3話 転生後の家
「…場所を聞き忘れたねぇ」
オルタ君に場所を聞いておくべきだったよ…そう後悔しながら私は長い廊下を歩いていた。転生したばかりだった当然この家の形なんて把握しているわけもなく…私は迷っていた。
「家の内装やメイドがいることから貴族の家とは予想していたが…ここまで大きい家なのか?普通」
「部屋、部屋、その先にはまた部屋と来るものだ…いい加減めんどくさくなってきたね…」
「そろそろ変わり映えを…お!」
ぶつぶつ独り言を言いながら歩いていると窓があり、見てみると中庭が見えた。
「中庭か…いいね、行ってみるとするか」
そして中庭に着くと花畑が広がっており中心には椅子とテーブルが置かれており、歩き疲れた私はそこで一休みすることにした。
「ふう、家一つ探索するのも一苦労だよ…更にこの小さい体だと目線や歩幅の関係で慣れないね」
この体の元の人間…ニュート君は一体どんな視点でどんな考えを持って生きていたのかね…まあ5、6歳の考えなんか私にはわからないがね。
「極めつけはこの花たち…私の知識が間違ってなければどれも元の世界には咲いていないような知らない花ばかりだ。異世界に来たということを改めて実感させられるね」
そう言って椅子から立ち上がろうとすると何か違和感を感じた。
「なんだ?この違和感…おい!誰かいるのか!」
「…」
私が声を上げても帰って来たのは静寂だけだった。
「気のせいか…きっと慣れない環境のせいだろうな。じゃあ再開しようかな」
そういって私は中庭を出ていった。
「…」
「…飽きた」
つまらん…永遠とも思える長い廊下をずっと歩いて私はすでに探すのをあきらめていた。元々私自体飽き性なのだからここまで長く続いたのを褒めてほしいくらいだよ。
「…お!人だ!おーい!そこの君」
歩いていると廊下の奥に人を見つけ、私は急いで声をかけた。
「ん…?ああ、ニュート様。ご無事そうで何よりでございます」
「良かった…流石に誰も見つからなかったらどうしようかと思ったよ」
「この屋敷は広いですからな。起きてすぐでは迷って当然でしょう」
「本当にそうだよ…所で君、名前は?」
「私はガンマ、当主様の執事でございます」
「なるほど、じゃあガンマ君、早速だがオルタ君の場所を知っているかい?」
「はい、というか先程広間で『ニュート様が起きられました!』と皆に伝えて回っていましたよ」
「そうか、じゃあ広間にでも行ってみようか」
「わかりました。ではこちらです」
そして私はガンマ君についていった。
「…」
「こちらでございます」
「おお…ここか…」
私が連れて来られたのはよく映画などで見るような広い空間に、大きな階段と大きな扉、頭上には今の体の5倍の大きさはあるんじゃないかと思うぐらいの大きなシャンデリアが光っていた。
「…」
「大丈夫ですか?まだどこかお悪い所でも?」
「…っハ!すまない。あまりの大きさに驚いてしまっていたよ」
「なるほど。そういえば先程ダン様やジェード様などのご家族皆様がお帰りになられました。お会いになりられますか?」
「家族か…」
『_ン___か、__な_き_良___。』
「うっ…」
「大丈夫ですか!?」
「ああ…問題ないよ。ちょっと気分が悪くなっただけさ。それよりも家族と会うかだったね。是非会わせてもらうよ。場所を教えてくれ」
「は、はい…こちらでございます」
「(そうだ…ここは異世界なんだ…もう前の家とは違うんだ…)」
そうして私は思い出しかけた前世の嫌な思い出をしまいつつ新しい家族に会うためについて行った。
「(先程のニュート様…記憶が無いにしては…
何か辛いことを必死に隠しているような表情だった…それもおよそ6歳がしていい表情ではないような…主様のご子息にあのような顔をさせてしまうとは…私は執事失格だな)」




