03 ユニコーンの湖、ユニコーンは純潔乙女を希望する。
あったかくなってきましたね
毎回ノロノロ更新、申し訳ないです。
ブクマ、評価とっても励みになっています。ありがとうございます!
ほほう?
ほー。
いや何だこの服。
昨日は、風呂からあがった後、寝間着が置かれ服を勝手に回収され少し焦ったが、一番焦ったのは下着が当たり前のように置かれていた。
ぶらじゃー&ぱ、ぱんてぃーだった。
この世界にはちゃんとブラジャーがあるらしく、男のような下着だけしか着けずにいたなんて無用心にも程があるぞ!と、怒られた。
ピッタリしたボクサーパンツみたいな下着は男にはないらしく、俺の初期パンツは変わった女性下着と思われたようだ。
まぁ、ボクサー型の女性下着は現代にはあるし…。
そして、少し股がソワソワしなから肉が一切ない美味しいベジタリアンな食事をいただいて朝に出発だからと早々に就寝させれた訳だが。
朝に着替えを用意するとは聞いたけど。
なんだこれ。
ガーリーでフワフワ~、わぁ!可愛い~。
………。
機能性を感じないっ!
カナリア村長、昔、自分が来ていた服言ってたよな。
昔ね昔、100以上前かな…?
俺は、服を一枚ずつベッドに並べ、ただ見ていた。
え、これ着るの的な感じだ。
女になってまだ二日目。正直な所、まだ自分に自信ないっていうか、慣れてないっていうか~フリフリやん?
えっとー…
紺のノースリーブワンピースって言うのか?それに合わせた紺色のフリルが付いたケープコート。
インナーのシャツは長袖で襟から可愛い茶色のリボン…取っていいかなぁ?
つかワンピース丈、膝上だよなこれ。
あ、でも黒いタイツある。
「仕方ないよな替えるって言ったの俺だし、よし!着替えるか」
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23歳にして着替えに時間が、かかったなんて初めての経験だよ俺。
もう何これ
ワンピースのノースリーブ部分の繋ぎ目ボタン留める要素いるぅ?
タンクトップみたいなのでいいじゃん?可愛いけど可愛いさ要らないよ。
シャツもリボン要らないよリボン結び面倒くさいぃぃ。
タイツはピッタリしてて、蒸れたら相当ヤバいぞ。
え、女子大変。
なんとか俺が着替え終わった頃、扉の向こうから声が聞こえてきた。
「ケイ~?起きているか?そろそろ朝ご飯にしよう」
カナリア村長だ。
「あ、はい!もう着替えたので行きますー」
「そうか、もうご飯用意してあるから食べよう。ハイルとセリトも居るからな。」
あの二人も居んのかー。
うーん、にしても違和感。
ベッドの横にあるドレッサーの前に立ち、姿を確認する俺。
こんな服、当たり前だけど着たことないし。
ま、仕方ないんだけど~。
変、ではないよな?考えても仕方ないか。
朝飯、食べよう。
ーカチャリー
「おはようございます。すいません朝ご飯の用意とか手伝わず」
「おはよう。構わないよ。あぁ、テーブルで待っていてくれ後は、お茶を用意するだけだから」
「わかりました。ありがとうございます」
カナリア村長に言われ、テーブルに向かうと、ハイルとセリトが談笑していた。
「おはようー」
「「……」」
何故黙るし。
俺が、挨拶すると、固まってしまった二人。
だが、三秒くらいしてセリトが目をキラキラさせて近付いてきた。
「凄い可愛いくなってるー!わぁ、この服カナリア村長からもらったの?髪もスッキリして可愛い~」
「え、あぁ、はい…」
近いから近いから!うざいから!
どうせならカナリア村長に近付いてほしいから。
「ど、どうもありがとう。」
ハイルをチラ見すると、顔を赤くしてうつむいていた。
ムッツリめ。
『ふーーーん!!!』
ードゴガァ!ー
「ぐべはぁ!」
「ふぁ!!」
ハイルは、ともかく、ベタベタ引っ付いてくるセリトに困っていると、どこからともなく、物凄いスピードで何かが、セリトに飛んできた。
セリトはピクピクして伸びていた。
スゲー鈍い音したもんな…一体何が?
なんて、考える間もなく
『ちぇめえ~、ほんちょに、こりねーにんげんでちね!ありゅじに、なれなれちくしちぇんじゃねーでち!くちょが!くちょが!』
ドゴ!ドゴ!
セリトを罵りながら、追撃しているタロー。
昨日、肥大化したから外に出されたのもあってのか超、機嫌が悪そうだ。
「ちょ、こら、止めなさい!」
「自業自得だな」
「だ、大丈夫、スライムだからそ、そんなに痛くなー」
『ああん?』
「だー!もうストップストップ!止めなさいタロー!」
だんだん、攻撃が激しくなるタローを掴み、セリトから引き離す。
『ぶー!ぶー!ぶー!』
「セリト、お前いい加減にしておけよ」
「だって~」
『こいちゅ、じぇんじぇん、はんちぇーしちぇないでち』
怒りで、左右に激しく揺れているタロー。コイツ顔無いから、セリトの方見てても分からん。
っていうかそもそもタローに正面、背面ってあるのか?
「朝から騒がしいなまったく、食べたらすぐ行くんだぞ?」
呆れながらいつの間にか、お茶を淹れているカナリア村長。
「ご、ごめんねタロー?」
『ふん!』
-パコン!
「ぃでっ!」
「こら!タロー!」
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「朝からタローがごめんなさい」
「いいんだケイ、全てはセリトが悪いんだ」
あれから朝食を済ませ、カナリア村長と、セリト、ハイルと一緒にユニコーンの湖まで案内してもらっている。
森だけど道は、綺麗にされていた。
『どうちて、ありゅじが、あやまりゅでち!?』
ぶりゅんぶりゅん飛びはねるタロー。
どうしてかセリトとは、馬が合わないらしく、ずっとこの調子だ。
まぁ、馴れ馴れしいしうざいけどさ別に悪いやつではないぞ?
「ベビースライムとは、割りと血の気が多いのだな」
「いやこれは、タローの性格だと思いますけど…」
「俺、なんか、したかなー?」
「お前のケイに対するその馴れ馴れしさだろう」
ハイルが、ジト目でセリトを注意しため息をついている。
そんなハイルを気にする事なく、えー!?なんてわざとらしく驚いているセリト。
下心を隠す気はないらしい。
「さぁ、もうすぐ湖に着くぞ」
ぎゃあぎゃあ騒ぎながら歩いていたらいつの間にか、湖までもうちょっとらしくカナリア村長が声を掛け教えてくれた。
「たまに、道中、魔物が出るから俺達、護衛に頼まれたけど出なかったねー」
「いい事だ」
「けど、ハイル~、ケイにちょっとは、いー所見せたかったよ」
「常に何がいきなり起きるか分からないんだ。気の抜けた事を言うな」
「はーい」
「良かったねタロー!ステータスup!up!」
『わきゅ、わきゅ!』
タローとルンルンで湖の方へ歩いていく。
そこで目にしたのは、想像してたより遥かに神秘的で美しい湖だった。
「うわぁ…マジか~。超ー綺麗。」
「美しいだろう?だが処女以外には、恐ろしい湖だよ」
笑いながら語るカナリア村長。
そう、この湖は処女以外には、湖の水に触れると火傷のような傷になり痛んでくるというマジにヤバい湖だ。
湖に近付き、覗いてみる。
底が見える程、透き通っており、見た感じそんな深くもなさそうだ。
そして、よく見ると石とは違う、白いキラキラした欠片みたいなのがチラホラ見える。これがカナリア村長が言っていた、鉱石だろうか?
最後に、恐る恐る触れてみる。
-チャプン-
……何もない。
「寧ろ、冷たくて気持ちいい~!」
『ありゅじ、よきゅそんな、みじゅ、しゃわれるでちね』
「え、何で?タロー水好きでしょ?」
「魔物だからなタローは、湖の魔除けの力が駄目なのだろう。このユニコーンの湖は、魔物は一切近付かないからな」
そうなのか。
なのにユニコーン居ないのか。
ファンタジー異世界ならユニコーンなんて、あるあるだろ。
「私とタロー、セリトとハイルは此処で待っているから、好きなだけ取ってタローにあげてみるといい」
「キラキラした白い欠片ですよね?」
「そうだよ」
『ありゅじ、よろちくー』
ま、今はタローのステータスupが最優先だし!
早く強くなってある程度戦ってもらわないとな。
タイツと靴を脱ぎ、いざ湖へ足を浸けようとした時。
『ヒヒーン!』
ん?
「どうした?ケイ」
「今何か聞こえませんでした?」
「?何も?セリト、ハイル聞こえたか?」
「何も~?」「いや、何も?」
気のせい?
でも、皆聞こえてないって言うし気のせいか!
さて、気を取り直して…
『ヒヒーン!処女だ処女だ!イエーイ、マジでいい感じの処女きたこれふー!』
…いや気のせい違うー!
なんか、馬の鳴き声と、一緒にくっそチャラい声聞こえるんですけどー!?
カナリア村長達を見てみるが、何事もないように会話をしている。
「ちょ、タロー!来てー!つーか、行くー!戻るー!」
『むむ!いみゃいくでちー!』
『いやもー最近、子供ばっかで萎えてたからブルルルッ嬉しいーっ』
なんなんだ、姿見えないけど、スゲーうるさい声聞こえる、きもっ!
石取ってはい終わりって簡単には、出来ないようです。
あぁ、そうだ俺、運マイナスだったわ。
あ、運がマイナスっていうか一桁じゃないってだけだ…