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夏の縁側で

作者: 黒狼クロ
掲載日:2023/07/14

 ミーンミンミンミンミン……


「……暑いですね」


「ほんとにのぅ……」


「おきつね様はただでさえもふもふで熱がこもりそうですもんね」


「一応夏毛なんじゃがな……」


 ミーンミンミンミンミン……


「アイス、食べます?」


「あるのなら、食いたいのじゃ」


「今日はめちゃくちゃ暑かったので、ここに来る途中で買っておいたんです」


「ほう、気が利くの」


 ガサガサ、ガサガサ……


「はい、どうぞ。あずきのやつです」


「……これ、普段は硬くてちと食いずらいのじゃが、これだけ気温が高ければ、程よくとけていそうじゃな」


「じゃあ、食べましょうか」


 ミーンミンミンミンミン……


「……いつもよりは食いやすいが、やはり、ちと硬いの」


「すごいなぁ、このアイス」


「うむ、うまい。やはりアイスと言ったらこれじゃの。感謝するのじゃ」


「喜んでもらえて何よりです」


 ミーンミンミンミンミン……


「……ふう、食った食った」


「アイスを食べたら少し落ち着きましたけど、やっぱり暑いですね」


「ほんとにな。最近はどうも気温が高くてかなわん」


「まあ、そのおかげでアイスがいつもよりおいしく感じるって、僕は思ってるんですけどね」


「ふむ、そういう考え方もあるか」


 ミーンミンミンミンミン……


「……よし、アイスを奉納してくれたおぬしに、礼をやろう。ほれ、ここに寝るのじゃ」


「ここ、って、膝枕ですか? ただでさえ暑いのに、人と密着したらさらに暑くなりますよ」


「いいんじゃよ、礼以外にも、わしがやってやりたいから言ったんじゃ。ほれ、早く寝ろ」


「まあ、おきつね様がいいのなら」


 ミーンミンミンミンミン……


「……暑いの」


「だから言ったじゃないですか……」


「じゃが、この暑さもおぬしから来た熱だと考えると、悪い気はせんな」


「え、何言ってるんですか? 僕は暑いの嫌ですけど」


「そっけないの……うむ、好感度稼ぎはやめじゃ、正直暑くてしんどい」


「そりゃそうですよ。そもそも、僕のおきつね様への好感度はもう振り切れてますし」


「……よく恥ずかしげもなくそんなことを言えるの」


「ここには僕とおきつね様しかいませんし、恥ずかしくなんてありませんよ」


「その割には、おぬしの体、さっきより熱くなった気がするのじゃが?」


「……気温が上がったからじゃないですか?」


 ミーンミンミンミンミン……


「……夏ですね」


「……夏じゃな」

縁側でおきつね様と一緒にのんびりしたいなぁ……

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