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リング  作者:
4/31

第4話:少女との出会い

 「その指輪、あたしの!!」

 「えっ、でもこれは私が探している物かも…………」

 「指輪の内側見てみろよ! イニシャルあんでしょ!」


 明日香は、指輪の内側を見る。すると、確かに少女が言ったようにイニシャルが彫ってあった。


 (幸さんが言ってたのは、永遠の愛だったよね。確か)


 「ああ、確かに私が探していたのとは違うみたい。はい、どうぞ」


 明日香は、少女に指輪を手渡す。

 すると少女は、一瞬、とてもホッとした笑みを浮かべる。

 そして指輪を大切そうに小さな袋にしまう。

 その姿を見て明日香は、少女の歳相応な姿に微笑む。


 (中学生くらいかな?)


 袋を大切に仕舞いこみ少女は、明日香をじっと見つめてきた。


 「あんた、何してんの?」


 少女の問いに明日香は、苦笑する。


 (もう深夜だものね、不審人物と思われちゃったかしら)


 「ああ、仕事でね。ここで指輪を無くしたって人がいるのよ」

 「へーーー。でも、何でわざわざ夜なわけ?」

 「昼間は他の仕事があるから。あなたこそ、こんな時間にどうしたの?」

 「別に。関係ないでしょ!!」


 少女の気に障る問題だったらしく、彼女は公園から足早に去って行ってしまった。


 「あらら、行っちゃった。にしても、本当にここなのかな?」


 明日香は、幸の言葉がどうにも信じられなくなってきてしまう。


 「とりあず、役所に戻って相談してみよう」


 明日香は、ポケットから古びた鍵を取りだす。そして、それを何もない空間に差し込む。するとその鍵の先から淡い光が生まれ、扉が作られた。

 この扉こそ、あの世へと繋がるものである。


 明日香は、鍵を抜き取るとその扉を開き、その中へと消えていく。扉が閉まると同時に光で出来た扉は消失した。


 この時、明日香は重要なことに気付いていなかった。

 少女は、明日香に話しかけたのだ、死んで魂だけの存在である明日香に。

久しぶりの更新です。

頭をリングモードに戻すのに苦労しました。

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