第110話。こうして11日が終わりました。
前回までの話では、ユリアは急速に眠くなり。セリナの膝の上で眠る。レオは何度か起こしたが無反応だった。
そしてセリナとレオはある事を計画する……。
ユリアたちは野宿の為に大きな岩付近で野宿を始めていた。ユリアは叩き起こされて夕食を軽く食べた6人は歯を磨き、身の回りをして就寝していた。
野宿の時は毎回、ユリアが結界を張るのである。
時刻は午後19時になっていた。1人だけ起き上がる者がいた。それはユリアである。
「皆は寝たわね、ふふ、まだ完成してないけど」
「残り2個あるから、一つさえ残しておけば……」
ユリアはゆっくりと静かに馬車の外へと出るのであった。少し馬車から離れて光魔法を使う。薄っすらと光の球体を作りだす。
「夕方、寝てて正解だったわ、子供の体はいいわ!」
ユリアはお構い無しに魔法ストレージを開く。そして異空間に頭をつこませてプリンを探す「ゴソゴソ」と。まるで保管庫のように物を探す。
「プリン♪プリン♪プリン♪プリン♪プリン♪」
ユリアは魔法ストレージからプリンを取り出した。目をキラキラさせる、ユリアであった。
(※魔法ストレージ。色々な物を異空間に保管出来る、しかも腐る事はない)
するとユリアの背後から、ゆっくりと近づく者たちがいた。
セリナ「ユリア、やっぱり、プリンでしたね」
レオ「お姉ちゃん!皆で分けてよ!」
ユリア「セリナ、レオ!ど、ど、どうして!」
ミランダ「ずるいね〜1人だけ食べるとは!」
サム「この計画に乗って正解だった訳だ」
ジェイコブ「けしからんのぅ、ユリア姫よ!」
ユリア「み、みんな、起きてたの!?」
レオ「うん、そうだよ!寝たフリしてたもん!」
セリナ「ユリア、みんなで分けますよ」
ユリアは考える。こんな小さな手の平サイズの食べ物を6人で分ける……。一口で終わると。
ユリア「これは違うのよ、現物を見て想像してたの!」
セリナ「嘘は駄目よ、そのスプーンは何かしら?」
レオ「お姉ちゃん、後ろに隠してる手を見せて」
ユリア「な、何もないわよ!ほ、本当だから!」
5人は協力してユリアを取り押さえる。そこにはスプーンが隠されていた。ユリアは半分涙になる。
ユリア「私の〜プリンがぁ〜いやぁぁぁあー!」
セリナ「この黒色ね!これ何かしら?」
レオ「なんだろうね?お母さん」
サム「確か、香りの一種と言ってたな?」
ジェイコブ「美味そうじゃ、食べようかのぅ!」
ミランダ「早く!食べるさね!一口ずつ!」
5人は、それぞれスプーンを持ってきていた。プリンは5人の餌食へとなる。皆の「ほっぺ」がおちる。「おいしいー!」と一斉に頷く。
残りプリンは1個になっていた。ユリアは信念に燃える!必ず、勇者が製造したプリンの模範を作ってみると。こうしてプリンの執着が、また一つ増えたのである。
こうして、魔法使い少女ユリアの11日が終わった。
次回、第111話。12日目の朝が始まります!。