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73、タイムリミット

 警報を聞いて少し驚いた。


驚怖したわけではない、軍の徹底っぷりに驚愕したのだ。


新居の用意は有難いが前回の部屋といい、こちらの都合は全く考えずに無神経にこういった警報を設置する所に愕然とした。


キラーが発生した事は自分自身が一番よくわかっている。


発生する前から発生する予兆を感じていた。


ある意味で未来予知をしたと言っていい。


俺は全く驚くことも無く、いつ警報が止まるのかと待ちながら立ち上がり基地へ行く為の気持ちの整理をする。


一向に鳴り止まない警報に耐えきれず部屋を出て仕方なく基地に向かう事にした。


部屋を出て扉を閉めた時、部屋のから警報が消えた。


粘着質な警報システムに呆れ溜息を吐きながら駆け足をしている風な歩き方で基地に向かった。



 基地に着くと仕方なく作戦室に向かう。


正直言って赤石と高城にはあまり会いたくなかったがあれだけ警報を鳴らされて出向かなければ今後もっと顔を合わせずらくなるだろう。


「いやぁ、ものすごく大きい警報音でしたね」


基地内にいた者にとっては聞こえてもいないどうでもいい情報なのだろうが、部屋に警報を付けられた事の皮肉を言いたくて仕方なかったのだ。


「マツダさん、ご足労ありがとうございます。今日はマツダさん要因のキラーが久々に出ています。何かありましたか?」


「部屋に戻って携帯電話で世界情勢を見てしまいまして」


「あぁ、悲惨ですね。あれを見れば誰であれ不快な思いをするでしょう。マツダさんには申し訳ないのですがなるべく目に触れないようにして頂きたいです」


「えぇ、俺もわざとではないんです。暫く抑制出来ていたので良いニュースで溢れているのかと思ったんですけどね」


「残念ですがキラーが現れなくなってから人による犯罪が急増しています。われわれもキラーを討伐した末の未来がこのような未来になるのならば、、、」


赤石の言葉が途中で途切れた先が気になったが俺は横目で聞き流す。


俺もキラーがいなくなった未来がこんな犯罪だらけの世の中になるのならばキラーを討伐せずにこのままキラーの恐怖に怯えて生活していた方がいくらかましだろう。


「今回は海外の発生です。マツダさんはもう上がってしまって大丈夫ですよ」


「わかりました。あと、クローンキラーの討伐開始まであとどのくらいですか?」


「海外の避難訓練が順調に進めばあと一週間ほどです。予定よりもかなり早くなりそうですが、訓練の進捗はいかがですか?」


「良好ですよ。後は慣れです。一週間ではちょっと短いかもしれませんがなんとか戦えるように調整しておきますよ」


作戦室を出ると部屋に戻らずに研究室に向かう。


斎藤にも後一週間程でクローンのキラー討伐が始まる事を知らせなければならない。


扉を開けると斎藤が忙しそうに動いている。


「斎藤さん、まだ完成していないですよね?」


「お~ぃ!今日何回目なんだよ!」


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