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ただ少し……。



■短いタイトルは、有名になってから。


 各論の最初は、タイトルです。

 早速ですが、悪い例として僕の作品から引っ張って来たいと思います。


操石(そうせき)才媛(さいえん)


 うーん、完全に意味の分からない系のタイトルですね~。

 ちなみに、どんな話だと思います?

 もしこれだけ読んでこの話がどんな話か分かったら、あなたはエスパーです。


 ちなみにこれは

「ウィルスを操る能力を持った少女が王位継承権をめぐって他の能力者と戦う話」

です。


 ふふ、わかりましたか?



「わかるか!」

「むしろ読めねーよ!」

「ふふ、とかキモい」



 至極まっとうな野次が痛いです。はい。

 あとキモいは刺さるからやめて。


――


 気を取り直して、もう1個行きましょう。

 これも僕の過去作品です。


八咫(やた)の皇女は奇病を食む』


「だから読めねーよ!」


 ツッコミがシステム化されて早くなっていますね。

 ええ、その通りです。


 意味深っぽいですが、やはりどんな話か分からないですよね。

 そもそもこれは、「八咫」という文字から、神話好きの方が八咫鏡(やたのかがみ)八咫烏(ヤタガラス)を連想することを狙ってつけました。

 しかし、逆に神話好きでないと読めない可能性が高いです。

 つまり、呼び込める可能性のある層が狭いわけですね。


 ちなみにこれは

「真実をイエスorノーで教えてくれる不思議な銅鏡を持った皇女様が宮殿を抜け出して原因不明の奇病の正体を解明する話」

です。


 ……もう突っ込む気も起きません。

 タイトルの語呂くらいは良いと思うんですけどね……。



――


 以上、自分のメンたるを犠牲にした「悪いタイトルの例」でした。


 さてさて、ではこれらの「悪いタイトル」に共通する特徴はなんでしょうか?

 色々と言えるとは思うのですが、その一つは


「抽象的で意味深なタイトル」


だということです。



 なろうでは長ったらしいタイトルの作品が多い昨今ですが、これには好みや意見が分かれるところです。

 ですが、もしあなたが「もっとたくさんの人に読まれたい」と願うのであれば、間違いなく「長いタイトルの方が良い」と言えます。

 その理由をお話ししましょう。



 まず、長いタイトルには「この作品がどんな話か分かる」という分かりやすいメリットがあります。


 僕のように言葉選びに自信の無い人間は「これがどんな話なのか」ということを、長ったらしいタイトルで読者の皆さんに懇切丁寧に説明申し上げているわけですね。

(長いタイトルを書いている作家さんは語彙力が無いと言っているわけではないです、一応)



 なので、ここを見ているあなたには私と同じように


「どんな話だか分かる、長いタイトルをつけよう!」


と声を大にして言いたいです。



 実際、上に挙げたタイトルも、それだけならあまり興味は惹かれなくても、どんな話か分かったらちょっと読みたいと思いませんでしたか?

 ……思いませんでしたか、そうですか。

 でも、ちょっとは思ったでしょう……?


――


 ただ、もしあなたが「いや、俺は言葉選びに自信あるし」と言うなら、好きにしてください。

 でも、現時点で読まれてないなら、多分そんなにセンスは無いです。


 もしあなたが「長いタイトルなんてダサい」「自分のプライドが許さない」と言うなら、それこそ好きにしてください。

 作者のプライドなんてものは、読む側には公衆便所に落ちているトイレットペーパーの切れ端ほどの価値もありませんが。

(まあでも、書くのが苦しくなったときはそのプライドが支えになったりもするんですよね……)



 ……話が逸れました。

 ともかく、短く抽象的なタイトルでは、読者はどんな作品なのか掴みにくいというのは理解いただけると思います。

 言い換えれば、多くの短いタイトルは「どんな店なのか分からない看板」だということです。

 そんな看板の店に入る人は少ないということは、先ほど述べた通りです。



 しかし、たとえ長いタイトルをつけたとしても、長さには限界がありますし、毎回印象的なタイトルが付けられるわけではありません。

 そんなことが狙って出来たら苦労しませんしね。

 大丈夫です、まだ先がありますから。



 そういった「タイトルで成功していない」作品の場合、読者は「これがどんな作品なのか」という疑問(ないし好奇心)の答えを、あらすじに求めます。

 個人的な経験則では、あらすじまでは多くの読者も付いてきてくれます。

 が、あらすじがつまらなかったら無理です。読まれません。


 と言うわけで、次にあらすじについてです。


――


Q. タイトル長くしろっていうけど、芥川も「鼻」って作品出してるよ。短いタイトルでも良いじゃん。

A. 時代が違う。そしてお前は芥川ではない。


Q. 湊か○え大先生も「告白」ってタイトルで大ヒット出してるよ。短いタイトルでも良いじゃん。

A. だから比較対象がおかしいんだって。


Q. 「火花」「1Q84」「山椒魚」etc

A. そこまで言うなら止めないけどさぁ……。


――



 ちなみに余談ですが、「八咫が読めない」ということは結構当たり前のように思えるかもしれません。

 ですが、僕は他の方から言われて初めて気付きました。


 もしあなたが応援している作品があり、気になることがあったら、言ってあげてください。

 読む側からするとビックリするほど当たり前のことでも、書いてる人は本当に気付けないものなのです。

 あと、教えてもらえたらすごく嬉しいものです。

 私もうれしいので、何かあれば教えてください!

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― 新着の感想 ―
[良い点] めーーーーっちゃ参考になる! それとちょいちょい挟んでくるギャグも良き! [一言] イエイ! ありがとう! 参考になったよ!
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