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働いた事なんて一度も無いのに異世界行ったら社畜だった俺の無双劇。  作者: 粉兎 / パンケーキ
第三章 広がるハーレムとロリコンの異名
47/50

45話 ここまで来て社畜しなくても

コンパス( ゜д゜)タノシィ...

つい2週間でS3まで上げてしまった

 「待てよ」

 俺はアリエルの足を掴んでいた。

 

 「何だ?」

 アリエルは突き出しかけた腕を止める。

 

 「お前、寄り道イベントのやられ役の癖して調子乗りすぎじゃない?」

 「何だと?」

 アリエルは明らかに不機嫌そうな態度をとる。しかしまあ、一番不機嫌なのは俺だ。

 自然と、アリエルの足を握る手に力が入る。

 

 「お前あそこは流れ的に大人しく死んどけよ…面倒な事になるだろ?俺がサクッとレヴナント討伐済ませて獣人達に認められる的な流れだったのに、お前が封印されてただの実は生きてただの…どんだけ長引かせるんだよボケ!!」

 アリエルの足がビキッと音を立てた。

 

 「挙句の果てに俺の嫁に手を出そうとしたな?俺はなぁ…」

 一瞬、脳裏を妹がよぎる。まだ妹が幼い頃、俺のタンスの中身を切り刻んで遊んでた事とかあったなぁ…そんな事もあって

 

 「俺は、自分のものを壊されるのが大ッ嫌いなんだよ!!」

 俺はアリエルの足を握りつぶした。

 

 「何!?」

 「『何!?』じゃねえよ!レパートリー他にねえのか!!もうちょいバリエーション豊かなリアクションしろ!!」

 俺はアリエルの足を掴んだまま立ち上がった。

 

 「取り敢えず、死のうか」

 俺は人外力を駆使して、アリエルを背負い投げして全力で地面へ叩きつけた。

 

 

 

 「ご主人様、これは何ですか?」

 「マイベストアンサー、クレーターです」

 「他に方法は無かったんですか!?」

 ミーナが指さす先には直径5m程のクレーターと、その中心に底が見えない直径1m程の穴があった。若干楕円形になっている。

 

 何故こうなったかだが、俺はアリエルを地面に叩きつける際に戦術スキルに含まれる槌スキルを使い、衝撃が逃げない叩き方をしたのだ。

 

 結果、垂直方向に集中した力が加わり、俺が手を離したアリエルはものすごい勢いで地面に埋まっていったのである。

 5mのクレーターは余波だ。

 

 「斬っても死ななかったからちょっと本気出しちゃった」

 「っていうことは、ミキの本当の本気はこれより凄いってこと?」

 クーはクレーターを見つめる。

 

 「Evolveの強化倍率を考えると…多分この巨大樹の森を荒野に変えるぐらいは余裕だと思う」

 ミーナとエーデラが引き、クーが目を輝かせた。ここ、主人公が引かれる流れなんだけど…嬉しいけど、クーだけなんかテンプレ外してきた…。

 

 「ま、それはともかく帰るぞ。四天王連れてくるの忘れてたから早く戻ってやらないと」

 「「「…あっ」」」

 旅の功労者であり、皆に忘れられる四天王である。

 

 

 

 「という訳で、原因は金竜レヴナントと、そいつに封印されてたデモンロード?のアリエルだった」

 「本当に助かったのじゃ、ありがとう」

 そう言って長老は恭しくお辞儀をした。

 あ、例のクレーターだけど埋め立てといた。ついでになんか封印っぽい魔法作って封印した。

 

 「んで、俺が気になる事なんだが…」

 「おお、何でも言って下され」

 「魔王と勇者について、知っている情報があれば教えて欲しい」

 瞬間、長老の表情が凍りついた。

 

 「魔王については…残念ながらなんの情報もないのじゃ。勇者に関しても、人間とは関わりを持たんからの」

 「んー…」

 と言っているが、かなり深く知っている様だ。しかし、記憶自体にロックの様なものがしてあり、その記憶が『存在すること』しか分からない。

 

 「封印…か…」

 俺が呟いたら長老はぴくりと反応した。図星の様だ。

 けどまあ、問い詰めても無駄だということはよく分かった。

 

 「んじゃ、お前が出し渋ってた方を」

 「ぬぐ…しかしアレはじゃな…」

 「取り敢えず、いるか要らないかは見て判断するから見せろ」

 俺は長老に催促する。

 

 「ミルを呼べ」

 「はっ!!」

 長老の指示で猫っぽい男がどこかへ走って行った。

 

 そして間もなく、ご存知兎が現れた。

 

 「お爺様、なんでしょ…!?」

 そして俺達に気付いて面食らっていた。

 

 「このミルは…」

 「いやだから娘シリーズはいいって!!」

 あのさぁ…俺枯れるから。っていうか、コイツ絶対にドジっ娘属性持ってるじゃん!!ドジっ娘可愛いけど!!可愛いけどそれまでじゃん!!

 

 「ご主人様、ご主人様が考えている事は大体わかりますけど、人の事言えませんよ?」

 流石はミーナ、俺の事を良く見ている。

 

 「と、まあそういう訳で出し渋ってた奴は何よ?」

 「…」

 長老は押し黙る。

 

 「…待って、まさかこの兎?」

 「…」

 「ちょっと、冗談やめてくれよ…?」

 「…」

 「ねえマジで、ホントは勇者が託した剣とかが守られてたりするんでしょ?ねえそうだと言ってよ!!これ以上嫁が増えたら俺死んじゃうから!!刺されるから!!嫁に!!」

 「どういう意味ですかご主人様?」

 「俺は嫁に管理されるのも拘束されるのも勘弁だって話だろ」

 心当たりがあったようでミーナは黙り込んだ。ホントにそのうち刺されかねない、嫁はこの3人までで自重する。…人間の嫁いねーのかよ。

 

 「兎に角だ!!俺にとってこれ以上パーティーメンバーが増えるのは大分困る!!マジで辞めてくださいお願いしますなんだよ!!」

 「ぐぬぅ…ならば他に対価として差し出せるものは…」

 長老は苦虫を噛み潰したような顔をする。そんな長老に俺は…

 

 「あるだろ?」

 と言った。いやだって、長老の脳裏を何度も何度も、明らかに呪われてそうな刀が過ぎってるんだもん。

 

 「しかしあれは…」

 「俺が使ってるこの『絶雪』も妖刀だからな、いわくつきとか、特殊なやつでも大体大丈夫だろ」

 俺はそう言って絶雪を見せる。どうにか納得したようで長老はどこかへと案内してくれるらしい。

 

 

 

 そして、倉庫に辿り着いた。

 

 「この倉庫にあるのか?」

 「そうじゃ、ここに勇者の残した聖剣が…」

 「あ、やっぱいらねえわ」

 結局、俺が欲しいものはなんも無かったというオチ。

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