第十三話 フォアグラ
1937年12月15日 南京を占領した中支方面軍は黄河渡河を成功させた北支方面軍と合流、支那総軍と改称。
日中戦争は新たな局面に入っていく。無
限の火力をもって進撃する日本軍の前に中国軍は連戦連敗、ズルズルと戦線を後退させていた。
勝利を重ねる日本軍にも問題はある。
支配領域が広がり過ぎたのだ。正面からに決戦には勝てても、戦線の隙間から入り込んでくる、ゲリラ部隊の跳梁は、そう簡単には止められない。
この問題に、日本軍は、困った時のメイドさんと優しい保護者に泣きついた。奉仕対象から、泣きつかれた彼女らの対応は、シンプルかつベスト。
支配領域の住民に徹底的に施したのである。
医療、食料、衣服、嗜好品、娯楽に金品、およそ人間の欲しがる者を際限なく与えるメイドさん。
其の上で言うのだ
「私たちは皆様にもっともっとご奉仕したいのですが、ゲリラの皆さまが邪魔をするんですの」
効果は覿面だった。
不満があるから逆らうのだ。
純粋な愛国心やイデオロギーで戦い続けられる者は多くはない。人間の欲望の前に中国軍ゲリラは急速に狩られていく事になる。
メイドさん引いてはリリスは大陸をどの様な目で見ているのであろうか。
それは養殖場だ。覚えているだろうか、大日本帝国では女性=メイドさんである。生身の女は皆無に近い。
では、ここで問題。メイドさんは子供を作れるか?。答えは作れない。出産そのものは出来る。妊娠もだ。ただし使用する卵子は何処からか持って来る必要が有る。
何処から?
今まで皆さんに大日本帝国の外地つまり、朝鮮、台湾、関東州について詳しく話したことは無かった。
思い返して欲しい。リリスは最終戦争前に日本人を守るために楽園の管理者として作られたAIである。
「日本人を保護するためだけにである。」
彼女にとって日本人以外は保護対象などではない。最終戦争なんぞを始める輩が作った存在に、倫理を期待するのは無駄と言うものだ。
リリスに取って、日本人以外は、糞の詰まった肉袋と同義だ。
ただの肉袋との違いは、傷つける事が出来ないと言うだけでしかない。つまりはそう言う事だ。
遺伝子的な差異など幾らでも修正できる。
何だったらデザインヒューマンだって作れるし、もう作り始めている。二世代も立てば日本人はリリス好みのご主人様に変わるであろう。
女は工場、では男は?
「皆様ご承知の通り、男女の染色体の数は一本の違いでしかないのですよ。
私、貯金は多ければ多いほど安心する達なもので。
それに工場だなんて、人聞きの悪い事言わないで下さい。
皆さま安全な場所で楽しい夢をご覧になっているんですよ。喜んでご協力して下っております。まあ、なんて人道的!」
狂人に話を聞いたのが間違いだった。
兎も角、リリスとメイドさんに取って大陸は大きな養殖場だ。
日本軍の支配領域に居る人々は、何れは快楽に飼いならされる暗い運命を辿る事になるであろう。
戦争は未だ続いている。
一応ホラータグを付けています。




