第48話。交易隊結成!今日は泊まれ。
前回までの話では、遂にホワイトは商人の仲間入りを果たす。そして組長に金貨10枚を貰うが…。ホワイトは久しぶりに早口になる…。
そして、組長はある決断を下した…。
ドナテッロ組長はギルドの会合開催のため、全員を招集していた。会合に先立ち、組長は隣接する倉庫へと移動した。一方、ホワイトはフィリッポによる施設の案内を受けながら、雑談を交わしていた。案内は既に2時間に及んでいた。
施設と倉庫の案内を終えた時点で、時刻は午後16時を過ぎていた。間もなく夕方になる頃合いである。
フィリッポはホワイトに会合の開始時刻を伝え、一旦廊下で別れた。ホワイトは独り言をつぶやいた。「皆、今頃何をしているのだろうか…物資の補給は問題ないだろうか…」と、窓の外の空を見上げた。
会合の集合時間は午後17時である。まだ1時間あるが、ホワイトは早めに倉庫へ向かうことにした。
倉庫内では、第一陣の交易隊の準備のため、商人たちが慌ただしく動いていた。ホワイトはそれを眺めていた、
(※交易隊はキャラバンとも呼ばれ、ペルシア語の「カールヴァーン」に由来する。日本語では隊商とも呼ぶ。)
馬車1台には、木製の四角い箱30個分の荷物を積む準備が進められていた。ホワイトは頭の中で計算する。「1箱に12個、つまり1ダースの品物が入っているということか…」
(※1ダースという単位は、西洋の十二進法に由来し、1箱12個が目安である。これは古代メソポタミア文明の時代から使用されている。)
木製の四角い箱は、高さ50cm、幅50cm、奥行き45cmの大型のもので、荷台に整然と積み上げられていた。中には長方形の木箱も含まれていた。
ホワイトが長方形の箱を眺めていると、護衛兵の一人が近づいてきた。「その箱には槍が収められています」と、第一陣の護衛隊員が説明した。ホワイトは軽く会釈して挨拶を交わした。
ホワイトが「これは武器屋に運ばれるのか?」と尋ねると、護衛兵は「そうだ、武器屋との取引だ」と答えた。
護衛兵は続けて言った。「見慣れない顔だな。新人か?」
ホワイトは答えた。「あぁ、今日入団したばかりだ」
護衛兵は「そうか。互いに無事任務を果たそう」と言い、軽く頭を下げてその場を去った。
ホワイトはその後、倉庫で1時間ほど過ごし、時折荷物の運搬を手伝った。そして、時刻は午後17時を迎えた。
ドナテッロ組長とフィリッポがホワイトに近づく。ドナテッロ組長は告げる。「全員が揃った。会合を始める」
フィリッポ「ホワイト様、私と一緒に最後尾で話を聞きましょう」
ホワイト「あぁ、フィリッポ殿、よろしく頼む」
ホワイト「その…フィリッポ殿、『様』はやめていただけないか」
フィリッポ「ホワイト様には騎士の風格がある。私にはそれがわかるのです」
ホワイトは苦笑する。「はは…フィリッポ殿は人を褒めるのが上手だな」
ドナテッロ組長は倉庫の演説台に上がる。そして大声で叫ぶ。「いいか、皆!よく聞け!」
ホワイトの声はかき消される。
ドナテッロ組長「次の目的地を発表する!パリだ!商人魂を見せつけてやれ!」
一同が雄叫びを上げる。「おおー!」商人ギルドの全員の声が倉庫内に響き渡る。その声は外にも届くほどの、まるで合唱のような迫力だった。
ドナテッロ組長はさらに続ける。「出発は明日だ!朝までに出発する。夜までには十分な距離を稼ぐぞ!」
ドナテッロ組長「パリまでは遠い。リヨン経由だ。リヨンには丸一日かかるぞ!」
ドナテッロ組長「第一陣は明日出発、第二陣は一週間後だ。よく覚えておけ!」
ドナテッロ組長「それと、第一陣には新人も加える。よって、交易馬車は10台で編成する!」
この発表に、商人メンバー全員が驚きの表情を浮かべ、誰が新人かと見渡す。ホワイトは顔をやや赤らめる。それを見たフィリッポが小さく笑う。ドナテッロ組長は話を続ける。
ドナテッロ組長「新人を手荒に扱うなよ!これから本格的に作戦を練る。皆、準備しろ!」
こうしてドナテッロ組長の演説と説明が終了し、全員での本格的な会合が始まった。参加者たちは「ああでもない、こうでもない」と議論を交わす。
時刻はすでに17時半を過ぎていた。夜が近づく中、各自がロウソクの準備を始める。ドナテッロ組長がホワイトに近づく。
ドナテッロ組長「ホワイト、今日はここに泊まっていけ」
ホワイト「分かった…そうさせてもらう」
ドナテッロ組長「婚約者はいるのか?」
ホワイト「いや、いない。ただ、仲間がいるだけだ」
ドナテッロ組長「ならば、フィリッポ!」
ドナテッロ組長「フィリッポに伝達を伝えておけ!」
ホワイト「フィリッポ殿、頼めるだろうか?」
フィリッポ「お任せください、ホワイト様」
フィリッポはユリア一行が泊まってる宿屋へと向かう。
こうしてホワイトの「一日」が終わった…。
次回、第49話。今日は一人いませんね…。




