傾奇転生 前田慶次異聞録
――戦乱の世を駆けた傾奇者、今度は異界で風を起こす。
傾奇者《かぶきもの》。
それは、己の意地と誇りを賭し、戦国の世に咲く徒花として、名を轟かせた者の事を指す。
傾奇者の中でも、当代随一と唱われた男が居た。
その男の名は、前田慶次郎利益。
加賀百万石の大名・前田利家の義理の甥である彼は、戦国の表舞台で思うがまま生き、そして七十三の歳でこの世を去った。
かと、思われた。
死の間際、天から延びてきた女神の手により、異世界へと誘われる慶次。
そこで、新たな力と共に、世界を魔の手から救って欲しいと女神より懇願される。
しかし、慶次にとって新たな力も、褒美の金銀も興味が無かった。
ただ、目の前の美しい女神が欲しい。
己の欲に忠実な慶次は、女神へと迫る。が、女神の咄嗟のビンタによってそのまま異世界へと旅立ってしまう。新たな力も貰わぬままに。
「折角の異国に来たんだ。どれ、物見遊山に世界を駆け巡ってみようかね!」
世界の危機など知らぬ。ただ、己の思うがまま生きて、そして死ぬ。
異世界でも傾奇者としての本懐を遂げようと、慶次は走り出す!
世界を巡る内に出会う者達。
暗殺されたはずの元貿易会社創設者や、北の大地で戦死した元副長。
彼らもまた、時代は違えど真に傾奇者であり、慶次はその生き様に心を通わせていく。
ただの異世界転生では終わらない、異世界をまたにかける|漢《おとこ》の生き様、特と御覧じろ。
傾奇転生奇譚、いざ開幕!
序幕
2025/10/19 12:06
第一話 可憐なる花を愛でたく御座候
2025/10/19 12:17
第二話 美しい毛並みを持つ少女
2025/10/19 18:31
第三話 傾奇者というもの
2025/10/20 08:52
第四話 拳での語り合い
2025/10/20 12:23
(改)
第五話 激昂
2025/10/21 15:57