第135話。今日中にカレー港町に到着したい。
前回までの話では、ユリアはお風呂の必要性を訴える。それは清潔、身体も心も綺麗にするのだと伝える。
それを聞いてたセリナは……。
ユリア一行の馬車は平原を突き進む、ときより川を渡る所もあったが木製橋を通過する、空と海は冷静であった。
リヨンを出発してから今日で5日目になる。もうすぐカレー港町が見えてくるはずである。そして海である。
時刻は午前10時を過ぎようとしていた。道中、ジェイコブは風を当たりと言ってミランダと交代するのであった。
御者席ではサムとジェイコブの会話が進む。
「そろそろカレー港町が見えてくるはずですが?」
「うむぅ、港町が近いと言う事は海じゃな」
「そうですね、海が近くに見えるかと」
「ブリテン島、ドーバー海峡じゃたな……確か」
「はい、そこを渡ればロンドンですね」
そして馬車内ではいつもの会話が続いていた。
ユリア「セリナ〜カレー港町は今日中に到着するの?」
セリナ「そうだと思うわ、多分ね……ユリア」
ミランダ「どのみち夜まで待機なんだろ?」
レオ「ねぇ、船に乗ろうよー乗りたい〜」
ユリア「レオ、船は無理よ!高額なのよ」
セリナ「それもあるけど、サムは調査が心配なのよ」
ミランダ「あー異端者か調べるあれかい?」
セリナ「えぇ、ミランダ、その通りよ」
ユリア「また皆を眠らせて船を奪う?」
一同「絶対に駄目だから!!」
セリナ「ユリア〜奪ったとしても船は動かないのよ」
ミランダ「そうさね!船を動かすには最低でも80人さね!」
レオ「知ってるよー!帆を動かさないと駄目て!」
ユリア「そこは風魔法で問題ないわよ、レオ」
レオ「そうだった、お姉ちゃん、普通じゃなかった」
ユリア「どのみち魔法のホウキで飛んでくのよ」
セリナ「魔法のホウキ楽しみだわ〜ユリア」
ミランダ「空を飛ぶ……少し怖いさね」
レオ「ミランダお姉ちゃんが怖がってる!?」
ユリア「ミランダも〜怖い所あるのね〜ぷぷ」
ミランダ「べ、別に怖くないさね!あたいは!」
馬車内は魔法のホウキで話題になる4人であった。いつものように和むのであった。
そして御者席ではサムとジェイコブの雑談である。
「サムよ、決行は夜なんじゃな?」
「誰も見てない移動してユリア姫の魔法ホウキで行きます」
「ふむ、大丈夫かのぅ……心配じゃのぅ」
「ははっ、大丈夫ですよ、ユリア姫を信じましょう」
「うむ!そうじゃな!今まで上手くやってきたからのぅ」
サムとジェイコブはユリアの魔法を認めていた。今までそれで助かった事があるからだ。だからこそ、ユリアの魔法には期待もしていたのだてある。
皮肉なものであった、ホワイトが居る時には魔法は認めてないサムであったが、ホワイトが居なくなってから魔法を認める自分が居たからだ。
「ブリテン島を渡ったらイングランドですね」
「少しは自由になれるかのぅ〜サム」
「そうですね、そう期待したいですね」
「サムよ、カレーに到着したら、ワシは少し寝る」
「分かりました、夜に備えるですね」
ジェイコブは既に80歳である。この時代にしてみれば長寿なのである。ジェイコブの事をホワイトとサムは尊敬していた。
ユリア一行の馬車はカレー港町を目指すべく前進していた。そしてジェイコブ以外は初めての「海」でもあった。
次回、第136話。塩の匂いです!海が近いです!