43話 金竜レヴナント
因みに、美輝の前世の体験談は大体粉兎さんの実体験です。
「んじゃ、おやすみ」
「…ふえ?」
俺はあっさり兎を掴んだ手を離し、普通にベッドに入った。おぉう、ごわっごわだ…
「え…いやあの…え?」
兎がキョトンとしていたがそんな事は気にせず、俺は眠りについた。俺の名前は大下美輝、眠い時には寝る男だ。
「そしておはようございます!!」
俺はベッドから飛び起き、開口一番そう言った。周りを見ると、どうやら俺が寝たあとで嫁達が入ってきたらしい。いやまあ当たり前だけど。
俺の次に、ミーナが目を覚ました。
「ん…ごしゅじんさまぁ…おはよぉ…」
「ああ、おはようミーナ」
「おはようのちゅーしてぇ…」
「おう」
俺はナチュラルかつ手馴れた感じでミーナにキスをする。いやだって、毎朝こんなデレるんだから、もう慣れるよ?ほんとに。
次はクーが起きて…って、俺の上に乗って寝てるし…
「んあ、ミキおはよう…」
クーは朝寝惚けないタイプかな?因みにエーデラは起きないタイプだ。
「おーい、起きろーエーデラー」
「んんん…ミキ、あと5分…」
「5分後に起きてなかったら?」
「んー…ちゅーしていいよ、ミーナにしたみたいに…」
「それじゃご褒美だろ!更にさっきから起きてるじゃねえか!!」
ツッコミどころ多いわ!
…と、俺が突っ込んだ瞬間だった。
ガボン!
と天井が抜け、うさ耳がひょこりと顔を出した!
「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」
と、思わず叫んでしまう。いやまあ正体は分かってるんだけど…
「おはようございます!!ゆうべはお楽しみでしたね!!」
「何をだ…?」
俺は訳の分からないことを言ううさ耳に問いかける。
「え?だって男の人と女の人が同じベッドで…」
「いやだから、俺は寝てたんだぞ?先に。夢遊病なのか?」
流石に寝ながら愛し合う技術は持ち合わせていない。寝ながら食う麦わら帽子の海賊は知ってるけど…
「というか、なんでここにいるんだ?」
俺は当然の疑問を投げかけた。
「ふふふ…それはですね…」
「なるほど、昨日さんざん怖がらせられた仕返しができるように何か秘密を探ろうと忍び込んでみたが、そこに丁度ミーナ達が現れて一緒の布団に入り始めたから弱みを握るためという建前の興味本位でずっと覗いていた。けれど、期待するような展開に全くなる気配がなく、そのまま朝になってしまったので深夜テンションのまま腹いせも込めてカマをかけてみた、という事か。ませてるなぁ…」
「なんで分かるんですか!?」
最近レベルが上がりすぎて感情以外もよく分かる感情把握スキルが原因ですが何か?
「まあそんな事はどうでもいいじゃないか、今日はもっと大きなイベントがあるんだ」
そう言って俺は部屋を出ようとして…
「ぶべらっ!?」
入口のロープに引っかかってこけた。
「なんでや!なんでまだ残っとるんや!!」
俺が笑いものになったのは言うまでもないな。ちくせう…兎許すまじ…
「さて、レヴナントが居るのは多分こっちだな」
俺達は獣人の里を出て、更に森の奥深くに入っていった。だんだん木が大きくなって更に密集し、一本一本が今や獣人の家並のサイズになっている。
「確かに、古代から生きているレヴナントの身体が隠せるのはこのサイズの木の中ぐらいですかね、それでもバレバレですけど…」
ミーナも納得してくれた。因みにクーは俺の背中に乗っかって昼寝中、エーデラは木々を操ろうとして失敗し、現在どうにか木々を操ろうと格闘中である。
「竜か…一回戦ったけど、今の俺だとあっさり勝てる気がするんだよなぁ…」
因みに、今の俺のステータスはこんな感じだ。
大下美輝 16歳 男
ジョブ:1st,社畜 2nd,君主 3rd,探求者
種族:暇魔神、人間
▷▶︎ステータス◀︎◁
LV:329
HP:67,810/67,810
MP:***/84,550(+?)
ATK:15,672
DEF:7,688
MATK:20,002
MDEF:13,090
DEX:98,780
LUC:( ̄Д ̄)
EXP:43/128,920
▷▶︎スキル◀︎◁
ステータスウィンドウ(Lv-)
スキルボーナス(Lv231)
魔力錬金(Lv17)
社畜精神(Lv999)
仲間強化+(Lv69)
親愛(Lv2987)
戦術・武術(Lv452)
解析(Lv-)
履修(Lv999)
魔術開発(Lv218)
全属性魔法ALL(Lv17)
嘘発見(Lv-)
交渉術(Lv311)
大罪魔法(Lv183)
経験値取得量倍加(Lv253)
【オリジナル】絶雪(Lv652)
生産(Lv386)
感情把握(Lv-)
感覚操作(Lv921)
社畜Evolve(Lv1)
魔改造(Lv123)
…うん、MPとDEXとLUC何があった?MPはおそらく貯蓄限界とかそんな感じで、DEXは…これはなんでこんなに成長したのかわけわからん。LUCに至っては顔文字が表示されている…
…え?親愛のスキルレベルがおかしいって?ナンノコトカワカラナイナー。
ま、まとめるとスタリアで竜を倒した時より倍以上のレベルだしまあ余裕っしょ、って事である。まあ、あの竜とレヴナントにどれだけ実力差があるかは知らんが。
「そろそろだな」
俺はすぐ近くから突然吹き出した異様なまでの怒気を感じ取る。多分金竜レヴナントだな。
「クー、起きろー…ついたぞー」
「んぅ…もうついたの?」
そんなレヴナントは意にも介さず、まるでピクニックの様な会話を繰り広げる俺達。レヴナントの怒気が更に強まった。
「んじゃあ、行ってくるわ」
「またご主人様だけで…?」
「いやだって、そんな強そうじゃないんだもの」
レヴナントの怒気に最早怨嗟が篭っている。
「大丈夫、俺は絶対負けないから」
そう言って俺はミーナと唇を交わした。
「ふざけるなぁァァァァ!!」
そして溶岩並みに熱い火球が俺めがけて飛んできた。なので、取り敢えず絶雪で切り裂いてみた。
「な、貴様、我の炎を…!?」
「思ってた以上に弱そう」
「な、何をー!!」
レヴナントの怒りがピークに達した。
「ふふふ…ならば見せてやろう、偉大なる我の姿を…!恐れおののくがいい!!」
そう聞いて俺は少し身構える。古代より生きる黄金の竜、レヴナント。この巨大な森の中でなければ隠れられないほどの巨体、どれほどのものなのだろうか。
「見よ人間!!これが我の姿だァ!!」
そう言って、黄金の竜レヴナントが姿を現した!!
因みに体長は2m50cmぐらいだった。
「思ってた以上に弱そう」
「な、なんだとぉー!!」
こうして、戦いの火蓋は切って落とされた!




