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闇を統べる者  作者: 吉岡 我龍
恩義
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恩義 -その資質-②

 「ねぇハーラー。ちょっといい?」


年下というのもあるだろう。カズキに相談出来なかったタシンは翌日、自分の心を大いに乱す元凶へ直接接触しに行くとヴァッツの部屋には妙な雰囲気が漂い始める。

「あら?ヴァッツ様の御部屋に押しかけて私に御用だなんて・・・随分と礼を欠いた人間もいたものね?」

「いいよ!気にしないで!でも何かお話があるならオレも一緒に聞かせてもらっていい?」

普通なら席を外す場面ではないだろうか?大将軍を相手に突っ込む訳にもいかず、レドラもとても朗らかな笑みを浮かべてタシンを立派な造りの椅子に促してくれると黙って従う。

ちなみにハーラーの暴走を止める為彼女の隣には時雨も同席したのでもう全てが些細な問題になった。


「ま、いいか。ねぇねぇ、男に媚を売る方法?っていうか男を虜にする方法?私にも教えてくれない?」


「・・・・・貴女、喧嘩を売りに来たの?」


なので少し面倒臭く感じてきたタシンは苦手な建前を投げ捨てて質問するとハーラーの表情は本物の蛇と見紛う程に歪んでいく。

「そんなつもりはないよ?本心からカズキ君を私だけのものにしたいって考えた時、君に行き着いたんだ。正直下心見え見えの行動は忌避感しかないけど大した力を持ってない者同士だし、仲良くしようよ?」

「ヴァッツ様?!この子何なんですか?!」

もう少しへりくだって頼むべきだったか?怒らせた原因を掴めなかったタシンが不思議そうに小首を傾げるとヴァッツと時雨は目と口をぽかんと開けたまま、クンシェオルトは笑いをこらえているのか顔を背けて僅かに肩を震わせている。

「・・・決して悪気がある訳ではないようですが・・・タシン様、ハーラーはその道で生きてきた、ある意味猛者です。なので教えを乞うのであればもう少し敬意が必要かと。」

「えっ?!ただの売女なのに?!」

「このガキィ?!」

「わあああ?!待って待って!!」

おかしい。自分は決して間違った事は言っていない筈なのにどうしてこうも場が荒れるのだろう?レドラが言う様に少しは敬意を抱くべきか?いや、男を誑し込む状況は自分も彼女も変わらないのだ。


であれば敬意など必要ない。何の力も持たない自分達が意中の男を繋ぎ止める、振り向いてもらう為だけに愛想を振りまき、既成事実を重ねる行動など決して誇れるものではないのだから。


「ヴァッツ様、クンシェオルト様、ここは女性同士に任せるのがよろしいかと。我々は退散しましょう。」

「えっ?!だ、大丈夫かな?!」

「ご心配には及びません。時雨様がしっかり仲裁なさって下さいます。ね?」

「は、はいっ!が、頑張ります!!」

レドラも長い人生経験からすぐに察したのだろう。ヴァッツだけは最後まで心配そうにしていたが3人が隣の部屋に移動するとタシンも更に自分らしさを覗かせ始める。

「それでそれで?床上手って何をすれば喜んでくれるのかな?」

「・・・時雨さん。貴女もそれなりにお強いんでしょ?まずはこの小娘の前歯を全部へし折って貰えるかしら?」

「・・・あなた達滅茶苦茶ですね・・・私がこの場を任されたのは話し合いの形を保つ為です。いいですね?」

だが責任感の強い時雨が呆れた様子を見せた後、珍しく怒気を放つとタシンもその強さに肝を冷やす事でやっと相談会は僅かな進捗を見せるのだった。

いつもご愛読いただきありがとうございます。

本作品への質問、誤字などございましたらお気軽にご連絡下さい。

あと登場人物を描いて上げたりしています。

よろしければ一度覗いてみて下さい。↓(´・ω・`)


https://twitter.com/@yoshioka_garyu

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