第14話。朝食です、でも肉が重いです!
前回までの話では、サムは大きな仕事を任されて、すっかりやる気満々になってた。そして、心の中でこっそりあることを決意した。それは、「弟子」になる事だった。サムの決意は固いのである。それは後に語られよう。
朝日が昇り、太陽が顔を出した。全員が起きてホワイトの帰りを待つ。2時間くらい経っただろうか。サムは冷静である。サムが冷静?。全員が驚いていた。
一番ホワイトを慕ってるサムだからだ。
するとサムが声を張る。「戻ってきた!」っと指を指すのであった。
サムの目線に入ったからだ。全員がその方角を見つめる。
ホワイトらしき人物がこっちらに近寄って来るのである。全員がホワイトを向かいに行く。
サムが先に話す。「ホワイト様!無事に任務遂行いたしました!」
サムはすかざす、獲物捕獲したオオカミと魚を持つのである。
ホワイトはサムの肩をポンッと軽く叩く。「サム、これからも我の代わりを頼むぞ」
彼は微笑みながらサムを労うのであった。
サム「お任せをホワイト様!」
もはやホワイトの従士と思えるぐらいだ。
ミランダ「ったく、心配させるじゃないよ!」
セリナ「単独行動は止めてください」
ユリア「オオカミ!?もしかして朝食を!?」
3人は心配していた。むしろユリアはオオカミが気になっていたのだ。食べるのか?。っと。
レオ「あっ!ホワイト様!おかえりなさい」
ホワイトを見て喜ぶ。ジェイコブと一緒に手を繋いでいた。
ジェイコブ「ホワイト殿、ご苦労じゃたな」
老体でなければ一緒に狩りへと出かけられたはすだ。同時にジェイコブは心の中で呟いていた。
ホワイトはそれを察したのか。ある事を伝える。
ホワイト「解体を一緒に頼もう、ジェイコブご老人」
ジェイコブ「うぬ!よかろう!よかろう!」
2人は足並みを揃えて解体する為にサムと移動する。
それを見てたセリナはクスッと笑う。「まるで本当の親子ね、あの2人」
ユリア「ホワイトとサムが?そうかしら?」
ミランダ「ジェイコブとホワイトだろ」
レオ「ジェイコブおじいちゃんがホワイト様のお父さんで、サムお兄ちゃんがホワイト様の息子だね!」
3人揃って「それだ!」ってうなずく。そしてみんなで笑う。
レオはセリナとミランダの手をつなぐ。
するとユリアが心の中でフッと呟く。「家族かぁ…」
なんか心にポッカリ穴が開いたみたいに感じるユリア。
ユリアは心の中でつぶやく。「あの子たちは今、どこにいるんだろう、この世界に同じように転移してきたのかな、もしまた会えたら…」
それぞれの役割を決めて、朝食の準備に取りかかる。
ユリアにとって、火打石と火打金を使うのは初めての挑戦であった。
何度も試みるが上手くいかず、苛立ったユリアは初級魔法の火魔法を唱える。
ユリア「こっちの方が楽〜。いったいどこの原始人なのよ!」
それを見ていたレオが、皆に言いふらしてしまう。 3人がユリアのもとに集まってくる。
ホワイトが呆れた表情でユリアを見つめ、こう伝える。「ユリア姫、火破りの刑に処しますぞ。」
彼は笑いながら冗談めかして脅す。本業が騎士であれば、きっと本気の言葉だっただろう。
ミランダ「いい加減慣れな、まったく!」
セリナ「ユリア様、私が代わりにやりますよ」
ユリア「わ、分かったわよ!気をつけるから」
ジェイコブとサムは解体作業に集中していた。ホワイトから教わった技術を活かしている。ジェイコブの長年の人生経験とサムの若い知恵が力を合わせ、オオカミを綺麗に解体していた。
力仕事はサムが担当である。オオカミの毛皮は街で売れる価値がある。
ホワイト「そろそろ朝食にしょう。長旅ですからな」
ホワイトはジェイコブとサムのところに戻り、解体作業を手伝う。そして食べられる状態に整える。
枝に豪快に刺し、焚き火の近くに置く。
捕った魚も同様に枝に一匹ずつ刺して配置する。そして全員が円になって焼き上がりを待つ。
ユリアは心の中でつぶやく。(本気でオオカミを食べるの?そもそも食べられるの!?)
すると、ホワイトが突然語り始める。
ホワイト「このオオカミは食べられるのか?」
ユリア「えっ!?何!?どうしたの?」
ミランダ「鈍いね!分かるだろ」
セリナ「ふふ、顔に出てますよ、ユリア様」
サム「本当に分かりやすい表情だな」
ジェイコブ「お嬢様ですなぁ、ユリア姫は」
レオ「お姉ちゃん?本当に貴族の姫様なの!?」
全員がユリアの表情に意見を述べる。ユリアの頬が膨らむ。「時代よ、時代なの!」と心の中でつぶやくしかない。
ユリアには一つだけ言いたいことがあった。
それは―。 お肉を見てある本音が出る。
ユリア「早朝からお肉なんて、重いわよ!!」
(あ〜もう!パンや野菜のサラダが…食べたい!早く村か街に行きたい!)
次回、第15話。野宿は嫌なので村に寄ります!。