第45話。商人ギルドと交渉です!
前回までの話では、セリナはユリアを探す。そして遂にユリアを見つけたが。なぜが「大泣き」していた。セリナは強く抱きしめる。
セリナの言葉にユリアは心を開く。
そして、お互い絆を強め、ユリアとセリナは…。
師と弟子の誕生であった。
セリナとユリアは宿屋に戻った。二人は男性陣が待つ部屋に入る。すると、ジェイコブ、サム、レオ、ミランダがユリアのもとに駆け寄った。時刻は午前10時頃であった。
ミランダ「ったく、心配させるじゃないよ!」
サム「罰として、みんなの下着を洗う係だからな!」
ジェイコブ「無事で何よりじゃな」
ミランダ「ん? ユリア、頬が少し赤いねぇ?」
ユリア「叩かれた…頬を…」
ミランダ「ぷっ! 出ていって叩かれたのかい?」
セリナ「ミランダ、からかわないの」
レオ「ひどいよ! お姉ちゃん『も』子供のくせに!」
ユリア「うん…そうだね。ごめん、レオ」
ユリアはレオに近づき、抱きしめた。レオは突然の謝罪に戸惑い、少し照れた様子を見せた。
セリナ「ホワイト様の姿が見えませんね」
ミランダ「ああ、商人ギルドを訪問してるよ」
サム「俺たちは物資の調達だ。行こう」
皆が力強く頷いた。一方、ホワイトは単独で商人ギルドに向かっていた。ここからは、ホワイトと商人ギルドとの交渉が始まる。
ホワイトにとって初めての本格的な交渉であった。彼の交易に関する知識は、他の商人たちに比べ明らかに劣っていた。しかし、商人たちの護衛を務めてきた経験から、交易に関する雑談を耳にし、多少の知識を得ていた。
その知識を武器に戦うしかない。ホワイトは決意を固め、商人ギルドの門を叩いた。訪問リストに名を連ねていたため、ギルドの建物内に案内された。案内人に誘導されながら、ホワイトは驚きの表情を浮かべた。
商人たちが慌ただしく準備を進めていた。測量用具、取引記録用の道具、運搬に必要な器具が揃えられていた。
※取引記録用の道具。羊皮紙や紙の巻物が使用され、羽ペンとインクで記録が行われていた。
※測量用具。土地や建物の設計に必要な羅針盤、定規、天測器などが準備されていた。
ホワイトがそれらをじっと見つめていると、一人の大男が近づいてきた。高い声で突然の大声に、ホワイトは驚いた。
ギルド組長「おお! お前が新しく加入したいやつか!」
ホワイト「ホワイトと申します。ギルド組長様でよろしいだろうか?」
ギルド組長「おい! 『様』なんかいらねえ! 組長でいいんだよ!」
ギルド組長はホワイトを組長部屋へと誘導する。
ギルド組長「まず、はっきり言わせてもらう!」
ギルド組長「お前を信用していないぞ」
それは当然のことだった。「はい、そうですか」と簡単に受け入れるはずもない。
要するに、ホワイトは「どこの馬の骨とも知れぬ者」だったのだ。
商人ギルドの組長はホワイトを信用しておらず、簡単にはギルドへの加入を認めないと告げる。それに対し、ホワイトは護衛の依頼を引き受けることを提案する。
ギルド組長「ふん! 我々の護衛で十分だ!」
ギルド組長「それに、お前は素人だろう?」
ホワイト「残念ながら…私は傭兵として生計を立てている」
ギルド組長「ならば聞くが、この鉱石を使って武器と防具のどちらを作りたい?」
ホワイトは一瞬、身体に電流が走るような感覚に襲われる。この質問は、かつて亡きダニエルが投げかけたものと同じだった。ホワイトは心の中でその記憶を反芻する。
過去の記憶が、ホワイトの心に微かに蘇る。
亡きダニエル「ガーランド、聞きたい。数個の鉱石で剣と防具、どちらを作る?」
若き日のガーランド「決まっている! 剣も防具もだ!」
亡きダニエル「間違いではないが…」
亡きダニエル「それでは臨機応変とは言えないな」
若き日のガーランド「臨機応変?」
亡きダニエル「鍛冶屋の気持ちになれ。鍛冶屋が今、何を必要としているかだ」
剣が不足していれば、鍛冶屋は剣を作る。
防具が不足していれば、鍛冶屋は鎧を作る。
それが…「答え」の本質だ。
お前には騎士を辞め、平和に生きてほしい。
それが兄の願いだ…ブラザー。
ホワイトは現実に戻る。そして、首を振って記憶を振り払う。彼は鉱石を組長に返し、真剣な表情で答える。
ホワイト「鍛冶屋の意向に従う。それが私の答えだ」
ギルド組長「鍛冶屋の意向だと!?」
ホワイト「ギルド組長、そう答えたはすだ」
それを聞いたギルド組長は高らかに笑う。「ガハハ! こいつ、面白い!」
ギルド組長「鍛冶屋の気持ちになれてか!」
ホワイト「正しく、その通りだ…」
ギルド組長は内心で考える。「こいつの背後には誰がいる? 商人か? それとも…」
交渉はまだまだ続くようであった。
次回、第46話。同業組合へ、ようこそだ!。




