第59話「堕ち行く少女 狂気の果てへ」
私はこの作品を一体どうしたいんだろうか…?
主人公ヒロインであるシャルティアを狂気に墜としちまった………
本当にここからどうしよう…?
辺り一面に転がる血にまみれた男女の死体や大怪我を負い動けなくなっている者、気絶している者。
客観的に見ればそれは只の殺戮現場だが一転して狂っていると思う要素が一つ。
笑っているのだ
そう笑っている。倒れている死体、大怪我を負っている者、気絶している者…その全てにおいて共通していることはただ一つ。
皆、満足した顔で笑顔を晒しているのだ。
その死屍累々の中央で寒気のするような、その見た目でその顔をしてほしくないと彼女を知る者なら言うだろう。
そんな狂ったような笑顔を見せ、血が時間が経って固まり赤黒く染まった部分と未だ乾かず手についた鮮血をまるで愛でるかのように口元で滑らせる。
そんなことをしているのは……シャルティアだ。
最早、過去の…純粋に只強く誉れ高くあれとした少女はいない。
そこにいるのは狂気に堕ちた故に欲望に忠実になった少女。
只、強くなりたい、どんな手を使っても、どれほど穢れようとも少女は最強を目指すだろう。
「あぁ…カナリア…今、私…とってもいい気分。貴方はどう?」
「………」
「そうよね…ええそうよ。強くなるためには…最強に立つためには…こうすればいいのよ。こうすればよかったのよ!」
「………」
誰に話しかけるでもなく、只々一点を光無き瞳で見つめ、語り続けるシャルティア。
その様子を黙って見つめる続けるカナリアとジーナ。
止まることなく狂気に堕ち続ける少女を見守るカナリアとジーナ。
これはシャルティア自身が乗り越えなければいけない事。
このまま狂気に吞まれ、果てるか……きっかけを得、狂気をコントロールし、最強へと至る道を得ることが出来るのか。
…これは最強へと至るための試練。
生きるか死ぬかの究極の二択。
「――!」(私は信じてるよますたー)
カナリアの思いは誰にも伝わることも無く。
只薄暗い地下施設に消えていくのだった。




