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「どうだ?前髪、さっぱりしただろう?」
「あ、ありがとうございます」
お風呂に入る前に、庭でカナリア村長に髪の毛を整えてもらった俺。
前髪を軽く切って整えてもらい、全体的に毛先を整えてもらった程度だが、全然視界もすっきりして軽くなった感じ。
だが、鏡を前にしてちょっと安心のような残念のような~
顔が、あんまり変化していなかった。
斉藤啓太をそのまま女にした感じと言えばいいのかな?
男特有のゴツっとした感じが無くなり、優しい感じに見えなくもない。
「ふむ…髪の毛がボサボサしてあまり分かりにくかったがケイ、君は綺麗な顔立ちをしている。これからは、もっと身嗜みに気を使うようにした方がいい。まぁ、綺麗と言うよりは、可愛いが近いが。」
『あるじはきれいだったんでちね~。ちゅらいむの、ぼきゅには、にんげんのみちゃめの、きじゅんなんちぇ、よくわかりゃないでちけど』
まぁ、スライムにモテても別に嬉しくないけどさ~、言い方あるだろコイツ。
まぁ、言えるのは、俺は、まぁまぁ可愛いようだ。
「もう、タローうるさい。ありがとうございますカナリア村長、髪とても楽になりました」
「ふふふ、使い魔とはいえ、魔物と会話が出来るのも羨ましいな」
「生まれたばかりで、言葉はまだ、たどたどしいし、戦闘も出来ないんですけどね」
『ぶぅー!これからでちよ!』
ぶるぶる震えながら訴えてくるタローの姿に、なんとなく理解したのかカナリア村長がタローに近付くと、ツンツン突っついて笑って話し掛ける。
「まぁ、そう言ってやるなケイ、弱い魔物は弱いなりに生まれた時から生き抜く為の能力が発達していたりするんだ。戦えないなら戦えないなりにタローは、君を守ってくれるよ」
『ぷー!こにょ、にんげんは、なんちぇ、りきゃいのある、にんげんでち!ありゅじも、みなりゃうでちよ』
ーブルン!ブルン!ー
「はいはい、ごめんねタロー?」
「ふふ、凄い左右に揺れているが、何て言ってるんだ?」
「カナリア村長は、とても理解のある人間で、私も見習えって」
「ははは!面白いスライムだなタローは」
金色の綺麗な瞳を細ませながら笑うカナリア村長。
これが美女っていうんだろうな。うん。
何となく年上なのは、分かるけど…いくつなんだろうこの人。
うーん、見た目、五歳くらいお姉さんかな~?
美人な年上。いい…!
なんてボーっと見ていたら
《カナリア·リリィ·ランドール》 鑑定
レベル10 ハーフエルフ
職業 村長 魔術師
性別 女 年齢162歳
体力 250 魔力 270 力 80
防御 100 俊敏 85 運 70
技スキル
火魔法 風魔法 水魔法
耐性スキル
火耐性 風耐性 水耐性
特性スキル
魔力消費半減
いや、唐突!なんか凄い情報きた!
え、ボーって気になってみてたから!?
鑑定ちゃん、鑑定しちゃったの?
いやいやダメだよ!プライバシー侵害!訴えられるよ!
え、つーか、ハーフエルフ?162歳?
ええい!情報多すぎるよ!
「(鑑定ちゃん!ダメだよ!頼んでないのに鑑定しちゃ!)」
[イえ、啓太様、私は、なにモしておリませン、啓太様が、無意識に鑑定シたよウです]
俺のスケベ心の馬鹿っ
ちゃんとした基準は未だに分からないけど、魔力が高過ぎじゃねー。
レベルが10としてもこの差は酷い泣ける。
っていうか、俺はこの人に本気で殴られたら死ぬじゃーん。
なんだよ消費魔力半減とか、ゲームなら、まぁまぁのチート能力だぞ。
「どうしたんだ?ボーっとして」
「イイエナンデモナイデス」
「?、そうだ、食事の用意をするからそろそろお風呂に入ってきてくれ寝間着も後で置いておくから」
「ありがとうございます。タローもお風呂入る?」
『はいりゅでち!』
ま、悪い人じゃないってのは、分かるしステータスの情報ばかり気にしてたらキリないわな。
それにハーフエルフとか紹介されなかったし、もしかしたら凄いデリケートな事かもしれないしな。
気にせずスルーしておこう。
「じゃあ、お風呂お先に入らせてもらいますね」
「あぁ、どうぞ」
「ふむ、悪い子じゃないってのは分かるんだがな~。水晶でもちゃんと見切れないなんて変わった子だな」
「おおお…ナイス俺の体!じゃない!けど…あーいいな…ぐっ、でもやっぱ複雑っ!」
『きゃー!おみじゅ、おみじゅ~!』ズズズー
「ん?あ、タロー!こら吸収するな減るから水減るから!」
お風呂で俺は、改めて自分の身体を確認し、喜びと複雑な思いを抱き入浴。
お風呂で分かった事、タローが水を含んで肥大化した(笑)
ほっとけば治るらしいけど。
相変わらずのノロノロ更新申し訳ないです。