天神 -備えあれば患いなし-②
悩んでいても仕方がないのでまずは行動だ。
ただし、時には立ち止まって熟考する時間が必要なのも無意識に理解していた。いつかは真剣に考え、答えを出さねばならないという事を。
あれからカズキはぼんやりと頭の片隅に置いたまま『ネ=ウィン』で用意されている屋敷に戻ると、そこには留守を任せていたルマーとカーヘンだけでなくアナとフランシスカもくつろいでいた。
「お?どうした?何かあったのか?」
「ああ。ちょっと気になる事があったからな。」
罪人扱いのアナはルマー達の仲間なので付き添いとして帰国していたのかと思ったがそうではないらしい。珍しく真剣な雰囲気を漂わせているのでカズキもすぐに応接室の椅子に腰かけると話を聞く姿勢に入る。
「最近ヴァッツ様に何かあったのか?」
「む?どうしてそう思ったんだ?」
「いや。実はプレオス様の講義中の事なんだが・・・」
するとフランシスカが少し言い淀んだ後、アナと目配せをしてから続きを話し始めた。
「ちょっと失礼と思われるかもしれないけど、何と自分の子供について教えて欲しいって仰られたんだ!」
「それは・・・う~ん・・・マジか?」
これに関しては反応が難しい。特にルマーとカーヘンはヴァッツの事を深く知らない為、何が失礼で何をそんなに驚いているのか?といった様子で顔を見合わせていたがこれは一大事だ。
「ああ。ヴァッツ様には既に4人の婚約者がいるから相手は問題ない。ただ子供の事を考えると順列や立場も難しくなってくるだろ?その辺りについて詳しく講義を受けておられたんだよ。」
「ほっほ~~~~~~~?」
遂にあの破格も家族と子孫について考え始めたらしい。今までそんな気配が全くなかった上に、そのあたりの知識や行動は誰よりも遅いと思っていたのだがもしかすると先を越されるのか?
競うのは絶対に間違っている。ただ自分だけが置いてけぼりを食らうような気持ちに襲われたカズキは無理矢理平静を装わずにはいられない。
「・・・・・初子は誰とか決めてるのかな?」
「その様子だとお前も初めて知った感じか。ヴァッツ様は皆を平等にって言ってたぞ。」
その辺りはブレないらしい。ヴァッツらしさを聞いて少し安心したものの、これはカズキも真剣に考えねばなるまい。
「しかし最近元気がないな~って思ってたがまさか子孫について真剣に悩んでおられたとは。『トリスト』の安泰は約束されたも同じだな。」
「・・・・・うん?そうなの、か?」
フランシスカも嘘を言う為にわざわざ出向いたわけではあるまい。ただ彼の発言に違和感を覚えたカズキはどうにも腑に落ちないと言った様子で小首を傾げるも、それはまた失礼だぞ、と諫められた事で話題は流れていった。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
本作品への質問、誤字などございましたらお気軽にご連絡下さい。
あと登場人物を描いて上げたりしています。
よろしければ一度覗いてみて下さい。↓(´・ω・`)
https://twitter.com/@yoshioka_garyu




