第61話。7日目の朝が始まります!
前回までの話では、ユリア一行と交易隊は廃墟村に到着した。護衛隊は警護に当たる。密かに護衛隊の会話を聞いた。そしてホワイトはある事を決意し。戦場の感覚を取り戻そうとする。
だが殺傷は好まない…「お仕置き」なのだ。
ユリアが転移してから7日目の朝が訪れた。今日でちょうど一週間となる。早朝の空は薄明るく、昨日と同じく曇天であった。時刻は午前6時。ユリアが目を覚ました。
馬車の中には誰もいなかった。ユリアは外に出ると、大きなあくびをした。
するとセリナが近づいてくる。「ユリア、顔と歯を磨いて髪を整えますよ」
ユリアは寝ぼけてる。「は〜い……お母さん」
セリナはクスッと笑う。「ほら、水溜まり場まで行きますよ」
続いて、ミランダ、レオ、ジェイコブの3人がユリアに近づいてきた。
ミランダ「本当に朝は弱いほうだねぇ!」
レオ「お姉ちゃん〜おはよう」
ジェイコブ「ワシはな、5時に起きたわぃ」
サム「ホワイト様は御者席で寝ていた」
その言葉に3人が驚いた表情を見せた。
ユリア「えっ!あのホワイトが!!」
一気に眠気が吹っ飛ぶユリアであった。
セリナ「変ね、いつもなら真っ先に起きて…」
ミランダ「先、寝顔を見たさね、貴重だよ!」
レオ「ぼくも寝顔を見たよ!初めてかな!」
ジェイコブ「うむ、確かに寝顔を見た事がないのぅ」
サムは心の中でつぶやく。「そういえばホワイト様は普段いつ寝ているんだ?」
6人は御者席へ向かった。ホワイトの寝顔を初めて見られると期待していたが、御者席には誰もおらず、6人は揃って「いない」とつぶやいた。3人はがっかりした様子だった。
レオとミランダは顔を見合わせ、にやりと笑った。そこへホワイトが現れた。
ホワイト「皆、起きたのだな」
サム「ホワイト様!あの、いえ、何でもないです」
ユリア「いつ起きたのよ……ホワイト!」
セリナ「ユリア、水溜まり場に行きますよ」
ジェイコブ「まったくじゃ!ワシも顔を洗ってこようかのぅ」
3人は水場に向かった。ホワイトは呆然とし、「一体どうしたのだ?」と困惑した表情を浮かべた。
サム「ホワイト様、もう少し休んでいてください」
ホワイト「我は大丈夫だ。それよりも、ドナテッロ組長から呼び出しだ。行ってくる」
サム「はい、承知しました」
ホワイトは軽くサムの肩を叩いた。「心配無用だ。何もない」
昨日の夜は就寝前に馬車の中でホワイトとサムはミランダの打撲の件を聞かされていた。無論、ユリアは怒られそうになったが、ミランダの説得により。難を逃れた。
ホワイトはドナテッロ組長の所へ移動した。
サムとミランダは馬に餌をあげる。レオも一緒に手伝うのである。
そしてユリア、セリナ、ジェイコブは水溜まり場へと向かっていた。途中で護衛隊と鉢合わせするが、なぜか距離を置かれていた。
ユリア「何よ、失礼ね!ま……ま〜で……」
セリナは小さく笑う。「ユリア、よく、踏みとどまりました」
ジェイコブは心の中で呟く。「魔法っと言いたいのじゃな…」
水溜まり場とは「井戸」の事であった。その井戸は村に必要不可欠な水を貯めて置ける井戸であった。深さは10メートルはあるだろう。
(※井戸。中世ヨーロッパでは、城を建てる前に必ず先に工事する事があった。それは『井戸』である。井戸掘りを先に必須項目であった。)
(※井戸掘り。生命線であり。敵国から攻められる前に籠城戦を想定するからだ)
ニュルンベルク城の井戸は役50メートルにもなる深さである。
(※ニュルンベルク城。ドイツにある。お城で13世紀、皇帝カール4世が即位した後に第1回目の帝国議会を開いた事でも知られてる。)
ユリアは井戸を見つめる、心の中で呟く。「毒とか入ってないわよ」
ユリアの表情を見たセリナは「毒とか無いですからね、ユリア」
ユリアは頬を赤らめる。「わ、分かってるわよ!」
セリナは木製桶で下まで下げる。そして水を汲み上げる。中は濁っていた…。それを見た3人は。一斉に「これは…無理…」っとつぶやく。
ユリアは小声で提案する。「水魔法っで〜…」
3人は辺りを見渡す。セリナが「し、仕方がありませんね、ユリア…やりなさい!」
ジェイコブ「これは…ワシも賛成じゃ…」
するとサムとミランダも合流した。
サム「おぃ?まさか、今、魔……」
ユリアはサムに眼差しを向ける「見て……お兄ちゃん……桶の中を」
サムは頬を赤らめる。「お兄ちゃん!?よせ……その眼差しで見つめるな!」
ユリアはもう一度、サムに眼差しを…。
サム「いいから、早くやれ!皆で囲めばいいだろ!」
ミランダは心の中でつぶやく。「兄…弟…母…ハッ!あたいは、叔母なのかい…!そうなんだろ!」
ユリアは小さく笑う。「許可もらいました!」
こうして、7日目の早朝が始まった。
次回、第62話。7日目の朝食は…。皆と一緒に食べようよ!。




