表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

前編

 突然とつぜん雨がって、何処どこ雨宿あまやどりが出来る場所をさがした、帰りみちことだった。

 宮本みやもとあいは、かさたずに出掛でかけた事を後悔こうかいしていた。早足はやあしうごくと、スカートにった水がき、仕方しかたなくあるく。

 何処を見渡みわたしても、雨宿りが出来る場所が見付みつからず、幼馴染おさななじみかつら圭吾けいごに傘を持ってさせようとおもいた愛は、早速さっそく電話をけた。…が、ない。

電源でんげん切るなんて、圭吾のくせに…」

 ぶつくさと愚痴グチつぶやき、携帯ケータイじた。

 雨にれたせいか、体がえてきた。ちがう人達はみんな、傘を持っている。

「圭吾が悪いんだから…。ちゃんと、傘を持って来ないから」

 ふる身体からだ。明日はねつ出すなぁ―と確信かくしんしながらあるいていると、前方ぜんぽうに圭吾と思わしき人物が歩いていた。となりには、見知みしらぬ女性もる。二人は仲睦なかむつまじく、まるで恋人同士(どうし)ように見えた。

 何時いつも、圭吾は自分優先(ゆうせん)だと思っていた愛にとって、光景こうけいはショッキングなものだった。其れと同時どうじに、嫉妬しっとおぼえる。

「………私が居なきゃ、なにも出来ないくせに…っ」

 震えたこえ。自分が動揺どうようしてると、いやでもわかってしまう。

 二人に気付かれないように、家から遠回とおまわりではあるが、べつみちを歩いた。



 ふるびたマイホームを見て、さっきの事が脳裏のうりよぎり、つい溜息ためいきれてしまう。

「愛!? 何やってるの、そんなところで! サッサと中にはいりなさい」

 母に中に入るよううながされ、渋々(しぶしぶ)中に入る。

 びしょれになった娘を見て、溜息()じりに「なんで、電話しなかったのよ? 車でむかえに行ったのに」と言う母に、愛は「気分」と返答へんとうし、洗面所せんめんじょへとむかった。

 濡れたふくすべてをて、御風呂おふろける。其処そこには、丁度ちょうどかされたが、今にもはいってしそうで、愛はおもいっり御風呂に体をけた。全身ぜんしんに熱がまわり、体をあらため一旦いったん御風呂からあがる。と同時に、熱がめてしまった。


 御風呂上り。冷蔵庫からキンキンにえたビールを取出とりだし、中身を硝子ガラスのコップにそそぐと、一口ひとくち飲む。美味しい、と思った。が、口にはさない。何故なぜなら、のビールを買ってきたのは、圭吾なのだから。

 何時いつもの、我儘ワガママたのみだった。ビールが飲みたくなった愛は、圭吾に買い出しを要求ようきゅうした。勿論もちろん彼は、ふたつ返事で承諾しょうだくし、自腹じばらでビールを買ってきてくれたのだ。あの時、久々(ひさびさ)に、軽く御礼おれいを言うと、圭吾は一瞬いっしゅんおどろいたものの、ぐにうれしそうな笑顔えがおうかべ、きびすを返すと、隣の家に帰っていった。

 そう。彼は何時いつも、どんな我儘ワガママでも、今迄いままで一つもことわらず、要求をんでくれた。なので、携帯ケータイが繋がらないは無かった。

「圭吾の、馬鹿…っ」

 其の時、電話が鳴った。ナンバーディスプレーには、圭吾の文字。

 愛は、電話にるのを躊躇ためらった。が、しつこいぐらいに鳴るコールにれ、電話に出る。


『もしもし、愛? 』

なに? こんな時間に? 何かよう? 」

『今日は御免ね。電話に出なくて…』

れだけ? 」

『え? 』

「其れだけで、電話したの? 」

『…うん、そうだけど。何で――』

 圭吾の言葉をさえぎように、電話をる。愛のには、こぶしかためられていた。

 彼が、我儘な頼みごとをきいてくれてたのは、自分の事が好きだからなんじゃないかって、ひそかに期待きたいしてた。だが、其のかんがえは、今日のあの光景で、全てくだかれた。

「もう、よう…」

 なやんだところはじまらない。そう考えた愛は、ベットにダイブする。そして、其のまま眠りにいた。
















続く

後書き

我儘な女性をえがくのが好きです

余裕ぶって、実際、嫉妬ばかりする女の人って、可愛いじゃないですか(●^o^●)

今回は、喧嘩相手というより、前述の言い成りになる男性という設定(う~ん…結構、難しいぞ)


初出【2011年3月16日】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ