第10話「次なる相手は...」
あ~、バイト疲れた。
今回はまた日常会話回です。
リリアンナとの模擬戦から翌日。
学校にて次の相手を誰にしようかと話し合っているシャルティア達。
「昨日のリリーちゃんとの戦いで分かったことは、シャルには最初から上級者の人と戦わせた方がいいと思う」
「そうだな。これなら俺達が最初から相手にしていた方が早かったかもしれない」
「でも、私かユウが相手しても圧倒的差で負けそう」
「……否定はしない」
その二人の言葉を聞いてシャルティアは否定的な言葉で返す。
「いや~、二人を相手にしたら私とカナリアでも普通にきついと思うよ?」
「よく言うよ…それはまだシャルとカナちゃんが戦い慣れしていないからでしょ? 戦いに慣れた二人を相手にしたらって考えるとねぇ…」
「うむ、今のうちにシャルと戦って勝っておくか? 時間が経つにつれて勝てる確率はゼロに近くなるだろうしな」
「二人して私を何だと思っているのか…」
「「化け物みたいな魔力を持つボッチ気質な女の子」」
「………否定できない! けど、ボッチだけは否定する! 誰がボッチだ! 二人がいるでしょうが!」
全力でボッチ回避宣言をしているシャルティアを見ながらカナリアは頭の中の知識とシャルティアの魔力量の数値を見て考えていた。
(ますたーの魔力量は脳内に突っ込まれたデータの中でも一般的な召喚士の軽く数十倍何だよねぇ。伊達に魔法使いとしてならトップクラスと言わしめただけはある)
「私の魔力量は確かに多いけど、私よりも多い人なんて何人もいるでしょ」
「まぁ、現在の召喚士最強がそうだね。後は他校にもシャルと同じ量の魔力を持つ人もいるから世も末だね」
「それで、話を戻して。シャルの次の模擬戦の相手はどんな人がいいのだろうか?」
「あれ、二人が相手してくれるんじゃないの?」
「いや、シャルと戦うのは対抗戦の楽しみに取っておこうと思ってな」
「だから今回は…そうだね。先輩に頼んでみようか? 先輩相手なら今のシャルにとって強敵になるんじゃないかな。戦い慣れした先輩と技術はあるけど戦いに慣れていないシャル。うん、いい勝負になりそう」
「それはいいけど、その問題の先輩は誰にするの? あんまり先輩達に迷惑をかけるわけにはいかないよ? 対抗戦が近くなってきてるから先輩達も特訓しているだろうし…」
「だからだ! その先輩の特訓相手をシャルにしてもらえばいい。先輩達もシャルの相手なら喜んでしてくれるだろうからな」
「どうして?」
「純粋に魔法使いとしても戦いたいって人が多かったからね。それがシャルがカナちゃんと契約できたことはもうみんな知っているから…頼めば戦ってくれるよ」
「なら、あの人に頼もう。私はあの先輩にはずっと良くしてもらったし」
「そうか、候補がいるのならその人のもとに行くとしよう」
そうして三人とカナリアは学校終わりの放課後に例の先輩に会いに行くことにしたのだった。
次回は問題の先輩と会って戦って…という回になると思います。