「弾劾」
掲載日:2026/04/12
「弾劾」
その日、議場の空気は最初から決まっていた。
賛成は、赤色の党で半分を埋めるはずだった。
弾劾決議。
世界中の報道陣が見守る中、投票が始まる。
一人、また一人。
票は静かに積み上がっていく。
ーー想定を超えていった。
三分の二。
必要とされていた線を、あっさりと越えた。
誰かが息を呑んだ。
誰かは、もう結果を知っていた顔をしていた。
「YES」
その声は、最初は小さかった。
だが次の瞬間、連鎖するように広がる。
YES。 YES。 YES。
この国の意思は、投票の連鎖だった。
彼だけは、迷わなかった。
裏切り者と呼ばれても。
名前が呼ばれたとき、ほんの一拍だけ沈黙があった。
そして......
YES.
その瞬間、すべてが終わった。
後にそれは「正義」と呼ばれた。
裁かれた背中は、怒りに満ちたまま、救われた国で、いつまでも戯言を述べ続けている。
あなたは、この一票をどう思いますか?




