貴方の作品は面白い!
「小説家になろう」というサイトは、名作の宝庫である。
これが、ずっとここの小説を読んできた僕のたどり着いた境地です。
あなたがこのエッセイを読んでいるということは、あなたはあなたの精魂を込めて書いた作品が、不当に低く評価されていると思っているのではないでしょうか?
そして、もっとたくさんの人に読まれ、たくさんの賞賛を貰うべきだ、と。
フフ……。
まったくもって、その通りです!!
更新してもPVは20くらいしか増えないし、ブックマークも付かないし、評価なんてされないし、感想が付いたと思ったら誤字報告でした……。
レビュー? なにそれおいしいの?
もしあなたの作品がこんな状況だったとしたら、それはおかしい。
絶対におかしい。
おかしいので、少し手を加えてこの状況を脱却してしまいましょう!
ここでは「もっと多くの人に読まれる」あるいは「読ませる」ためにはどうすべきか、と言うことを主眼に置いた時に、僕が気づいたことを書かせていただきたいと思います。
ですので、もしあなたが「俺は書きたいものを書いているから、分かる人だけ分かればいいよ」というタイプの方でしたら、このエッセイは完全に無意味なものになります。
またいつか、どこかでお会いしましょう。
そして、このエッセイは要約しますと、「あなたの作品はあらすじと冒頭がアレなので色々ともったいない」となります。
これで何の話か分かったら、これ以上は読む意味はありません。
むしろその先をご指南ください。
お願いします。なんでもはしません。
……もういなくなりました?
はい。
では、はじまります。
――
■読まれない作品にありがちな話。
早速ですが、質問です。
Q. 総合評価が3桁以上の作品って、何%くらいあると思いますか?
・
・・
・・・
はい、答え合わせです。
どうやら先達のデータ分析によりますと、90パーセントの作品が総合評価100pt未満だそうです。
つまり、総合評価が3桁以上の作品は1割程しか無いということです。
なので、答えは
約10%
となります。
ですが、総合評価が低い作品が評価されていないのは、べつに文章がメチャクチャで日本語として意味が成り立っていないとか、作品として新規性が無く、読んでいてひどく退屈だからではありません。
中にはそういう作品もありますが、僕の主観ではそんな作品はほとんどありません。
それどころか、むしろ良質な作品がほとんどです。
ちなみに、もしあなたが「自分の作品が読まれないのは、それがテンプレではないから」だと考えているのであれば、それは正しい考えではありません。
反例なら、ジャンル別ランキングを見ればいくらでも見つかると思います。
ファンタジーや恋愛以外でも、なろうには面白い話がたくさんあるんです。
なので、あなたが書きたいものを書いて、それが読まれる。
そういう素敵なことは普通に起こりえます。
悲観することはありません、己が道を行きましょう!
――
では、なろうにごまんと存在する、「評価されずに埋もれた名作」に共通した特徴とは何でしょうか?
それは、初めて来る読者さんに
「この作品、どういう話か良くわからないな?」
という第一印象を与えてしまっている、という事です。
残念なことに、そんな話か分からない作品を読もうとする人は、作者のお母さん以外にはいません。
では、なぜそんな第一印象になってしまっているのでしょう?
それはズバリ、『タイトルとあらすじが悪いから』です。
「なんで? 俺にはめちゃくちゃ豊富な語彙力と、文豪並みの描写力があるんだよ! タイトルもあらすじも関係ない。第一印象なんて知るか。俺の話を読め。物書きなら本文で勝負だろ!」
万が一、あなたがこんなことを思ったなら、僕はあなたを鼻で笑った後、ぶん殴ります。
ついでに罵ってやります。
ええ、救いようの無い大バカ者と言ってやりますとも。
……ですがまあ、怒らずにもう少しだけお付き合いください。
このエッセイはまさに、そんなあなたのために書いておりますので。ええ。
でも、どうしてもこの考えを捨てたくないのなら……。
なろうではなく、公募の方が向いているかも知れません。
個人の感想ですけどね。
――
■なろう作品は、あらすじとタイトルが99%
慈悲はありません。
こればっかりは胸を張って言える事実です。
と言うのも、作品を読み始める人はまずタイトルとあらすじを読みますよね。
つまりあらすじとタイトルは、読者にとって「作品の看板」のようなものなのです。
たまに各話のサブタイトルも読む人もいるらしいですが、まあこの二つと比べると重要度はそんなに高くないでしょう。
ですが一定数いらっしゃるのは確かなので、少しでも読者数を増やしたいのなら、こだわってみるのもおすすめです。
さて、小説家になろうに掲載されている作品は、飲食店に例えることができます。
お腹が空いている人(=読者)が、入るお店(=作品)を選ぼうとしているのをイメージしてみてください。
……イメージしました?
まあ物書きさんなら余裕ですよね。
その人はずらっと並んだお店の中から、何を見て入るお店を決めるでしょうか?
この場合、それは「看板」です。
口コミ(レビュー)のこともあるかもしれませんが、なろうではレビュー自体がかなりレアですし、レビューの内容よりレビューを書かれること自体に意味があるため、無視します。
ツイッターなどのSNSかもしれませんが、それで人を呼べるのなら看板でも呼べるでしょう。
ではその看板ですが、例えば一つには「らーめん」、もう一つには「いがえり」と書いてあるとします。
「らーめん」
と
「いがえり」
ですよ。
いいですか?
はい、では質問です。
あなたは、どちらのお店に入りたいですか?
もしくは、どちらに入りたくないですか?
少なくとも私は「らーめん」と書いてある方に入りたいと思います。
――
結論から言えば、読まれている作品の看板には、しっかり「らーめん」「カレー」「牛丼」と書いてあります。
つまり、看板からどんな店か分かるわけです。
一方読まれない作品の看板には「いがえり」「ソーゴ」「龍算」などと書いてあります。
これでは、看板からはどんな店なのか分かりません。
何が出てくるか分からない店より、何が出てくるか分かる店の方が入りやすくないですか?
わざわざ冒険して訳の分からない店に入る物好きは、なかなか珍しいと思います。
そんな人が全くいないとは言いませんし、そういう気分になることもたまにはあるかも知れません。
ですが、こと「たくさんの人に読まれたい」とあなたが思うのなら、そんな少数の人達は切って捨てるべきです。
観光地で一見さんだけを相手にするのなら話は別ですが、なろうで読まれるならそれではいけません。
というわけで結論は、どんな話か分かりやすいタイトルやあらすじを用意しましょうね、でした。
次回はそれについて、より具体的に書いていこうと思います。
――
それと、これは多くの人にとっては関係のない話ですが……。
もしあなたが不正にポイントを稼いでランキングに載り、たくさんの人に見てもらって、さらにポイントを稼ごうとしているのだとすれば、それは絶対におすすめしません。
確かにランキングは多くの人が足を運ぶ大通りですが、どんなに立地がよくても看板や料理がなっていない店が流行ることは絶対にありません。
駅前の一等地に店を構えても、つぶれる店はつぶれます。
逆に良い店は、どんな裏地にあったとしても、ちゃんとお客さんは来てくれます。
地道な努力はつらいですが、そんなズルをしても得られるのは汚名くらいです。
あなたは正しく努力できる人です。
姑息な手段に手を出す必要はありません。
見る人が見ればバレますし、汚いマネはやめておきましょう。