第118話。ヨハネ騎士団が通ります。
前回までの話では、ユリア一行の馬車は北上を進む。レオは2頭の馬たちに名前を付けるべく、考え込む。
そして旅に因んで「空」と「海」と名前を付けた。
こうして空と海は馬車を引きながら今日も突き進む。
ユリア一行は北上を目指し突き進む。空と海は健康であった。馬車を引っ張っていく。時刻は午後15時を過ぎようとしていた。
御者席ではサムとレオは雑談をしていた。
「レオ、干し肉を食べよう、小腹が空くだろ」
「うん!サムお兄ちゃん、食べる!!」
サムは小袋から干し肉を二つ取り出す。そしてレオに渡す。2人はちぎりながら食べる。
「もう少し味がほしいねえ、サムお兄ちゃん」
「はは、そうだな、少し味がほしいな、レオ」
馬車内ではいつものように雑談が始まる。
ユリア「暇ねぇ〜本当に暇だわ〜」
セリナ「ユリア、でしたら手伝いなさい」
ミランダ「弓の掃除を手伝いをするか掃除しな!」
ジェイコブ「ユリア姫よ!年寄りを労ろんか!」
ジェイコブはユリアの代わりに手伝いをしていた。
すると隠れてた風の精霊が怒って飛び出すのである。プンプンと怒ってる。
風の精霊「も〜!ユリア〜気づかないの!」
ユリア「ちょ!いきなり出できたら驚くわよ!」
セリナ「ユリアが召喚したのよ〜忘れてるのね」
ミランダ「あんた……それでも主人なのかい!」
ジェイコブ「妖精様……何かあったのかのぅ?」
風の精霊「後ろから騎士団が近寄って来てるの!」
ユリア「な、な、何ですて――!!」
セリナ「き、騎士団!?まさか!」
ミランダ「サムに伝えるだよ!早く!」
ジェイコブは前の下ろし窓を叩く「サムよ、止めるのじゃ!騎士団が後ろに来てるのじゃ!」
サムの声「なっ!いつの間に!?分かりました!」
ユリア一行の馬車は急停止する。慌ててジェイコブ以外は外へと飛び出すのであった。
サムは下りてレオを馬車内に避難させる。渋々、レオは馬車内に待機する。
通った道をユリアたちは見つめていた。明らかに騎士団ぽいのがユリアたちの方向へと向かって来てる。ユリアは風の精霊に偵察を任せる。
風の精霊は空高く飛んで目線で目視する。
騎士団は隊列を組みながら前進していた。風の精霊は数を数える。「10、20、30……!」
すかざすユリアの所に戻る風の精霊。
風の精霊「数は50人!全員、武装してるよ!!」
ユリア「どうする?魔法で……?」
セリナ「ユリア〜許可しませんよ?」
ミランダ「あたいは弓の準備するさね」
サム「待て、ミランダ!敵意むきだしになるぞ」
セリナ「ここは平和的解決に行動をしますよ」
サム「俺も賛成だ、セリナ姉!」
ユリア「もぅ〜仕方がないわねぇ」
ミランダ「あ〜つまんないねぇ」
サム「ミランダ、この最近、似てきてるぞ?」
10分後に50人の騎士団がユリア一行の目の前を通過した。その騎士団は服装は黒いチュニックとマント、頭はヘルムで覆っていた。チュニックの下からは鎖帷子が見えていた。
剣を腰に掛け。盾を備えており。中には槍を抱えてる騎士もいた。全員が騎馬である。紋章は黒い紋章でマルタ十字は白色であった『聖ヨハネ騎士団』である。
(※マルタ十字。4つのV字型の紋章が特徴である。8つの角は騎士道における8つの美徳を表してる)
(※聖ヨハネ騎士団。又はマルタ騎士団とも言う、テンプル騎士団、ドイツ騎士団、三大騎士修道会に数えられる宗教騎士団である)
数人の騎士団たちはユリアたちを見つめてる。すると一人の騎士がユリアたちに近寄る。
上級ヨハネ騎士「貴様たちは何者だ?答えよ」
サムは深く頭を下げて一礼する「私たちは商人でございます、騎士様」
セリナ「家族で商人を致してます、騎士様」
上級ヨハネ騎士「商人かパリで寄るなら異端に気をつけろ!」
ヨハネ騎士は前進する騎士団の隊列に戻る。騎士団は決して虐殺をする訳ではない。異端者だと思われなければ……。
ユリアたちは騎士団が遠退いて行くのを見つめていた。
ユリア「騎士て本当に異端者狩り専門なのね」
セリナ「しっ!聞こえますよ、ユリア!」
ミランダ「大丈夫さね、もう遠くまで行ってるし」
サム「冷や汗をかいたが助かったな」
馬車内からレオとジェイコブが顔を覗き込む。
ジェイコブ「どうやら難を去ったようじゃな」
レオ「サムお兄ちゃん?もう前に行ってもいい?」
サム「さぁ、俺たちも進もう!」
ユリアたちは一斉に頷く。旅の再開である。
次回、第119話。また野宿なの?今日で3日間!