第2話「契約」
はい、三話目でございます。
次は今週の日曜日に続きを投稿していきます。
「ねぇ、起きて、起きてってば!」
声が聞こえる。
寝ている私に声をかけてきている人がいるみたい、声を聴いている限り女性のようだ。
私は眠たいのを我慢しているが微睡んでしまっている。
ほとんど脳が寝てしまっている状態で、私はゆっくり体を起こした。
目の焦点があっていない状態で声をかけてきている目の前の少女を見つめる。
見つめられた少女はとてもうれしそうにしてこう言ってきた。
「君、私と契約してくれない?」
(契約と、言ったのか? この少女は…)
私は頭の中に入れられた知識を引っ張り出そうとしたが眠気に負けてしまい、何も考えずにただ頷いてしまった。
少女は私が頷いたのにすごく喜び、早速契約の準備をし始めた。
その様子を私はぼ~としながら眺めていたが、段々と目が覚めてきた。
そして目が覚めてきたために自分が起こしたことの重要性に今、気づいた、気づいてしまった。
頭に入っている知識を今になって引っ張り出す。
(契約って…とっても大事な儀式みたいだ。契約は契約する両方にとって生涯付き纏う鎖のようなもの……一度契約を交わすと並大抵のことでは破棄が出来ないことになっている…か)
私は彼女の作業を眺めながら考え続ける。
(彼女にとって大事な契約を私のような最弱の種族に使ってしまっていいのだろうか? 契約解除も簡単にできる結び付きの方がいいような…まぁ、役割を果たすために私はそこら辺の妖精族よりも強いけど、どのくらい強いのかが分からない)
そんなことを考えていると契約の準備が終わったのか少女がこちらを向いて手招きをする。
私はその手招きに応じて、初めて空を飛ぶ感覚に違和感を覚えながら少女のすぐそばに向かった。
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契約するための魔法陣を地面に描いて私が手招きしたら妖精族の子はすぐに近くまで来てくれた。
その事だけでも私はとても嬉しかった。
私が契約したいと言っても他の子たちは何故か怯えて近づいてこようともしなかったし……そんな時にこの子と会えた。
この子との出会いはとても大切で、とても重要で、今後こんな出会いは来ないかもしれない。
(その事を考えると契約なんて安い物よ)
「準備はいい?」
妖精の子は少し戸惑いながら頷いてくれた。
「契約をここに――汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に…我が寄るべに従い、この意、この理に従うのならば応えよ」
「誓いを此処に…我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷しく者、さればこそ汝の命運、我と共に!」
詠唱を終え、妖精の子に手の甲を差し出す。
この手に妖精の子が触れ、口付けをすれば契約は完了する。
契約の誓いは種族によって違いがあったりする。
妖精族や人型の種族は基本的に手の甲に口付けが契約となる。
そして、妖精の子は少女の手に触れ、口付けを交わした。
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契約を交わして互いに互いの事を理解した。
少女の名前はシャルティア・ルビーローズというらしい。
少女…シャルティアの方も私の名前を知ったのだろう。
今後ずっと一緒にいる事になる自分のステータスを見て驚いている少女の顔を見て、私はほほ笑むのだった。
契約詠唱は作者である私の頭では思いつかなかったので、Fateの召喚詠唱をパク…リ、スペクトしました(最後の一文だけ違うけど)。
怒られたら(絶対に怒られると思うけど)、頑張ってオリジナルの契約詠唱作ります…