第73話「紫炎少女の爪痕 如月視点」
行方をくらませた少女、シャルティアを探す為、犯罪蔓延る街 ゲッテンブルムにやって来たサマナーズウォー学園の風紀委員長、如月芳香、そしてシャルティアの幼馴染であるメルランディア、ユウランドの三人。
やって来た初日はシャルティアに関する情報が何も手に入らず途方に暮れていたところに追撃をかけるように真夜中の火災事件。
何とか火を広げないようにしながら放火犯を逃がさないようにしたかったが何者かに妨害され、犯人には逃げられてしまった。
その後、ようやくやって来た消防隊と警察に説明し、事情聴取を受けて、取っていたホテルに帰ってくる頃にはすっかり日が昇ってしまっていた。
様々な事が重なり疲れ果ててしまっていた三人はそのままベットに倒れこむとぐっすりと寝てしまった。
再び三人が目を覚ました時はお昼を大幅に過ぎていた。
「まだ疲れが取れてる気がしないわね…」
「あんなことがあったのですから仕方がありませんよ…」
「結局逃げられてしまいましたしね~…」
「その後の警察の対応も消防隊の仕事にも言いたいことは大量にありましたけど…」
言う気にもなれませんでしたね…と如月は言葉をこぼす。
だが、すぐに首を横に振ると立ち上がり。
「けど、疲れているなどと言っている場合ではありませんね。遅くなりましたが今日も探しに向かいましょう」
「「分かりました」」
ぐでぇ~、としていた如月達は動き出す。
ホテルから出て、暫く周囲を歩きながら人に聞き込みをし続ける。
そうしていると気になる所が見えてきた。
「あそこ、何やら人だかりが出来ているようですが…」
「行ってみましょう」
人だかりが気になり、そちらの方に歩いていく如月達は気づく。
「この臭いは…」
「血、ですね…」
「ここまで漂ってくるという事は相当だなぁ…どうしますか如月先輩?」
「…念のため確認しましょう」
如月達は野次馬達の合間を縫って現場を見る。
キープアウトが張られているのでそこから先は進めないが現場を一目見て、否、そこに残っている僅かな証拠に如月は気づく。
「この魔力の残滓は…」
「どうしたんですか如月先輩?」
「ここでは少し…。二人共こちらへ」
如月はメルランディアとユウランドを連れ、現場を離れる。
少し歩き、人の気配が少なくなった為、如月は話しだした。
二人にとっては最悪な証拠を
「あそこからシャルティアさんが契約している妖精族、カナリアの魔力を…正確にはその残滓を感じました」
「!?」
「そんな…という事はつまり…」
「あの事件にはシャルティアさんが関わっている可能性がかなり高いです」
「「………」」
二人は絶句する。
それはそうだ、一目見ただけでも分かる血の量と未だに片付けきれていないブルーシートをかけられている人の形をしたモノ。
それらにシャルティアが関わっているのが分かったから昔からの付き合いである二人には辛いだろう。
顔を伏せていた二人はすぐに顔を上げ、如月を見つめる。
「如月先輩、すぐにでもシャルティアを探しましょう」
「これ以上シャルちゃんの手を染めさせるわけにはいきません!」
「ええ、私もそう思っています」
三人は再度、シャルティアを見つけ、そしてこれ以上罪を犯させない為に。
三人は今一度決意を固め、街を歩き出した。




