天神 -残される決断-①
《ア=レイ。いい加減教えて貰おうか?貴様は一体何者なのだ?》
あれからア=レイが自分だけで様々な場所へ赴いていたので『天界』や『トリスト』王城内での出来事は知らない。
《何者・・・と聞かれてもなぁ。答える術を持ち合わせていない場合はどうすればいい?》
それでも『神界』での発言、ヴァッツが自分の息子という言葉に大きすぎる商機を見出していたナジュナメジナは何度目かわからない話を振ってみるとこの日、やっとア=レイから対話に応じるような返答があったので喜びから言葉を失った。
《そ、そうだな・・・まずお前は『七神』の一人だ。間違いないな?》
《間違いではないが間違いでもあるな。》
《・・・おい?》
しかし最初の確認からつまずくとは思わなかった。もしかしてここで話が終わってしまうのか?不安と不満に心の中で頭を抱えていると彼はいつものように軽く笑って見せる。
《いや、すまないな。実は『七神』に潜入していたんだ。なので籍を置いてはいるものの生粋の『七神』かと聞かれると恐らく違うだろうな。》
《な、なるほど・・・何の為に?》
《もちろん息子の様子を遠巻きに探る為さ。》
という事は本当にヴァッツの父親なのだろうか?最近良く嗜んでいる悪魔の酒を杯に入れたア=レイはゆっくり椅子に腰かけるとそれを一口含んでは満足そうに吐息を漏らしている。
《・・・それで、ヴァッツが自分の息子だと公言したのには理由があるんだな?》
《ああ、クレイスが17歳で王位に就くと聞いてね。であれば同い年であるヴァッツも十分成長出来ている筈だ。だから私の世界に帰って親子水入らずの生活をしてみようと考えた訳さ。》
《・・・・・お前の世界、とは?》
《わからん。》
いきなり確信に近づきすぎたか?だが埒が明かない問答をするつもりのないナジュナメジナは最短距離で質問してみると素っ気ない答えが返って来た。
ただ彼との付き合いも長いのだ。これがこちらを突き放したり話を切り上げる目的でないのは何となく理解出来る。
《何がわからないんだ?自分の世界に帰って親子で過ごすんだろう?そこを知らなくてどうする?》
《まぁそうなんだが・・・私達は力が強すぎてね。全ての世界が私達の世界でもあるんだ。》
《???》
強すぎる力とはどの程度の事を言っているのだろう?そして全ての世界が彼らの世界とはどういう意味だ?知りたくて尋ねているのに理解が追い付かないナジュナメジナは必死で思考を働かせるが答えに辿り着ける気配はない。
《あんまり深く考える必要はないさ。今はただ、ヴァッツが私と同じ力に染まってくれればと願うばかりだよ。》
《・・・お前は『天人族』ではないんだな?》
《流石だ、ナジュナメジナ。お前も少しはわかってきたじゃないか》
なので疑問を潰す為にまずは簡単な質問をしてみたのだが以降は大した情報を得られず、いつか話すと告げられた事で一度整理したかったナジュナメジナも素直に身を引くのだった。
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