第129話。今日は村でお泊りです。
前回までの話では、サムとミランダは普段の会話をする。ミランダは多少、愚痴をこぼす。そしてユリアは
なせが、いつもの「甘え坊」が表に出る。
それを見てジェイコブは……。
ユリア一行の馬車は村を目指していた。空と海の体調は絶好調だ。長時間を休憩したからかも知れない。時刻は午後17時を過ぎようとしていた。
暗くなる前に村に到着したいユリア一行たち。御者席ではサムとミランダの会話が続く。
「ミランダ、弓は置いてあるか?」
「サム、足元に常に置いてるさね」
「そうか、矢じりを少し研いておいたぞ」
「ありがたいね!サム、これで威力も違うさ」
そして馬車内ではユリアたちの会話が続いていた。
ユリア「お母さんの膝枕、もの凄くいいわぁ」
レオ「お姉ちゃん、お母さんに甘えすぎだよ!」
ユリア「ふっ、渡さないわよ!もう私の物よ!」
セリナ「ユリア〜物として扱わないの!」
セリナは軽くデコを平手うちする「ペシッ」と音がなる。ユリアはわざと痛がりセリナの膝に顔を隠す。
ユリア「えへえへ、お母さん〜痛いよ〜」
ジェイコブ、レオ「……」
この光景どこかで「見たなぁ」と呆れながら思うジェイコブとレオであった……。
レオはユリアを無視してジェイコブに質問する。
レオ「今日、村に泊まるだよ?ジェイコブお爺ちゃん」
ジェイコブ「うむ、そうみたいじゃのぅ、レオよ」
レオ「良かったね!これでベットで眠れるねぇ〜」
ジェイコブ「そうじゃなぁ〜腰が大分、違うわい」
すると御者席でサムとミランダがある事に気づく。
「サム!見てみなよ!木製の矢印さね!」
「どうやら、この先に村があるらしいな」
サムとミランダはお互い顔を見合わせて頷く。空と海はゆっくりと村へと馬車を進める。
「ミランダ、常に警戒を忘れるな」
「大丈夫さね、いつでも弓の準備は出来てる」
「あれは、ひょとしたら罠てもあるからな」
「サム、誘き寄せる為のかい!?」
「ホワイト様が以前、言ってた、よく使う戦法らしい」
そう言われるとミランダも同じ事を聞かされた事がある。人間の思考を弱らせて判断を鈍くするのだと。ミランダは弓の準備をして備える。
もしも戦闘になればミランダは初めて「人を殺める」事になる。一気に緊迫状態になる。
そうとも知らず、馬車内では相変わらず「セリナの奪い合い」が続いていた。
「ホワイト様はいつもこんな感覚だったのかい」
「ミランダ、今度は俺達が守る側になるとはな」
「わ、分かってるさ!守りぬいてみせるさ!」
すると前方に村らしき集落が見えてきたのである。どうやら本当に村があったらしい。サムとミランダは内心「ホッ」とする。ミランダは胸を撫で下ろす。
「あまり、考えすぎも良くないな、ミランダ」
「はん!まったくさね!サム」
サムとミランダは大笑いしていた。一気に緊迫状態から解放された気分である。
すると次々と集落の者たちが近寄ってくる。サムは馬車を止める……。
サムとミランダは先に下りて挨拶する。すると馬車から4人も下りる。
サム「ここの村長様は、いますか?」
若い村長「私が村長ですが、どうしました?旅のお方」
ミランダ「実は泊めてほしいさね、この村に」
若い村長「はは、良いですよ、是非お泊りください」
サム「ありがとうございます!村長様!」
こうしてユリア一行は小さな村に泊まるのであった。
次回、第130話。こうして13日が終わりました。