第28話。盗賊が現れました!私の出番!!
前回までの話では、平原を移動中、太陽は南中の方へ。昼間になっていた。休憩を考えたホワイトは森林の場所へ目指す。そして一行は昼の食事をとる事にした。
一行は森林の近くで休憩を取り、正午の食事を摂っていた。ユリアが干し肉を一口食べると、顔をしかめた。 それを見た皆は小さく笑った。
ユリア「な、何よ! ちゃんと食べるんだから!」
サム「まだ何も言ってないぞ」
ミランダ「あんた、すぐに顔に出るからね」
レオ「お姉ちゃん、たまに残すもんね!」
セリナ「レオ、あなたもですよ」
ジェイコブ「む? ホワイト殿はどこへ行ったのじゃ?」
いつの間にかホワイトがいないことに気づいた。6人が会話に夢中になっている間に、彼は姿を消していた。そこへ、ホワイトが馬車が通った道から戻ってきた。
車輪で踏み潰された草は、まるで一本の道のようだった。ホワイトは衝撃的な事実を告げた。
ホワイト「どうやら盗賊がこちらに向かってきている」
ユリア「どうして分かったの? 盗賊って?」
ホワイト「かつて斥候兵を務めた経験があるからな」
ジェイコブ「して、盗賊は何人じゃた?」
ホワイト「5人だ。サム、ミランダ、ついてきてくれ」
ホワイトは残りの者に待機するよう指示した。サムは力強く頷いた。
一方、ミランダは「なぜ?あたいが?」と内心でつぶやき、不満げな表情を浮かべた。
それを見たユリアは不機嫌になった。納得していない様子が明らかだった。セリナ、レオ、ジェイコブはユリアの表情を見て微笑んだ。
ユリア「レオ! セリナ! ジェイコブ!」
レオ「お姉ちゃん、言わなくても分かるよ」
ジェイコブ「まったくじゃ、レオよ…」
セリナ「はいはい、行くのですね」
こうして、ユリア、セリナ、レオ、ジェイコブの4人は、こっそりと後を追うことにした。
一方、ホワイト、サム、ミランダは盗賊に気づかれないよう、姿勢を低くして移動していた。
盗賊は40メートル(約131フィート)まで迫っていた。5人編成の盗賊団は、装備が兵士のものに比べて明らかに劣っていた。
ホワイトにとって脅威とは言えなかった。
ホワイトは殺生を避けるため、弓を使うことを選んだ。
遠距離から牽制し、相手の足元を狙う作戦だ。
まず、草を引き抜き、風速と風向きを確認する。ホワイトは矢をつがえ、弓の弦に矢を番えた。そして、矢を放つ。
矢は盗賊の手前の地面をかすめ、数ミリ手前に刺さった。その熟練した弓術に、盗賊たちは怯えた。
ホワイトは次々と盗賊たちの足元に矢を放ち、威嚇した。盗賊の首領と思われる人物は尻もちをつき、「退却だ!」と叫んで逃げ出した。
その卓越した弓術を目の当たりにしたサムとミランダは、驚嘆のあまり言葉を失った。
ホワイトは退散する盗賊を確認した後、サムとミランダに重要な決定を伝えた。
それは、2人を鍛えることだった。これが彼が2人を連れてきた理由であった。
サムは目を輝かせて言った。「喜んで鍛錬に励みます!ぜひ鍛えてください!」
サムは内心で大きな喜びを感じていた。なぜなら、ホワイトに認められたことが彼の心を弾ませたからだ。
一方、ミランダは納得がいかない様子だった。「なぜ、あたいが?」と疑問を抱いていた。ホワイトはミランダに本心を伝えた。
ホワイト「ミランダ、素質があるからだ」
彼の眼差しは真剣そのものだった。そして、話を続けた。
ホワイト「我の後は、サムとミランダで皆を守ってほしいのだ。」
サム「ホワイト様!?それは!」
ミランダ「なっ!?それって!」
ホワイト「我は2人を弟子とする。皆を守護する使命を果たしてほしいのだ」
こうして、サムとミランダはホワイトの正式な弟子となり、同時に「騎士の弟子」となった。二人は片膝をつき、敬意を表した。
サムは感極まって涙を流しながら、必ず使命を果たすと誓った。
一方、ミランダはまだ戸惑っていた。「女でも戦士になれるのか?」と自問していた。
すると、ホワイトがミランダの肩に手を置き、こう言った。
ホワイト「ミランダ、性別は関係ない。重要なのは意志だ」
ミランダ「あたいは、戦士を目指すよ、ホワイト様!」
ホワイトは穏やかに微笑んだ。こうして、3人は固い「契り」を結び、サムとミランダはお互い顔を見て頷く。
そこへ、ユリア、セリナ、レオ、ジェイコブの4人組が近づいてきた。彼らは盗賊がすでに退散したことを知らずにいた。
ユリアは意気揚々と魔法の杖を召喚し、構えた。だが、それを見た一同は呆れたように目を細めてユリアを見つめた。
ユリアは気まずそうに視線をそらした。
ホワイトがユリアに近づき、つぶやく。
ホワイト「ほう、その杖はなかなか便利そうだな」
すると、彼はユリアの魔法の杖を手に取り、力を込めてポキッと折ってしまった。
そして、その折れた杖をジェイコブに渡した。ジェイコブは「ちょうど良い杖だ」と大喜びだった。ユリアは絶叫した。
ユリア「いやぁぁぁ!私の3番目のお気に入りの杖がぁ!」
がっくりと四つん這いになった。ホワイトは罰としてユリアに矢じりの回収を命じた。
ユリアはセリナに抱きつき、泣きついた。「お母さああんー!なぐさめて〜」
突然のことにセリナは困惑し、戸惑った様子だった。
一同はそんなユリアの行動に呆れ、距離を置いたことは言うまでもない。
こうして、初の盗賊との戦いは終わりを迎えた。
次回、第29話。ミランダ、弓術に惚れる!?。




