表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇を統べる者  作者: 吉岡 我龍
クレイスの憂鬱
288/379

クレイスの憂鬱 -王の侵略-⑤

 「ほうほう?ウォダーフの住んでいた『ウラヴィ大陸』から異邦人が迷い込んでくる可能性か。これは面白そうだ。」


それは国家の垣根を越えて世界中へと通達されたのでもちろんフランセルの手元にも同じ書面が届いている。

「何が面白いんだか・・・話が通じないといきなり斬りかかられる可能性だってあるのよ?現に『ダブラム』が侵攻されたんでしょ?間違っても『ネ=ウィン』には来てほしくないわ。」

しかし彼を諫めつつ気分は相当晴れやかだった。というのも兄が黒い竜と共に帰省してきた時、一緒に連れてきたアナという少女がルマーとカーヘンの友人だった為だ。一応は囚われの身であまり自由はないという事もあるのだろう。この時ばかりは2人も彼女を優先していたので久しぶりにカズキの傍にゆっくりと陣取る事が出来てとても充実感を得られる・・・筈だった。


「カズキ君。それよりどう?私の作った農具は。とてもいい感じでしょ?」


ところが逆隣りに座る目障りな女のせいで心の底から楽しむ機会は失われたらしいらしい。

「あ~あれか。悪くはないんだけど使いこなせる人間があまりにも限られてる。何であんな大きさにしちまったんだ?」

「だってカズキ君いっつも大きな剣をぶんぶん振り回してるじゃない?だったら同じくらいの鋤や鍬でも問題ないかなって思ったんだけど。」

「皆が皆彼みたいに膂力がある訳じゃないのよ。わかったら国に帰って作り直してきなさい。」

以前一度だけ顔を合わせたタシンは現在『トリスト』で様々な開発に携わっているという。だったらずっと城内に引きこもっていれば良いのに何故わざわざ『ネ=ウィン』にまでやってきたのだ?

「え~?作り直すには結構な時間がかかるのよね~それはまた今度にするわ。で、カズキ君、暇ならお昼一緒に食べよ?どこかいいお店知らない?」

いや、答えは明確だろう。彼女もカズキの傍にいる為に口実を作っているだけなのだ。であればこちらも退く訳にはいくまい。

「そういえば大根畑の成長が少し悪いらしいわよ。カズキ、ちょっと一緒に見てくれない?」

「お?そうなのか。んじゃ調べてみるか。」

よし、一先ず彼の意識をこちらに向けられた。ささやかな攻防に勝利したフランセルはつい笑みを浮かべてしまうがこの策謀には大きな問題が残っている。

実は大根畑に不具合など何一つ発生しておらず、何とかタシンを引き剥がしたくてつい出まかせが飛び出してしまったという問題が。

そこをどう解決すべきか。無理矢理カズキの腕を引っ張りながら言い訳を考えていると異変は突然起こった。


ばぎゃんんっ!!!


突然眩い光と共に彼が家宝である『滝割れ』と『山崩し』を盾のように顕現させたのでフランセルと一緒についてきていたタシンは目を丸くした後、音の後に届く衝撃で体を大きくのけ反らせる。

「っあああぁっ?!は、畑が・・・ってっめぇ?!いきなり何してくれてんだ?!」

「・・・む?お前は・・・誰だ?ムチャカは・・・それにこの場所は一体?」

どうやら突然現れた男から放たれた一撃を凌ぐ為に動いたようだがそれでも限界があった。3人こそ無事だったものの周辺にあった畑の若葉は収穫を迎えられそうもない程折れて、千切れて、土に埋まっている。

「・・・カズキ。あの人、ムチャカって言ったわ。もしかして・・・」

だが今は先程通達された名前に注目すべきだ。そして男もかなりの怪我を負っているのと目標を失った事で完全に気が緩んだのだろう。

怒り心頭のカズキが喚き立てるのも気にせずその場に倒れ込んでしまったのでフランセルは異邦人らしき人物の保護を伝えると彼も渋々従ってくれるのだった。

いつもご愛読いただきありがとうございます。

本作品への質問、誤字などございましたらお気軽にご連絡下さい。

あと登場人物を描いて上げたりしています。

よろしければ一度覗いてみて下さい。↓(´・ω・`)


https://twitter.com/@yoshioka_garyu

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ