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インフルエンザ流行っています((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
はて?
何を言ってるんだこの人ー。
「ブフォッ」
「うわっ!汚いよハイル!」
俺が固まっていると、ハイルが勝手に飲んでいたお茶を吹き出していた。
「そ、村長!…年頃の女性に、な、何を聞いてるんですか!」
「いつもの、気になったら止まらない病だろうとは、思ってたけど…まぁ、今回のはちょっと引くよねーあはははは」
なんて言いながら笑うセリトにも引くよねー★
「いや…えっと…うーん」
「どうなんだ!」
「答える訳ないでしょうバカ!」
「何故だ!?」
ハイルは村長に近付いて、困ったような焦っているような顔で村長をバカ呼ばわり。
あー
村長は、あれだな。
研究者体質なんだろうなー。
変な草を真っ昼間から煎ってる人だしな…うん。
所謂、ズレてる人だこれ。
はてさてこの問い…これは、処女でいいのだろうか俺は。
この世界に女として転生してしまったけど…一から生まれた訳じゃないしなー。
正直、生前…男だった俺は、ご存知の通り二股で刺されて死亡な訳でー。
童貞では、ない訳だよ…うん
男女の経験はしている訳でそのまま女になったと考えたら俺は、非処女な可能性も否定は出来ない…。
なんてモヤモヤ考えているとー
[啓大様、ご安心下さイ啓大様は処女デござイますヨ]
「…うわ!?」
[女性にナった事があルなら別でスが…]
「…ないよ!」
「ケイどうしたの?」
やばー…
いきなり鑑定ちゃんが語りかけてきたから念話忘れてた。
ていうかマジかー…俺、処女なのかー
…大事にしよう。
「あ、ごめんなさい。いきなり聞かれて戸惑っちゃって」
「だよね~。ごめんね村長、たまにっていうか、しょっちゅう、ああなるんだー」
「ケイ、とりあえず無視しろ」
「いや、処女かどうか聞いてるだけだぞ!はい、いいえ、で済むじゃないか!」
「その質問が問題なんだよ!」
最早、ハイルは、カナリア村長に敬語すら使っていなかった。
そもそもだな…何でそんな処女かどうか気になるんだろうか?
タローのスキルの話しをしたら、ブツブツ言いながら行っちゃったんだよなカナリア村長。
それと処女かどうかとか何、関係あるんだろうか。
答えるかは、置いといて…理由をしっかり聞こう。
「あの…どうして、その、処女かどうかなのが気になるんですか?」
「んん?そうだな理由を言っていなかったなケイ、君のスライム…タローだったか?その子にいい事なのだよ。少し長くなるが説明しても?」
「わ、わかりましたお願いします」
「私達の村は、月に一度、昔からある湖に不思議な鉱石を取りにいくのだが、私達はユニコーンの湖と言っている。そこの湖の中で取れる鉱石を装飾品等に加工し街に売りに行くのだが、不思議な効果のある鉱石で、加工した装飾品を身に付けると、毒の状態異常を軽減する効果が付与されるのだ。その鉱石をケイのスライムに吸収させてみたらと思ってな。私もスライムの吸収に興味が沸いてね。だがその湖に入る条件が…」
「処女である事?」
「あぁ、処女でない女が湖に触れたなら皮膚が火傷したようになり数日痛み、痛みが取れても、一生消えない跡が残る。男にいたっては、水に触れた途端、全身に痛みが走り、数日苦しんだ後、顔や身体中に痣が出る。だが処女が湖に触れても何もないのだ。だからユニコーンの湖と言われているのだが、鉱石はその湖の中にしかなくてなー…二ヶ月前に取りに行って、今は皆、女の子達も加工を手伝っていて忙しくな。」
「あー…それで、私が処女かどうか聞いたんですね」
「あぁ、勿論私は無理だぞ…それで?どうなんだ?処女なのか?」
ぶれないなこの人~。
「村長…そういう話しは俺達が居ないところで会話して下さい」
「ん?もう、いいじゃないか、どうせ今更、お前達が居なくても、湖行く=処女だと分かるしな」
「そういう問題じゃないんだよ村長~。もう本当ずれてるんだから」
まぁ、この際タローが強化されるなら処女かどうか言うのなんてどうでもいんだが…セリトはともかくハイルが凄い気にしてるから逆に申し訳なく感じるのもあるんだよなぁ~。
多分、彼は初なさくらんぼ男子だ。
俺は、心は初な処女どころか、二股で刺されるくらいのだらしない成人男性だからね。
あ、自分で思って悲しくなったー。
まあ、いっか!タローが強化されるのには変えられないし~
転生してから初めてのリアルチャンス!逃さん!
「じゃあ、そういう事なら大丈夫です…湖行きましょう」
「そうか!いや良かった」
「……!…………」スタスタスタ
「ありゃ?ハイル~?」
ハイルは俺の返事を聞いた瞬間、顔を真っ赤にしてカナリア村長の家をはや歩きで出て行った。
フッ…ごめんなハイル純情な心をかき乱して…。
「ハイルは、むっつりさんだからね~まぁ、村長は元から変な人だけどケイも中々、変な女の子だね」
「処女かどうかなど生きていく中で些細すぎる事だろう」
「村長は黙って~…」
「あ、まぁ…普通は恥ずかしいんだろうけど…タローが強くなるなら別にいいかなって…あはは」
「この村じゃね、処女しかお嫁にもらえないしお嫁に行けないからさ。そして、男の子も然りーえへへ、まぁケイはこの村の子じゃないし関係ないか」
説明が終わるとセリトはちょと頬を赤らめていた
へー、ふーんマジかー
…じゃあ、お付き合い=結婚じゃん…スゲーな。
セリトは、まだ軟派な感じだが…この村の未婚の若い男の子はみんな、さくらんぼ男子なのか。
「古い村のしきたりみたいなものだ。ユニコーンの湖で私達は生活出来ているからな先祖達なりの、ユニコーンに敬意をはらった行動なのだろう」
「じゃあ湖にはユニコーンが居るんですか?」
「いや、居るとされているだけで見たことはないな。そもそも、伝説上の生き物だよ」
なんだー
異世界でやっとスライム以外の生物が拝めると思ってたのに。
「そうですか…」
「まぁ、今日はもう夕方も近いから明日、朝行こう護衛にセリトとハイルをつけるからな」
「わーい門番飽きてたんだよね~」
「ケイは、私の家で泊まるといい無駄に広いからなこの家は」
「じゃあ、俺はハイルに伝えとくね~!また明日」
そして、広い家で俺とカナリア村長二人になった。
「それにしても、変わった服装だがそれは旅をするのに歩きやすいのか?」
「見た目よりかは…あはは」
「髪の毛も伸びきってるし、私がいうのもなんだが、髪だけでもきちんと結っていた方がいいぞ」
「あ、あんまり気にしてなくて」
「ふむ…服の繊維…これ何で出来ているんだ?薄っぺらいのに中々頑丈そうだ」
やはり、俺の服装とかに違和感があったのか今更だが凄いグイグイ来るカナリア村長。
まぁ、ジャージとは言えね、日本製のしっかりしたブランドのジャージですから!
「こ、故郷の特別な布で…でももう替えようと思ってて~」
だって目立つし…正直この村はいい人だから良かったけど、変わった格好したひ弱な女の子がうろうろ異世界の街なんか歩いてたら、絶対、やばみ。
「なに!?だったら私の昔の服でいいなら替えてやるぞ!」
「え?いいんですか?」
「寧ろ珍しい布を譲ってもらうんだ嬉しいくらいだよ」
「こんな古着でよければ全然…」
「よし、明日用意してやるからな!」
「出来れば、一般的な目立たない歩きやすいのが助かります」
「わかった!あぁ、後お風呂入るだろう?沸かしてやるから待っていろ!その後夕食にしたら丁度いいだろうから」
「何から何まですいません」
「あぁ、そうだ風呂入る前に髪の毛も整えてあげるから」
あれよあれよと事を進めるカナリア村長。
ウキウキしている。
そんなに、ジャージ嬉しかったのかな?
そして、太陽が夕日に沈む頃。
『うー、やっちょ、まちになってきたでち』
肩でだれていたタローがようやく起きてきた。
「タロー明日、いいもの吸収させてあげれそうだよ」
『!ほんちょでち?たのちみでちー!』
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