夏の縁側で
ミーンミンミンミンミン……
「……暑いですね」
「ほんとにのぅ……」
「おきつね様はただでさえもふもふで熱がこもりそうですもんね」
「一応夏毛なんじゃがな……」
ミーンミンミンミンミン……
「アイス、食べます?」
「あるのなら、食いたいのじゃ」
「今日はめちゃくちゃ暑かったので、ここに来る途中で買っておいたんです」
「ほう、気が利くの」
ガサガサ、ガサガサ……
「はい、どうぞ。あずきのやつです」
「……これ、普段は硬くてちと食いずらいのじゃが、これだけ気温が高ければ、程よくとけていそうじゃな」
「じゃあ、食べましょうか」
ミーンミンミンミンミン……
「……いつもよりは食いやすいが、やはり、ちと硬いの」
「すごいなぁ、このアイス」
「うむ、うまい。やはりアイスと言ったらこれじゃの。感謝するのじゃ」
「喜んでもらえて何よりです」
ミーンミンミンミンミン……
「……ふう、食った食った」
「アイスを食べたら少し落ち着きましたけど、やっぱり暑いですね」
「ほんとにな。最近はどうも気温が高くてかなわん」
「まあ、そのおかげでアイスがいつもよりおいしく感じるって、僕は思ってるんですけどね」
「ふむ、そういう考え方もあるか」
ミーンミンミンミンミン……
「……よし、アイスを奉納してくれたおぬしに、礼をやろう。ほれ、ここに寝るのじゃ」
「ここ、って、膝枕ですか? ただでさえ暑いのに、人と密着したらさらに暑くなりますよ」
「いいんじゃよ、礼以外にも、わしがやってやりたいから言ったんじゃ。ほれ、早く寝ろ」
「まあ、おきつね様がいいのなら」
ミーンミンミンミンミン……
「……暑いの」
「だから言ったじゃないですか……」
「じゃが、この暑さもおぬしから来た熱だと考えると、悪い気はせんな」
「え、何言ってるんですか? 僕は暑いの嫌ですけど」
「そっけないの……うむ、好感度稼ぎはやめじゃ、正直暑くてしんどい」
「そりゃそうですよ。そもそも、僕のおきつね様への好感度はもう振り切れてますし」
「……よく恥ずかしげもなくそんなことを言えるの」
「ここには僕とおきつね様しかいませんし、恥ずかしくなんてありませんよ」
「その割には、おぬしの体、さっきより熱くなった気がするのじゃが?」
「……気温が上がったからじゃないですか?」
ミーンミンミンミンミン……
「……夏ですね」
「……夏じゃな」
縁側でおきつね様と一緒にのんびりしたいなぁ……




