第72話「紫炎の契約者は蹂躙する」
新年初投稿。
今回はカナリアとジーナによる一方的な無双をお送りいたします。
ジーナが戦う姿を描写するのは初めてだったかな?
人型になることもできるけど今回は猫又状態で蹂躙するようです。
今年もこんな駄作と作者をよろしくお願い致します。
痺れを切らし、シャルティア達を包囲している一角から姿を現し、襲い掛かってきた敵召喚士と契約している大型の犬系召喚獣。
それに即座に反応したのはジーナ。
にゃおんと一鳴きした途端、襲い掛かってきていた敵の大型犬は動きが止まり、次の瞬間には後ろに吹き飛ばされ、元の位置へと凄まじい速度で戻っていく。
そして何かにぶち当たる様な音と男の悲鳴がシャルティア達の耳に届く。
まずは一つ。
それを合図に周囲一帯から魔法や銃弾、契約者、契約獣が一斉に飛び出し、シャルティア達に襲い掛かる。
シャルティアはなお動かず、目を閉じ、腕を組み、その場に仁王立ち。
自分の大切な契約者をカナリアとジーナを信じているからこその無抵抗。
「―――!」(そんな信頼を裏切る事なぞ絶対にしない!)
「その程度の攻撃で私達を傷つける事なんてできないわよ?」
カナリアが複数の魔法を同時にそして即座に展開、襲い掛かってくる弾幕を全て叩き落す。
ジーナは軽く飛び、自身の両爪を使い、空間を二回ひっかく。
するとどういう訳か当たってもいない、狙われてもいない筈の契約者や契約獣に引っ搔き傷ができ、魔法や弾丸が全て切り裂かれ落とされる。
一斉に襲い掛かってもなお傷をつけるどころか一蹴された為、あからさまに動揺している気配が周囲から感じられる。
「―――!」(惚けてる余裕はあるのかな!)
「くだらないわねぇ。もっとしっかり足掻きなさぁい」
カナリアは近くに迫ってきていた契約者に逆に急接近し、魔法で作り出して剣で切り捨てる。
その後、左手に魔法弾を作り出し、三方向に発射、その内の一つ真ん中に飛ばした魔法弾を右手で更に作り出した魔法弾を当てることで起爆。
残りの二つも連動して爆発し、周囲を巻き込んで吹き飛ばす。
ジーナは自身の分かれている二つの尻尾を前方の地面に突き刺し、魔法を発動する。
使う魔法は地と水。
地面から土と水、それぞれでできた形の槍が地面から突き出て、敵を刺し貫いていく。
その後、大きく一鳴きし、衝撃波を発生させ、吹き飛ばす。
圧倒的な程の力量差、一方的な蹂躙。
絶望を相手方に与えるのは必定だった。
傷もつけられず、数で押しても一蹴され、あからさまに手を抜かれている。
相手の心中如何なものか。
それは本人達にしか分からない。
そして……。
「―――!」(終わったね)
「あっけないものね。少しは楽しめると思ったのに…」
そこにシャルティアとカナリア、ジーナ以外に立っている者はいなかった。
周囲一帯全てが血に染まり、倒れ伏す男達。
女性も若干数いたようだが、それはともかく、死屍累々とかした公園。
残っていた遊具、植えられていた木々、ベンチ。
公園にあるありとあらゆるものが血に染まって汚れている。
「ここまですれば相手は動くしか選択肢はなくなる」
シャルティアはぽつりとつぶやく。
そして目の前に広がる惨状にも目もくれず、悠々と歩き始め、公園を後にする。
カナリアとジーナもそれに続く。
シャルティアは最後に一度公園へと振り返ると…。
「ここからが本番、最後の時は近い。いまだ現れぬ組織幹部たちとの殺し合い。そして…」
最後に残る組織の長。
どんな強さを誇っているのか、それとも期待外れなのか。
どちらでも構わない。
だって…。
「楽しみね…。ええ、とっても…」
強くなれるのなら些細な事なんて気にする必要なんてないのだから…。
ちなみにカナリアもジーナも敵を滅殺することに何の躊躇いもありません。
ジーナは長年生きていて多くの人の死を見てきたから、カナリアはそういう風に何者かによって精神を弄られているから。
自分の手を汚すことを気にしなくなっています




