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第44話。弟子は師匠に甘えても良いのです。

前回までの話では、ユリアの師を決める話を隣の部屋で聞いた本人は怒り心頭になる。

そして部屋を飛びたし…どこかへ行ってしまう。


それを追いかける、セリナ。

 セリナは単独でユリアを探しに出かけた。「本当の気持ちを伝えなければ…」と、セリナは心の中で決意を固めていた。今宵の物語の主人公はセリナである。時刻は午前9時頃であった。


セリナは数人の住人に声をかけ、ユリアの特徴を伝えた。「身長は130で、髪は肩まであります。まだ子どもなんです! ご存じありませんか?」


住人の男性「さあ、知らないな。子どもなら広場にいるかもしれないよ」


住人の女性「子どもって無邪気だから、すぐ迷子になるのよね。親なら手をしっかりつないでいないと」


セリナは答えた。「ご忠告ありがとうございます…、確かにその通りですね」


セリナはお礼を述べ、次の場所へと向かった。ユリアが街の外に出た可能性は低いとセリナは考えていた。


一方、ユリアは不満をつぶやいていた。「なによ、子ども扱いして!」「この世界なんて消えればいいのに!」「だいたい、食事の前に神様に感謝って何? ばかばかしい!」


その時、一人の少女が走ってきた。そして、少女はあることを告げた。


三つ編みの少女「待ちなさい…浄化するから」


ユリア「ちょっと、誰よ! いきなり何!?」


一方、セリナはトリノの広場に到着したが、ユリアの姿は見当たらなかった。「ここにはいない…」と、セリナは次の場所へ向かうことを決めた。


次に向かったのはポルティコだった。ポルティコとは、屋根付きの回廊アーケードで、ユリアたちが観光気分で訪れた場所である。


セリナは心の中でつぶやいた。「ユリア様はどこにいるのかしら……本当に一人で」


セリナは考え始めた。ユリアなら一人旅も可能かもしれない。魔法を使えば。


しかし、セリナは首を振った。「ユリア様は決して力で問題を解決するような方ではない」と。


心の中で自分に言い聞かせ、気合いを入れた。セリナは走り出した。


一刻も早くユリアを見つけたいという思いと、異端問題への懸念がセリナを突き動かしていた。


ユリアを見つけるまで、必ず見つけ出して連れ帰る!セリナは自分自身にそう誓った。


ポルティコに到着したセリナは、朝の賑わいの中で微かに聞こえる女の子の泣き声に気づいた。その声に心当たりがあった。


セリナは、ユリアが3日目の時に罰として矢の回収を命じられた際に泣き出した場面を思い出した。


あの時よりもはるかに大きな泣き声が聞こえてくる。


セリナは心の中でつぶやいた。「近い! このあたりにいるんだわ!」 セリナは人混みを避けながらユリアを探した。


住人たちの声が聞こえてきた。「おい、見ろよ、喧嘩でもしたのか? 子供が泣いてるぞ」「おや、母親はどこへ行ったんだろうね」


セリナは住人と群衆の間を縫うように進んだ。そこにいたのは、ユリアだった。


ユリアは地面に座り込み、泣いていた。セリナが近づく。


セリナ「ようやく見つけました、ユリア様」


ユリア「ぁ゙の子…ぉ゙かしいよ…ヒック…」


それを見たセリナは片膝をつき、ユリアの目線に合わせてしゃがんだ。セリナは優しく語りかけた。


セリナ「どうしたのですか、ユリア様?」


ユリア「ぃ゙きなり、…う…ヒック…」


大泣きした後で、呼吸のたびに「ヒクヒク」と声を漏らすユリアだった。セリナはそれを見て、思わず小さく微笑んだ。


まるで子ども同士が喧嘩した後に泣いている子を見るようだったからだ。そしてクスッと笑う。


ユリア「ゼ…リ…ナ…酷い…わ!悲し…いのに!」


ユリアはセリナに軽くパンチしたが、それはまるで子どもの力のないパンチだった。すると、セリナはユリアをしっかりと抱きしめた。


セリナ「怒るのか泣くのか、どちらかにしてくださいね」


セリナ「この世界に来た以上、私が師匠ですよ」


セリナ「甘えてもいいんですよ、ユリア」


ユリア「ぞんな事…ぃ゙ったら…なにも、ぃ゙えない」


セリナ「さあ、帰りましょう」


セリナはユリアを抱き上げ、優しく背中をさすった。


その様子を見ていた住人と群衆は口々に言った。「よかったな! お嬢ちゃん、母親が来てくれて!」「子ども同士の喧嘩ってのは可愛いもんだよ!」


セリナは深く頭を下げ、その場を後にした。ユリアは顔を真っ赤にしていた。


道中、ユリアはセリナに「下ろして」と伝えた。セリナはユリアを下ろした。いつの間にかユリアの涙は完全に止まり、落ち着いた様子だった。ユリアはセリナに言った。大泣きしたせいか小声だ。


ユリア「セリナ、ありがとう…」


セリナ「いいんですよ、ユリア」


ユリア「今、ユリア…って!」


セリナ「これからは「様」付けしませんからね」


ユリア「まぁーいいわ!許してあげる!」


2人は顔を見合わせて大笑いしたのであった。

そしてセリナはユリアの手をとる。優しく手を繋ぐのであった…。


こうして師と弟子の誕生であった!。

次回、第45話。商人ギルドと交渉です!。

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