003
遅れてすみません( ;´Д`)
短いですが…どうぞ( ´ ▽ ` )ノ
シーザーに乗って暫く経つと、街が見えてきた。周りを城壁が覆い、城らしき建物も見える。
「あそこか?」
「はい。近くまでは行けませんので、この辺りで降りて下さい」
彪斗はアイリスからそう聞き、シーザーに合図を出す。シーザーは着地の態勢に入り、軽い衝撃と共に着地する。
「シーザー…ありがとな」
彪斗は名残おしそうにシーザーを撫で、首を軽く叩き戻らずの森に帰るように促す。シーザーは別れ際に、彪斗の手に自身の頭をすり付けて、帰っていった。
「それでは、我々と一緒に城に来て頂きたい」
「分かった」
シーザーと別れた一行は、暫く歩いた。やがて、城壁の出入り口である関所の様な所の前に辿り着くと…そこでは、無愛想な騎士らしき人がチェックを行っていた。
「次…」
「はい」
アイリスの番になり、身分証明書を出した。
「………アイリス王女!?」
騎士の顔は、一面に蒼白になった。その後、関所を問題無く通過した一行は、王との謁見をすることになった。城壁を通過した一行は、似たようなやり取りを城の門番と行い、現在は謁見室にいる。彪斗達が頭を下げていると…
「面をあげよ」
「「「はっ」」」
彪斗達は、初めて王の顔を見た。彫りが深く、威厳に満ち溢れた顔をしていた。
「アイリス…無事だったか…」
「はい!」
よく見ると、威厳に満ち溢れた顔に涙が滲み、周りにいた臣下達も皆一様に涙を流している。
「彪斗と言ったか?」
彪斗が、アイリスは愛されてるな〜と思っていると…感動の再会を終えた王が、彪斗に話しかけてきた。
「はい」
「挨拶が遅れたな。私はキプリス王国の王、ハガンだ。この度は、娘を助けて頂き感謝する。私に出来る事があったら、是非頼って来てくれ」
「分かりました。よろしくお願いします」
彪斗は知らない事だが…この王の言葉は、王国が彪斗のバックになるという事であり、異例の待遇ではあったが、その場にいた全員が彪斗に対し恩義を感じていた為に、異論を出す者はいなかった。
その後、謁見を終えた彪斗は、これから旅をする旨を王達に伝えていた。
「それでは、我々はこれで…」
「彪斗さん…ありがとうございました」
「「「また、遊びに来てくれ」」」
「彪斗君、これを…」
ハガンは、彪斗に何かカードの様な物を、手渡した。彪斗は訝しげにカードを受け取る。
「なんですか、これは?」
「それは、我々の国の特別身分証だ。これからの君の力になると思う」
「分かりました。ありがたく頂戴いたします」
特別身分証を受け取った彪斗は、今度こそ皆に別れを告げた。その背中は次第に遠くなっていくのを見ながら、王は皆に宣言した。
「彼には最上の感謝と祝福を…彼の労に報いるため、アイリスを策略に嵌めた貴族を洗い出し、処罰せよ」
「「「はっ」」」
騎士や臣下達がいなくなって、王は呟く。
「彼にも恥ずかしくない国を見せる為に…」
「お父様…彼は、大きくなりますよ」
「ああ、楽しみだな」