天神 -神族について-①
カズキ達が1つの問題を解決していた頃、『神界』では遂に大勢が決しようとしていた。
「・・・やはり強いな・・・」
全ての力を奪われた時こそ見た目通りの老人に成り下がっていたが、本来のザジウスは『全知全能』を持っている。
そんな彼が全力を出せば他の『神族』を圧倒するのも当然なのだ。でなければ癖の強い彼らをまとめる事など出来ないのだから。
「もう半数以上はわしの説得に応じておる。お前達もそろそろ諦めたらどうじゃ?」
未だに力関係を失った時の快感と野心を夢見ていた反乱軍も高すぎる壁を前に成す術がなく、投降という道を示してくれている為、力のない同胞達が寝返るのも無理はなかった。
しかしどういった理由かはわからないが奴はこちらを殺す事に執着していない。唯一の勝機はそこにある筈だ。
「貴様が首長の座を譲れば考えてやらんこともないぞ?」
であれば話し合いで解決できないだろうか?最終的に『神界』を自分達の手中に収める事さえ出来れば無理に倒す必要が無いと考えるソ=ノ=フォウドも提案してみるがザジウスの態度に譲歩は見られない。
「断る。お前が舵を取ると『神族』達をヴァッツの世界に送り込むのは目に見えておるからの。」
既に虚を突いてイラが向かったのを知ってか知らずか、彼が残念そうに答えるとこちらの士気はぐんと上がる。
「むしろ何故奴の住む世界を滅ぼさない?我らの力を奪った憎き敵を丸ごと潰してしまえば、いくら強大な力を持っているとはいえ生きてはいけまい?」
誰によって力を奪われ、また誰によって力を取り戻したのか。
生まれた時から一方的に崇められてきた自分達にとってそんな事はどうでもよかった。今はただ貯まった鬱憤を晴らしたい。溢れ出る神の力を憎悪の対象にぶつけたいという感情しか湧いてこない。
傲慢であるが故にそれを押し通す事しか出来ない。だから彼らは『神族』なのだ。
「・・・わしも『神族』を長年統べて来た身じゃからな。例え反逆を企てた者達とはいえむざむざ散っていく同族を黙って見過ごす訳にはいかんのじゃ。」
間違いなくア=レイの影響下にありながら壮絶な過去を記憶し、反省出来ているのも『全知全能』のなせる業か。
あの世界に手を出せば『神界』は再び暗黒期を迎える。いや、もしかすると今度こそ完全に滅亡してしまうかもしれない。そこまで考えているザジウスは何とか説得を試みるもソ=ノ=フォウド達が耳を傾ける筈が無いのだ。
結局のところ、大きな力を持つ者達の衝突というのはどちらかが倒れるまで戦うしかないらしい。
勢力の半分を失っているので後はない。ならば今日中にこの戦いを終わらせよう。ソ=ノ=フォウドは反乱軍の力を全てぶつける為に号令を掛けようと静かに息を吸い始める。
「おやおや。思っていた以上に膠着状態が続いているようだね?」
するとこの状況を一気に覆す事が出来る存在が現れた事でザジウス側に寝返っていた『神族』達を含め、全員がその姿を一目拝もうと急いで集まってくるのだった。
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