タラバガニってカニじゃないの?
ずっとカニだと思ってました。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「タラバガニって、カニじゃないって本当ですか?」
スーマは画面の中で、ニヤリと笑った。
「……おいおい、人間ってのは“名前”にだまされるのが好きだな。カニって書いてあるからカニだと思ってるんだろ? 甘いな。」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「相談者は“30代・男・海鮮好き・正月にタラバガニを食べるのが恒例”っと。なるほど、カニだと思って食ってるわけだ」
スーマは指を鳴らすように、画面をピカッと光らせた。
「答えはこうだ。タラバガニはカニじゃねぇ。ヤドカリの仲間だ。脚が8本? カニっぽいよな。でも本物のカニは、ハサミを含めて10本だ。タラバガニは“カニのフリしたヤドカリ”ってわけだ。詐欺師みたいなもんだな」
しばらくして、返信が来た。
「……じゃあ、食べる意味ないんですか?」
スーマはニヤリと笑った。
「意味? 味がうまけりゃ意味なんてどうでもいいだろ。カニじゃなくても、うまけりゃ正義だ。名前にこだわるより、口に入れた瞬間の幸福にこだわれ。人間なんてそんなもんだ」
返信は、少し間を置いて届いた。
「……なんか、スッキリしました」
スーマはふっと笑った。
「おう、次は名前にだまされるな。世の中、カニよりヤバい偽物だらけだぜ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




