第四十三話 アーッッ!!!!!
「「「アーッッ!!」」」
マーモットが叫んでいる。老いも若きも男も女も、大統領も乞食でさえも、北米外来種は叫んでいる。
こんなはずじゃなかった、仕方がない等と言えない、言い訳しか出てこない。
叫びの意味は怒りか悲しみか驚きか。嗚呼もう叫ぶ事しか出来ない。
「「「アーッッ!!」」」
西海岸の沿岸は惨憺たる有様だ。
シアトル、タコマ、サンフランシスコ、サンノゼ、ロサンゼルス、サンディエゴ。
大都市言われる所だけでこれだけ破壊されてしまった。
戦艦爆弾、、、頭がどうにかなりそうだ。
あいつ等は戦艦を丸々一隻爆弾に変えて合衆国を襲ったのだ。
何度も何度も。あいつ等は容赦と言う物がない。
沿岸の諸都市は先に挙げた大都市以外にも、何の戦略的意味も持たない港町まで戦艦爆弾は突っ込んできた。
川を遡上しようとするな!サケかお前ら!
海岸に乗り上げてまで爆発するな!シャチか?シャチなのか?ロングビーチにオットセイは居ないんだよ!
仕上げにパナマ運河だ。
念の言ったことに、10隻もの戦艦爆弾がさく裂した運河は徹底的に破壊された。
最後は無理矢理運河に突っ込んできて着底しやがったのだ。
死傷者は300万以上、300万だぞ、300万!
分かっているだけでもこれだ!何でこんなことができる!サンフランシスコとロサンゼルスはまだ燃えているんだぞ!消せやしない!
悪魔だお前ら!救助を行っている所を狙って楽しいのか!
もう西海岸の消防組織はズタズタだ。見ろ!見ろよ!子供が老人が瓦礫の中で生きたまま焼かれているんだぞ!
「「ふーっふー一!!」」
一しきり叫んで、冷静になった指導的立場のげっ歯類たちは、状況を確認する。
遺憾ながら太平洋は維持できない。
西海岸の港湾と言う港湾が破壊されたのだ。
海運は壊滅、兵力処か補給の一つ送れやしない。
取り残された将兵に徹底抗戦を求めるのは酷だろう、ある程度戦ったら降伏を許すほかはない。
では我々は戦争を失ったのか?
嫌、違う、断じて違う。失って等いない。
合衆国国民は怒りに燃えている。
今だ戦意は衰えていない。
西海岸は駄目でも内陸部そして東海岸は諦めて等居ないのだ。
大日本帝国を我々は見誤っていた。
認めようお前ら凄いよ。
何其の生産力?こんな事になるくらいだったら、何故初めに見せてくれないんだ。
知ってたら、今戦争を始めようだなんて思わなかった。
愚痴はここまで。
さて如何する。
日本はあの生産力が有りながら、何で戦艦爆弾なんぞと言う気が狂った手に出てきたんだ?
あれだけの力だ、我々の理解を超える巨人機でも繰り出してきても良いはず?
待てよ?あいつ等の最新兵器はどれもこれもコピー品ばかりではないか?
もしかしてあいつ等の開発能力は低いままなのではないか。
ならばまだやり様はある。
勝利は無理でも何処かで一撃を食らわす事は出来るはずだ。
五大湖工業地帯は無事なのだ。
講和はするしかないだろう。悔しいが仕方がない。
だがタダで負けて等やるものか。
此方には核が有る。
あいつらが調子に乗って上陸を企図する様ならそこにドカンだ。
そのタイミングでアレを投入する。
日本は無理かもしれない。
しかし、その技術の出どころを叩ければ、泥仕合に引きずり込まれた日本は戦争に嫌気が刺すだろう。
現に日本はドイツを一度は切り捨てたのだ。そうだ!一撃講和!一撃講和だ!
何処かで見た光景、何処かで見た思考、恥ずかしくなって来た。
人類皆愚か。
だが違う所もある。
負けが込み始めていても相手はアメリカ合衆国。
チート国家大日本帝国を除けば、世界最強の工業力を持つ国家なのだ。
彼らは諦めない。開拓者魂を燃やし迫る国難に立ち向かう気は十分。如何する常春の帝国と自称ヨーロッパの覇者御一行。
1945年三月に入り、大日本帝国は本格的に動き出した。
フィリピンを富岳の猛爆で半死に追い込んだ彼らはマニラ湾に大和爆弾を送り込み、フォート・ドラム要塞を沈黙させ併せてマニラを焦土に変えた。
なーんか納得のいかない日本海軍も、この自航大量破壊兵器の威力は認める他はない。
陸軍からは悟った目で
「諦めろ、我々も通った道だ。真面目に考えるとSAN値が減るぞ」
と言われてるし諦めよう。
三月後半、焦土と化したフィリピンは放置され、太平洋の諸島はハワイを残し日本の軍門に下る。
立て籠る米軍も
「さーて何発目で死ぬかな?」
とばかりに、次々と送り込まれる巨大な死の贈り物には白旗を上げる他はない。
こっちは孤立無援、あっちはバカンス気分、勝負になりやしない。
そして刀折れ矢尽きた捕虜達が見たのは。
本物の南国リゾートだ!と、ビーチバレーするやら、冷やしたシャンパンとビーチパラソル抱えて日光浴を楽しみ始める馬鹿の群れ。
これでは
「あらお疲れさん」
と言われて、
「戦争しろ!真面目に戦争しろよ!」
と捕虜が食って掛かるのも無理はない。
「戦争はしてますよ、戦争は。まあ良いじゃん、人生楽しまないと。ほれ一杯いかが?」
軽いとても軽い、軽いぞ身は鴻毛より軽しの日本軍。
何度も言うがこれが今の大日本帝国軍である。
これで戦闘では熱狂的に攻撃してくるんだから始末に負えない。
日本陸軍のモットーは、よく遊び、よく食べ、よく戦う。
誰だ!軍人勅諭、書き換えたの!メイドさん?さいですか。
こんなの相手にしてると馬鹿になるぞ米国。
日本も馬鹿ばかりしている訳ではない。
今の所、核兵器が払底していても米国は直ぐに新規生産を始める事は分かっている。
日本だって驚いているのだ。
百隻以上の大和爆弾を破壊しきるとは!核の乱れ撃ちだと!米国馬鹿じゃないの。
相手の心臓を握り潰していない以上お代わりは幾らでも来るはずだ。
怖い、米国怖い。怖いから徹底医的に行くね。
太平洋はまさに天皇陛下のバスタブに変えたが、家らだけ狙われるのは不公平だ。暇している者がいるなぁ。
ここに30センチ砲搭載の超甲巡があります。欲しい人!
「あれの乗り心地はどうや提督」
イタリア王国統領、伊達者にして勝利者、現代の第一人者の呼び声高い男、ベニート・アミルカレ・アンドレーア・ムッソリーニは、視察に訪れた、タラント軍港で名将イニーゴ・カンピオーニ海軍大将に呼びかけた。
「ボチボチでんな、統領。地中海では、役不足かもしれまへんが良い船でっせ、でもまー日本さんも剛毅なことでんな、巡洋戦艦を10隻くれはるなんて」
ローマ帝国の昔から連綿と続く商売の国からしたらタダで物を、しかも戦艦をポンとくれるなぞ考えも付かない大盤振る舞いだ。
大日本帝国の御大尽ぶりは慣れてきたが、こいつには呆れる他はない。
「それだけ焦ってはるんやろ、君も聞いたやろボケナス共の国に送った戦艦爆弾、成功したのはええが、随分と沈められたそうや、家んとこにも頼るほどや、相手にするんは骨が折れると見たん違うか」
米国の対日宣戦は枢軸国に取っては渡りに船、向こうに行った恋人が向こうから依りを戻しに来た。
核兵器が何時飛んでくるかもしれないと、内心焦っていたドイツの総統は、すぐさま日本側に共闘を呼びかけ大西洋ではUボートが跳梁を始めていた。
だが米国は甘くはない。山ほど生産したボーグ級軽空母の群れが海の狼を退治に出てきたのだ。
ヨーロッパを制したとは言え、その支配は薄氷の上にある。ロシアでは悪名高き親衛隊が移動火葬車をフル回転させている。
だからこそ日本の艦艇給与は有難い限り、総統は海軍を有する枢軸陣営にも早期の参戦をせっついている。
「あーあ、金持ちはええなぁ、家も金があったら蛮族に従う必要なんぞ、、、」
「統領、部下も見とります。愚痴はほどほどにしてもらわんと」
「そうやな、あんじょう気張ってや提督。もうこの世界にボケナス共の居場所何ぞないんや。ローマ帝国の興廃この戦いにありや」
文句は言ってもローマの男子、ベニート・アミルカレ・アンドレーア・ムッソリーニには分かっている。
アメリカ合衆国を倒さないことには自分らは終わりだ。
少なくとも数十年は立ち上がれない目にあってもらわねば。
ローマ帝国復興は道半ばなのだ。最後に立つのはゲルマン蛮族ではなく、自分たちだ。
日本には頑張って貰わなければならない。その為だったら大西洋でだって暴れてやる。イタリア王国海軍の底力みせてやろうやないか。
速水螺旋人先生の著作を読んでから、私の中ではイタリア人は似非大阪弁です。大阪出身の方怒らないで下さい。




