第29話。ミランダ、弓術に惚れる!?
前回までの話では、盗賊の集団が接近していた。ホワイトはこれを迎撃に出る。ユリアは待機を命じられていたが、これを無視してホワイトを尾行をしたのだ。盗賊はホワイトの弓術を恐れ、逃亡。ユリアは勝手な行動に叱責を受け、セリナにすがった。
ユリアがセリナに抱きついて、ユリアとホワイトは口論になっていた。渋々ユリアは承諾する。
ユリア、セリナ、ミランダを除く全員は馬車へと戻る。正午から既に4時間が経過していた。
太陽が西に傾き始めていた。間もなく夕方になる頃合いだった。
ユリアは勝手な行動の罰として矢じりの回収を命じられた。セリナ、ミランダはユリアの手伝いをされていた。
3人は40メートル離れた場所に落ちている矢を回収しに向かった。ユリアは独り言をつぶやきながら歩いていたが、5本の矢が地面に刺さっているのを発見した。
喜んだユリアは両手を使い引き抜こうとする。だが、ここで不測の事態が起きる。矢は土深くに刺さっており、容易には抜けなかった。
矢の一部は地下茎に絡まっているようだった。なかなか抜けない。もう一度、力を入れる。
抜けない。次第にユリアの様子が変わり、突然泣き出した。それを見たセリナが近づき、「どうしましたか、ユリア様?」と尋ねた。
ユリア「うっ……ヒック……だって……皆の」
セリナはユリアを抱きしめるのであった。「みんなに伝わっていますよ。泣かないでください」
ユリアはセリナに抱きつかれたまま、矢を指差して言った。ユリア「あれ……一緒に抜いて」
それを見てたミランダは。言葉を失っていた。最初は感動した事だろう。
だが冷静に考える。そうだった。外は「子供」中身は。ミランダは察した。察したのだ。この件は触れないでおこう。無言で矢を引き抜くミランダであった。
こうして3人は5本の矢をすべて回収した。矢じりは土で多少汚れていたが、先端はまだ使用可能な状態だった。
馬車に戻る途中、時刻は夕方になり、夕日が3人を照らしていた。ミランダは矢を強く握りしめて見つめる、ホワイトが盗賊を退けた場面を思い出していた。
ふとミランダが立ち止まると、ユリアとセリナも足を止めた。ユリアが「どうしたの?」と尋ねると、ミランダは次のように宣言した。
ミランダ「あたいは戦士になるよ!弓をマスターしたいのさ!」
セリナ「ミランダ、素敵な事よ、応援するわ」
ユリア「弓術ね!私の故郷では『アーチャー』とも呼ぶのよ」
ミランダ「アーチャー!いい響きだ!」
ミランダは矢を握りしめ、ユリアとセリナに決意を伝えた。2人は真剣な表情でミランダを見つめ、力強くうなずいた。
こうしてミランダは「アーチャー」としての道を選び、3人は急いで馬車に戻った。3人が馬車に到着したとき、ホワイトたちは馬に水を与えていた。
レオが母に抱きつくと、安心した様子を見せた。セリナは「ただいま」と優しくレオに声をかけた。
ミランダはホワイトに近づき、照れくさそうに矢を差し出した。
ミランダは言った。「ホワイト様、あたいに弓を教えてほしいんだ!」
勇気を出して弓の稽古を願い出たのだ。
すると、ホワイトはまず、森で自作した弓を手渡した。これは「1日目」に製作した木製の弓だった。
ミランダは喜んだ。まだロングボウを扱うのは難しいと自覚していたからだ。
彼女は弓を構える動作を試み、心の中でつぶやいた。「よし! これなら、あたいも射られる!」
ミランダが弓を手にニヤニヤする姿を見て、一行は微笑んだ。空を見上げると、太陽が西に傾き、間もなく夜が訪れる時間だった。
ホワイトは練習のためにミランダを狩りに誘った。ミランダは喜んで同行を願い出た。
こうして、「師匠」と「弟子」の初めてのタッグが誕生した。
「暗くなる前に戻るぞ」とホワイトは言い、ミランダを連れて森の中へ向かった。2人は獲物を探し、野生の鹿を発見した。
ホワイトはミランダに的確な指示を出した。「姿勢を低くして矢をつがえ、弓の弦に矢を番える。そして放つんだ」と小声で伝えた。
ミランダは頭では理解していたが、緊張からか焦ってしまい、標的を外してしまった。
すると、ホワイトはすかさずロングボウに矢をつがえ、弦に矢を番えた。そして矢を放ち、見事に鹿を仕留めた。
ミランダは申し訳なさそうに謝ったが、ホワイトは微笑みながらつぶやいた。「上出来だ、ミランダ」
ミランダは心の中で誓った。「あたいは必ず師匠を超えてみせる!」 彼女の内に闘争心が芽生えていた。
その後、何度か練習を重ね、ついに獲物を仕留めることができた。2人は皆の待つ場所へ戻った。空を
見上げると、すでに暗闇が迫っていた。
ホワイトとミランダは馬車に戻り、狩りの成果を報告した。7人全員で夜の食事を準備し始めた。
こうして、また一日が終わろうとしていた。
次回、第30話。こうして3日が終わりました。




