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ぐすん。
成人して初めて泣きそうだぜ…。
足首に張り付いているベビースライムを見る。
未だに微動だにせず張り付いている。
…人差し指でツンツン触ってみる。
--ビニョン--
プッ、プニプニしてない!
プニプニどころか人差し指がズブズブゆっくり入ってしまった。
「えぇえええ…あの、国民的ゲームのスライムは、凄い弾力に、張りが凄そうだったけど…」
現実は、ちょっとあれだな、うん。
人差し指が入ったそのままに掴んでみる。
--ミニョーン--
「…気持ちわるっ!」
片手で掴んでみたが、重力に逆らう事なく、垂れている。
顔もない…。
ほらー、あの有名な国民的ゲームなら、ちょっと間抜けなゆる可愛い顔があるしさぁ?
あるかも!とか思うじゃん?
片手で垂らすのも気持ち悪いし、両手に置き、観察。
顔もないし、今の所、張り付いてただけで特に動かない。
死んでんじゃないかコイツ。
「なぁ、鑑定ちゃん、動かないよコイツ」
[ベビースライムは、他ノ魔物によク食べらレてしまいまスから、必要最低限の摂取が終わレば安全ナ場所から動きませン]
「俺は、安全指定されたって事?」
[自分ト同じ位の存在だと認識シたのかもしれまセんねパラメーター的に啓太様もそウ変わりまセんから]
「うるせーよ!」
[後は、啓太様がスライムテイマーだからカも知れマせん、もシかしたラ、自ら使い魔にナるべく近寄ってきタ可能性もありまス]
「え、マジか…どうしよう」
正直、強いとは言えないしー…
寧ろ守ってやらなくては、いけないんじゃないか?
[私は、使い魔にスる事をお勧めしまス]
最初にもそれ聞いたけど…うーん…。
正直なー…見た目ぐったりしたゼリー…透明なナマコ…。
要は、可愛くない!
スライムってやっぱさーちょっと間抜けだけど憎めないお顔のイメージがあるからさー…
俺の手にあるスライムは、顔もなけりゃ、ぐでんぐでんしている。
「おーい…せめて、ぐったりしないで動けー」
[使い魔にシてしまえば、命令可能でスよ]
「いや、命令っていうか、動かないのは気味悪いしさ…使い魔にするやり方も曖昧だし」
[取り敢えず、試シてみれバいいのデは?]
「えー…じゃあ、うーん…戦いたくないし、使い魔になってくださーい」
自分でも思う。
適当もいい所だわ。
だが。
『ふにー…やっちょ、けいりゃくちたね』
「……鑑定ちゃん何か言った?」
[イいえ]
『にゃによ、いってりゅでちか?ぼきゅでちよ!ぼきゅ!』
変な聞き取りにくい言葉と同時に、両手に乗せていたスライムが、ぐにゃんぐにゃんしだした。
…………………
「ぎゃあああああ!スライムが、喋った!?つうか動き気持ち悪っ!」
[啓太様、落ち着いテ下さい、テイマーは、契約が成功シたら、使い魔トの意思疎通が可能性二なりまス]
「そ、そなの?マジか、焦ったー…」
『きょまった、ありゅじでしゅねーりゃいじょうぶでち?』
「…すげー聞き取りにくいのは、俺がレベル低いからか?」
『ちぎゃうでち!ぼきゅ、しゃっきうまれちゃばきゃりでちかりゃね…ちょっち、まにゃ、なれちぇないでちよ』
「生後間もないから、会話がちょっと難しいのか?」
『ちょう!』
…………。
いや、大丈夫かコレ。
『ちょりやえず、にゃまえちゅけてほしゅいでちね』
言葉足らずに、ブリュンブリュン左右に揺れながら名前をつけろと催促された。
なんだろう、表情なんて無いのに、凄いふてぶてしく感じるー。
「名前なー…よし、タローで」
『…!きにいっちゃでち!きゃんたんできゃっこいい、すちぇきにゃ、にゃまえれち!』
我ながら、ネーミングセンスの無い名前だなとか思っていたが、ベビースライム…もとい、タローはこの名前を気に入ったようだ。
「気に入ったたようで良かったよ…所でタロー…お前戦闘とか出来るのか?」
『…?みゅりでちよ?』
「だよね!聞くまでもないよね!」
『けりょ、れべりゅは、しゅぐあぎゃるでちよ!れべりゅがあぎゃればきゃいわもうみゃくなりゅれち!』
「いや、うん…あー…うん…鑑定ちゃーん!」
[はイ]
使い魔にして名前を付けたのはいいが…正直困った。
取り敢えず困った時の鑑定ちゃんだ。
「戦えないのにレベルはどう上げたらいいんだ?」
[スライムは、生まれて間もなくは、石や雑草、等を少しずつ摂取して成長していきます、そしてレベルが上がりそこそこ強くなれば自分より小さな魔物を補食したりします]
「餌代かからなくていいな」
[でスが、啓太様のベビースライムは、特性スキルに吸収(微)が備わっテいまスのでスキル、吸収を使わせル事をお勧メしまス]
「お、やっぱりスキル使った方がレベル上がりやすいとか?」
[そレもありまスが、このスキルは、吸収シたものを自分ノ能力、ステータスに反映さセる事が出来るスキルなノでス、まだ吸収(微)でスので、せいぜイ、薬草や小さな鉱石、虫くらイしか無理デすけド]
虫かー…虫はキモいから触りたくないなぁ…。
此処、異世界だし絶対変な虫居るわー。
よし、無難に薬草とか石ころ、土、食わそー。
「よし!OK!じゃあ当初の目的!ホルン村を目指そう!んで道中、タローはスキル、吸収を使いながら適当なもん吸収して行こう!」
『わきゃったでちよ!けりょ、まみょのがきちゃらみょもってち!』
「大丈夫だ、全力で逃げるから」
『にゃちゃけないありゅじでちねー』
「お前が言うなよ!」
こうして俺は、ふてぶてしい激弱、使い魔を手に入れたのだった。
転生してから、不安しかないのは気のせいだろうか
タローの言葉が読みにくいかもしれませんが何卒、ご容赦ください。
大した事は話してません←