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闇を統べる者  作者: 吉岡 我龍
クレイスの憂鬱
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クレイスの憂鬱 -王と王-⑲

 尋問はショウとカズキに任せるとして、完全に魔力が枯渇したクレイスはヴァッツにイルフォシア達の待つ小屋への移動をお願いする。

これは『リングストン』に蔓延る犯罪組織の長ジェリーマを確保した事、その正体は『暗殺』組織の長でもあるカーテルだった事を少しでも早く報告したかったからだ。

「ただいま!!」

「「?!クレイス様っ?!」」

劣化版のヴァッツに一撃当てる事は叶わなかったものの課題も見えたのだから落ち込んでばかりもいられない。クレイスはヴァッツのように元気な挨拶と共に姿を現すとイルフォシア達も驚きつつこちらの無事を確認する前に跳びついて来た。

「・・・その様子だとまさか・・・ジェリーマを殺ったのか?」

「いいえ、捕らえただけですよ。今頃事情聴取が行われていると思います。」

アーヘラも気にはなっていたのだろう。誰よりも早くその結末を尋ねてきたのでその正体を答えてみせると安堵と感嘆の溜息を漏らしている。

「流石クレイスなの!!でも魔力がほとんど残ってないわね?相当な戦いだった・・・はずだけど無傷みたいだし。どうなってるの?」

しかしヴァッツに変化出来る存在をどうやって捕らえたのか。『魔族』らしい指摘を受けたクレイスはヴァッツと顔を見合わせて笑い合うと戦いの一部始終を語り始めた。








クレイス達の役目は『リングストン』に蔓延る犯罪組織の正体を突き止め、壊滅する事だった。これにより国内外に猛威を振るい始めていた『麻薬』も根絶出来る。そう考えていたのだが事情はもう少し複雑だったらしい。

捕らえた関係者からの尋問で犯罪組織の規模や拠点、手口などを把握していたショウがいくつかの不透明な部分からクレイス達を執務室に呼び出すとまずは新年のあいさつを交わし合う。

「いよいよあと1年後にはお前が国王か~。何だか不思議だな。」

「そうですか?クレイスは血筋も実力も申し分ありません。ただ『トリスト』国内での問題が残っていますしね。これを今年中に解決しましょう。」

「・・・そうだね。ところで新年早々どうしたの?」

「はい。実は近日中に国家の代表を集めて会談を行いたいと思います。クレイス、私と共に参加してくれませんか?」

意外な提案に3人は顔を見合わせた後、クレイスが理由を尋ねるとそれは『リングストン』の犯罪組織に関わるものらしい。

「いいけど。そこに僕が参加してもいいの?」

「当然です。貴方には次期国王としての実績をまだまだ積んでもらう必要があります。そこで今回共に犯罪組織を壊滅した者としても参加して頂き、各国とより強固なつながりを作ってもらいたいのです。」

「なるほど。それだったら頑張らないとね。」

いくら大国『リングストン』内での出来事だったとはいえ規模が相当大きかったのだ。であれば直接彼らにも詳細を伝えれば各国への注意喚起になる。そう考えたクレイスだったが問題は単純ではない。


それを最も深く理解していたショウは早くから会談の段取りを進めていたのだろう。


三日後には交流都市ロークスに大小様々な国家の要人が集まるとヴァッツやカズキといった『トリスト』でも最高戦力の厳重な警備下の中で会談が行われるのだった。

いつもご愛読いただきありがとうございます。

本作品への質問、誤字などございましたらお気軽にご連絡下さい。

あと登場人物を描いて上げたりしています。

よろしければ一度覗いてみて下さい。↓(´・ω・`)


https://twitter.com/@yoshioka_garyu

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