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87、マツダの死後(終)

  マツダカズトが全てのキラーを討伐し終えてからの世界は混沌そのものだった。


一時キラーの発生が抑えられていた時と同じ様に人々は自由に出歩き死の恐怖から解放された一方で犯罪者組織の拡大、小さな犯罪の増加が顕著だった。


多くの死を目の当たりにして人々は悲しみ、生命の大切さを噛み締めている。


はずだった。


だが、生命の大切さをか噛み締めるにはあまりにも長い間多くの死を見続けてしまっていた。


周囲の人間の死に慣れ過ぎてしまった人類は人が何人か亡くなった位では何も感じなくなってしまっていたのだ。


中にはキラーこそ神の天罰であり正義なのだと新興宗教を興す者も現れる始末だった。


当時解散される予定だったキラー討伐軍も人員が強化され治安維持部隊として都市内を日々パトロールしなくてはならない事態にまで発展している。


「高城君、今日の収容者数はどの位になりましたか?」


「今日は強姦で10人、集団暴行で10件35名、強盗5件で12名。公安からは詐欺や窃盗等で52名の逮捕者が出たと報告が入っています」


「一日でこれだけ多く・・・まだマツダさんが亡くなってから一月も経っていないというのに・・・」


「やはり、この前の一条ちゃんと協力した方が・・・」


「ええ、このままでは我々が目指したものとはかけ離れた未来になりそうですからね」



 ― 最後のキラー討伐時 滑走路 ―


マツダが最後のキラー討伐の為投石を行った時、上空から黒い円盤のようなものが飛翔してきた。


殆ど音もなく現れ、空軍基地内だというのにどの機器にも探知できなかったのだ。


上空から真っ直ぐにマツダの真上に静止した円盤の底には丁度人が入れる程度の筒が付いていて、キラーが討伐されると同時にマツダを覆い再び飛び上がった。


そして野次馬の前まで進むと上部から人が現れた。


一条一子だった。


「少佐、皆さんお久しぶりです。私が、マツダさんの遺体を貰い受けます。そしていつか、このキラーがいなくなってしまったこの世界を私たちの手で救い出します。協力は歓迎しますが、邪魔するようであれば私達の敵です」


スピーカーから発せられる声は冷たく、野次馬を見る目もどこか虚ろで生気が無い。


滑走路には先程まで聞こえもしなかったプロペラ音だけが鳴り響いていた。

約三か月に渡り作品を作ってきました。他にも作りたい作品があり、その構想にあったように物語中に伏線を落としたまま未回収の物があります。次回作で回収される予定と、機会があれば世界を救う一条ちゃんの物語を作れれば良いなと思っています。初めての作品で時間と場所の整合性が取り切れていない部分もあるかもしれませんがご容赦ください。昼の仕事もあるので次回作は一週間程度の作り溜めを行ってから12月末位からの連載開始を考えています。もしここまで読んでいただいた方がいれば幸いです。よしよろしければコメントや評価いただければ嬉しいです。ありがとうございました。

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