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ホルン村に向けて特に急ぐ事なく、タローに吸収スキルを使わせながらそこら辺の石ころや、土を吸収させ歩いている。


「タロー?取り敢えず、マッピングにあるホルン村に着いてからこの辺の事とか、色々、情報を得ようと思うんだけどいいよな?」

『わざわざ、ぼきゅに、うかがいたてなくてもいいでちよ。ぼきゅはあるじのちゅかいまでちからね』

「いや、お前ほら見た目、ちょっとあれじゃん?キモいじゃん?」

『しゅらいむを、こわぎゃるにんげんなんちぇ、たぶんいないれちよ…ありゅじくらいでち』

「……………………。」


土や、石ころを吸収しながら左右に揺れて、会話をするタロー。

なんとなくだが、会話が聞き取りやすくなってる気がする。


「タロー、お前レベル上がった?」

『ちゅてーたしゅをみるきょかちてくれたら、じぶんでみえりゅでち』

「あ、初めから自分で見える訳じゃないの?」

『ちゅかいまでちからね、いろいりょせいげんちゃれまちゅね。ちょのかわり、れべりゅせいげんがなくなっちゃり、ぼきゅみたいなよわいまものは、まもってもらえるでち!』


顔が無いから、感情が読み取れないが、声の感じは、とてもイキイキしてる…と思う。

正直、最後の守ってあげれるかは、約束しかねるけど…。


「そうなのか…取り敢えず、ステータスの閲覧を許可するよ、いちいち確認するのも面倒くさいから、何か新しいスキルとか覚えたら教えてくれよ」

『わきゃったでち!あ、ちにゃみに、れべるは、3でち』

「お、いい感じじゃん」


使い魔も色々まだわからない事がありそうだ…。

そもそも、村で情報収集するとはいえ俺はこの世界の事、よくわかっていない。

村に着く前に鑑定ちゃんに話を聞こうかな。


「(鑑定ちゃん、この世界の名前とか、どんな人種がいるのとか教えてよ)」


---------------------



《ゼロ》

 

この世界の創造神、サイオンジミコトが創造した世界。

人間達の殆どは、このサイオンジミコトを信仰している。

人間の他に、亜人と言われる種族達がいる。

 

エルフ ドワーフ 獣人 が存在している。

ひっくるめて亜人。




ざっくり説明だなまた。

…はて?サイオンジミコトって、どう考えてもこれ日本人の名前じゃね?


「(てゆーか、ミコって神様って言ってたよな?サイオンジミコトってミコのフルネーム?)」

[はイ]

「(じゃあ、ミコって元々、俺と同じ転生した感じ?)」

[はイ、真ノ名前は西園寺 命(さいおんじ みこと)でス]

「(意外とあっさり答えてくれるのな)」

[別にミコ様が困ル内容でハありませンので、神となリ、この世界ヲ創造し導くのが、ミコ様の仕事でス]

「(ふーん…じゃあ俺を転生させたのって実は意味あったり?)」

[…気紛レでス]

「(気紛れかよ!)」

[はイ]

「……。」


はぁ…。

まぁ、勇者になって世界救えとか言われても性に合わないんだけどさー。

だからって、この微妙な感じもなぁ。


『ありゅじー!さっきから、かおがいろいりょ、かわって、きみょちわるいでち』

「…うるせー!ってかタローお前、目無いのに俺の表情とか周りちゃんと見えてんの?」

『ふぅー…あたりまえでちよ…』


何か凄いバカにされた気がする。


『ぼきゅたちは、どうぶちゅてきな、まものとちぎゃうでちからねー…まさんそ、をあやちゅってまわりをみてるんでち』

「まさんそ?」


そういや、タローを鑑定した時に書いてあったような、ないような。


「(魔酸素って何?)」



《魔酸素》


魔法を使う為の必要な素

微精霊達の呼吸。

目のない魔物は、漂う魔酸素を纏わせ周りを感知し、情報を得ている。



へー…超便利じゃん、俺も魔法とか使えるようになればー。


[因み二、啓太様は、魔力が無イので、操レませン]


…念話もしてないのに鑑定ちゃんに、はっきりズバッと切り捨てられた。

まぁ、ステータスにもあるけど俺、魔力0だからなっ!

本当に大丈夫なのかな俺。



『…ふぃー、ちょっと、つちとかくさばっきゃりで、あきてきたでちね』

「文句言うなよー…ホルン村についたら何か違うのやるから」

『えー、ほんちょでちかー…?』


本当コイツ、表情なんて無いくせに言葉が何か皮肉っぽいというか、ふてぶてしいというか…。

感情豊かなスライムだな。


でも、違うのやるって言ったけどお金ないんだよなぁ…どーしよ★

本当、取り敢えず、人の居る所に行くってだけで、あんま次考えてなかったわー…。

こういう行き当たりばったりな感じだから、二股して刺されちゃったんだろうな俺、てへぺろ。


「なぁ、タロー…吸収するとしたら何、吸収したい?」

『なにか、しゅてーたしゅになるのがいいでち』

「例えば?」

『たんじゅんに、やくそうとか…どくがありゅのでも、ありゅていど、へいきでちよ!』

「スライムって割とスゲーのな」

『ふふーん!』


スゲー、どやぁ感が凄い。

現状、俺より使えるかもしれないのが地味に今の態度ど合間って腹立つ。


そうこう、タローとやり取りしながら、歩いていたら二人、人の姿が見えた。

門番的な人だろうか?後ろの方にちらほら民家が見える。

よし…!


「あ、あの~」

「…ん?…!…女?こんな所に女一人で旅か?」

「あ、そんな感じです…えっと、お…じゃない、私、道に迷ってしまって~」

「ほう?」


ージトリー


なんだろう、スゲー怪しまれてるー。

そうだよな、女一人、しかもこんな部屋着…怪しい服着たやつ怪しまずしてどうするよ。


「わ、私、そのテイマーなんです!そ、それで、修行の旅っていうか~…」

「へー!俺、テイマー初めて見たよ!」

「こら、セリト真面目にしろ!」


俺を、睨んだ門番とは違い、もう一人の門番の人は若い青年で、凄い人懐っこい感じで俺をマジマジ見ている。


「あ、えっと、使い魔もいますよ!」


そう言うと俺は足元に居る、タローを両手に乗せ二人に見せる。

…あれ?心なしかタロー、ちょっとおっきくなったか?

タローはプルプル二人の前で揺れている。



「「………………………」」



タローを見せた二人は、固まって、タローを見ている。



「スライムが、使い魔か…なんとも…」

「しかも普通のより小さい…ぷっ!」


『こいちゅ、いま、わらいやがったでち…チッ』

「こら!」

「「ん?」」

「あ、えっと!す、すいません」

「あぁ、テイマーは、使い魔とある程度、意思疎通が出来ると聞いたことがある」

「へー!凄いな!それ…でも何でスライム?」


『しゅらいむの、なにが、わりゃいんでち!くしょがっ!』


口悪すぎねコイツ。


「ハイル~、別に危険な人じゃなさそうだし、入れてやろうよー!」

「いや、しかしなぁ…」

「女の子が道に迷って此処まで来たんだぜー?追い返して、夜になったらすぐ魔物にやられちゃうぞ!」

「……………」


ハイルと言われた門番が俺とタローを交互に見る。


「まぁ…小さいスライムに何か出来る訳もないしな…いいだろう、追い返して、魔物に殺されても後味悪いしな。村に入る事を許可する」

「ありがとうございます!」

「もーハイルは素直じゃないなぁ~」

「五月蝿い。…ところでお前名前は?」

「あ、けいー…です!」


啓太は流石に女っぽくないよなー…。


「ケイ?へー、可愛い名前だね!俺はセリト、んで、むっつりしてるのがハイルだよ!」

「あ、はい、宜しくです…」

「取り敢えず、村長に挨拶してくれ」

「わ、わかりました」



『チッ、せりと…こいちゅ…ありゅじに、なれなれちいでち…』

「こら!お前さっきから態度わるい!」

「「ん?」」

「あ、あははは…気にしないで下さい」



かくして俺は、なんとか、ホルン村に入れてもらえた。

良くも悪くも、タローという最弱な使い魔のお陰で、怪しい危険な奴とは思われなかったみたい。

タローはちょっと機嫌が悪いが……ほっとこう。






もうすぐクリスマス~

寒いなぁ。

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