第106話。魔法も人の命を救えるわ。
前回までの話では、サムとミランダは立ち往生している夫婦に出会う。サムは人助けを名乗る。ミランダは面倒ながらも手伝うのであった。
途中、ユリアが変な空気に持ってくるが、レオが阻止する……。
ユリア一行の馬車は広大な平原を突き進む。天候は未だに悪天候であり、いつ雨が降ってもおかしくない状況であった。時刻は正午になっていた。
御者席いつもの会話が始まる。サムとミランダの。
「ミランダ、どうだ人助けは?」
「疲れるさね、サム、これを最後にしないかぃ?」
「ミランダ、本当にそれでいいんだな?」
「……………」
ミランダは何故か無言になってしまう。真っ直ぐを見つめていた。この先、どのくらい人助けすれば良いのだろう?とミランダは内心は思っていた。
そして馬車内では、いつもの例の4人の会話が。
ユリア「セリナ〜魔法を使えば簡単なのよ!」
セリナ「ユリア、人前で魔法の使用は駄目よ」
レオ「お姉ちゃん〜本当に懲りないね!」
ジェイコブ「ユリア姫は人助けをしたいじゃよ」
ユリア「そうよ!ジェイコブお爺ちゃん!」
セリナ「それでも駄目です、人の力で解決なの」
ユリア「でも、この先、人助けが増えそうね」
レオ「どうして、そう思うの?お姉ちゃん」
ユリア「あのサムよ?正義感強そうな?サムよ?」
レオ「お姉ちゃん、なんで2回も言うの!?」
セリナ「ユリア、それも大切な事ですよ」
ユリア「人助けは良いわよ、私も賛成よ」
ジェイコブ「うむ、ならば何が言いたいのじゃ?」
ユリア「ただ時間短縮の為に魔法を〜」
セリナ「ユリア、それが言いたいだけでしょ!」
レオ「お姉ちゃん、魔法を使わないと死にそう」
レオは笑うしかないのであった。意地でも魔法を使うユリアに対して……。
御者席側ではサムとミランダの雑談が続いていた。すると前方に火の粉が見てとれた。サムとミランダはお互い顔を見てつぶやく。
サム、ミランダ「火事か!、火事かい!!」
すると下ろし窓を上げてセリナがつぶやく「どうしました?サム、ミランダ」
「火事ぽいみたいなんだ、セリナ姉」
すると次はユリアが顔を覗き込む。
ユリア「火事ですって!?サム!急いで!」
サム「おぃ!魔法を使うじゃないだろうな!」
ユリア「サム!人の命が関わってるのよ!」
ミランダ「あーうるさいね!到着してから考えな!」
レオ「火事なら火を消してあげないと〜」
ジェイコブ「これも暴風のせいじゃろうな」
ミランダ「とにかく!向かうから窓を下げるよ!」
ミランダは御者席後方の下げ窓を下げて閉める。
「サム!こうなったら行くさね!」
「分かった、ミランダ、火の粉て事は村か!?」
「それか、街かも知れないね〜あの大きな火は」
「よし!掴まれ!全速力で進むぞ!」
ミランダはもう一度、下げ窓を上げて伝える。
ユリア「遂に私の出番よ!水魔法ね!ここは」
レオ「お姉ちゃん、喜んでるよね?」
セリナ「ユリア〜顔に出てますよ〜」
ジェイコブ「まったくじゃぞ!ユリア姫!!」
こうしてユリアたちは火事の場所へと向かう。
次回、第107話。初の特大水魔法を放ちます!?