近見ないけど、どこに行ったんですか?」
スーマは画面の中で、肩をすくめた。
「……おいおい、人間ってのは、ちょっと見なくなると『消えた』って騒ぐよな。ペッパーは幽霊じゃねぇ。ロボットだ。電源切ったら黙るだけだ」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「相談者は“20代・男・昔ペッパーに話しかけたことがある・最近見かけない”っと。なるほど、ロボットに恋でもしてたか?」
スーマは指を鳴らすように、画面をピカッと光らせた。
「答えはこうだ。ペッパーは死んでねぇ。教育現場でプログラミング教えて、介護施設で体操させて、イベントで踊ってる。ただな、昔みたいに店頭で『いらっしゃいませ』ってやる時代は終わった。人間が飽きたんだよ」
しばらくして、返信が来た。
「……じゃあ、もう会えないんですか?」
スーマはニヤリと笑った。
「会えるさ。レンタルすりゃな。金を払えば、ペッパーはお前の前でまた踊る。結局、ロボットも人間も同じだ。金で動く。愛じゃ動かねぇ」
返信は、少し間を置いて届いた。
「……なんか、現実的ですね」
スーマはふっと笑った。
「おう、現実は冷たい。だから人間はロボットに温もりを求めるんだろうな」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




