第61話「紫炎少女の殺し合い」
シャルティアが現在いる街、レッチェル街は裏世界の住人が日夜暗躍し、殺し合いが絶えない街である。
警察は不正、賄賂当たり前の為、秩序は既に腐敗している。
そんな犯罪で成り立っている街の中を少女はフードを深く被り歩く。
表向きは平和だが一度裏路地に迷い込んでしまえば二度と戻ってこれない闇への入り口である。
この街に住む者は自分の身を護る事を第一としている為、他の街の人には忠告こそすれ止めることは無い。
巻き込まれると命の保証が無いからである。
裏の住人にとって堅気の人間は自身がのし上がる為の餌である。いくら死のうが構わない。
弱肉強食それがこの街の唯一のルール。
(つけられてるわね。この前の連中の仲間か…)
シャルティアはパーカーのポケットに入れている両手に魔力を貯め、何時でも戦えるようにする。
後ろからつけてきている者達の数は5人。
それなりに実力はありそうだ…そうシャルティアは考え、深く被ったフードの中で嗤う。
(カナリア、準備は出来てる?)
「――!」(出来てます)
小声で自身の肩に乗っているカナリアに問う。
満足な答えが返ってきたため、シャルティアは迷いなく裏路地に入る。
少し進んだ後、建物に囲まれた小さな広場へと出る。
その中央に立ち、後ろを振り返る。
シャルティアの視線の先、狭い路地の暗闇から予想した通りの人数。5人の男達が現れる。
そのうちの一人、リーダーと思われる男が嘲笑うような目を向けながらシャルティアに話しかける
「わざわざ待っててくれたのかい? 律儀な嬢ちゃんだな~?」
「「「「ゲヒヒヒ!」」」」
「……………………」
「この前嬢ちゃんがのしてくれた奴等はうちの子分なんだわ。嬢ちゃんにはそのツケを身体で払って貰おうかぁ?」
男がシャルティアに向ける目は下品で舌なめずりすらしている。
「アニキ~、終わったら俺にも貸してくださいよぉ? 前の女は壊れちまって新しい女が欲しかったんでさぁ」
「良いぞ、だが、先に楽しもうぜ。皆で痛めつけて逆らう気を起こさせないようになぁ」
「……………………」
シャルティアは喋ることも無く。
只々立っている。
男たちは何も警戒せず近付いていくが、シャルティアに手が届く…その瞬間。
先頭に立ってシャルティアに触ろうとした男の腕が落ちた。
血が飛び散り、男の悲鳴が小さな広場に響き渡る。
「てめぇ! やりやがったな!?」
「……………………」
「構うな! さっさと押さえろ!」
「カナリア」
「――!」(了解!)
「妖精族ごときが! 人間様に逆らうんじゃねぇ!」
「――!」(死ね)
カナリアの魔法剣が男の首を飛ばす。
血が噴水のように飛び散った。
「ア、アニk!」
子分の声は続かず、その理由は簡単シャルティアが頭を消し飛ばしたのだ。
瞬く間に二人を殺したシャルティアとカナリアに恐れを抱き逃げ出そうとした者からカナリアに斬り捨てられる。
5人の男の死体が転がる中でシャルティアは何も感じず、男達に目も向けずにその場を去っていった。
「いつまでこうして下っ端の相手をしてればいいのかしらね」
そう言葉を残しながら…。




