第128話。パリは駄目なので村を目指します。
前回までの話では、ユリアたちは風の精霊の帰りを待ち続けたのである。そして衝撃な事を聞かされたユリアたちは。
パリを諦めて……村を探す事にしたのである。
ユリア一行を乗せた馬車は北上をしていた。時刻は午後15時なろうとしていた。天候は晴れである。
御者席ではサムとミランダの会話が始まっていた。
「ったく!分かってた事さね!無駄な時間さ!」
「まぁ落ち着け、ミランダ、風の妖精も頑張ったのだろう」
「はん!どうかね、イタズラして余計な事をしたんだろ」
「……」
サムは何も言えなかった、性格が似る。その可能もあったのか知れない。と。
旅人たちが馬車で逃げるぐらいだ。あれは異様な何かを見たからこそだろうとサムは考えていた。
サムは空を見上げる「ホワイト様が居てくれたらなぁ」と心の中で呟く、サムであった。
そして馬車内では、いつもの会話が始まろうとしていた。
ユリア「どうしてこうなるの?命令したのに!」
セリナ「ユリア、精霊様も不測の事態があったのよ」
レオ「そうだよー妖精さんが、可哀想だよー」
ジェイコブ「しかしヨハネ騎士はどう出るかのぅ」
セリナ「初めに住人に聞いて回るかも知りませんね」
レオ「その後はどうなるの?お母さん?」
セリナ「きっと怪しいと思えば捕まえるでしょうね」
ユリア「騎士団はそんな事をしても良い訳なの!」
ジェイコブ「それが異端者を捕まえる方法なのじゃ」
レオ「僕たちは無罪なのに、どうして……」
ユリア「レオ……少し言い過ぎたわ、私は」
セリナ「ほら、レオ来なさい、こっちに」
レオ「うん、お母さん!」
ユリア「はーい!お母さん〜!」
レオが母に近寄ろうとした時にユリアも駆けつける。セリナの奪い合いになるのである。
レオ「お姉ちゃん〜ずるいよ〜僕も!」
ユリア「セリナお母さんは私のものよ!」
ジェイコブ「ワシはいったい何を見せられてるのじゃ?」
セリナは困惑するのであった。まさかの2人同時に攻められる事になるとは。
そして御者席ではサムとミランダの雑誌がまだ続いていた。すると前方に馬車がすれ違うのである。
サムが馬車を止める「お待ちください!聞きたい事があります!」そう言って旅人の馬車を止めるのである。
サム「この近くに村はありませんか?」
旅人「あぁ、あるよ、この先に小さな集落がある」
ミランダ「こりゃ、ありがたい情報だね!」
旅人「それじゃ、良きお旅を旅人さん」
旅人は再度、前進する。サム、ミランダはお互い頭を下げるのであった。
「今日は村で眠れそうだな、ミランダ」
「まぁ、お風呂はどうするさね?」
「そうだな、そこも考えないとな」
「また、駄々をこねるさ、あの姫様は!」
「はは、到着してから考えよう、ミランダ」
「道中、その土魔法やらで試させたらよいだろ?」
「サム、甘やかすとろくな事にはならないさ!」
「分かってる、ミランダ、パリに入れなかったからな」
こうしてユリア一行は村を目指して進む。
次回、第129話。今日は村でお泊りです。