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働いた事なんて一度も無いのに異世界行ったら社畜だった俺の無双劇。  作者: 粉兎 / パンケーキ
第二章 前世の友達が鬼畜すぎる
29/50

27話 皐月倒すべし、慈悲はない

最近悪ノリが過ぎる気がします。こんな超絶おふざけ小説でいいのか。

因みにこの章のボスはデゼスプワールではありません。

 「ご主人様、それで何か弁解はありますか?」

 「はい、全くございません」

 今の状況は俺がミーナに土下座し、デゼスプワールが俺に土下座し、俺達をゴミを見るような目で見ているのがミーナ、それを見てケラケラ笑っているのが颯太、という図だ。

 

 「全く…節度ある行動をして下さい!!今のご主人様はただのご主人様ではなく私の…お、夫…なんです…から…」

 その一言にまず俺がテンションを上げ、デゼスプワールの俺を見る目がゴミを見る目に変わり、颯太は怒りとかミーナの可愛さとかで感情が交錯してヴォルーシャで俺を殴り始めた。

 

 …何だこのカオス。

 

 「まぁあの魔法の効果も試して見たかっただけだし、今回は大目に見てくれ。それとも、ミーナが実験台に」

 「やめなさいよ!!」

 ファッ!?突然背後から放たれた突きに混乱するも、俺はミーナに当たらない様にレイピアを掴む。レイピアって刃もあるんだね(要訳:手が切れて痛かったです)。

 

 「あぶねえな…さっきのもっかい食らいたいのか?」

 「ご主人様!!」

 ミーナの怒号が響く。そしてベタな展開ではあるが、その声ももう一つの怒号に掻き消された。

 

 「うるっせえな!!今何時だと思ってんだ!!」

 「「「「ごめんなさい!!」」」」

 俺達はノリと勢いで宿屋の主人に土下座した。

 

 

 

 「ふあぁぁ…ねむ」

 昨日遅かったせいか、起きるともう日が昇っていた。ミーナはまだベッドで眠っている。

 デゼスプワールとネロスは治療して転がしといた。死んではいないはずだ。

 

 「起きろミーナ…朝だぞ」

 「んむぅ…ご主人様…それは四天王じゃなくて…国王様です…ふにゃ…」

 「夢の中で俺は皐月にどんな仕打ちをしてるんだ…」

 俺は軽く溜息をついてからミーナを揺り起こす。

 

 「ミーナ、起きろー」

 「ん…ご主人様、おはようございます…」

 「所で、何の夢だったんだ?」

 「え…そんな!!言えません!!」

 ミーナは心底怯えきった顔でそう言った。何の夢か余計に気になってきた…ううぅ…

 まあそんな事気にしてもしょうがないので俺はベッドから降り、魔族二人を起こす事にする。

 

 「おーい、魔王起きろー」

 「んー…貴方ね…それは馬じゃなくてこの国の王よ…むにゃ」

 「ミキ殿…それは馬ではなくこの国の王です……」

 「何だ!?何でみんな同じ夢を見ている!?俺は皐月に何をしたんだァァァァ!?」

 今日も暇しない一日になりそうだ。

 因みに隣の部屋へ颯太を起こしに行くと、「美輝…皐月は四天王じゃないぞ…」と言っていた。

 

 

 

 その頃の王室では。

 

 「…んぐぅ…美輝…俺は馬じゃないぞ…?スヤァ…」

 

 

 

 「さて、やっぱりあったかフカセ商会」

 「ご主人様、フカセ様はどうして行く先々に店を建てているんでしょうか?」

 「知らねえな」

 俺はミーナと颯太、魔族二人を連れて店内に入る。

 

 「いらっしゃいまs…って美輝じゃね」

 「言わせねぇよ!?」

 例のテンプレ台詞を言おうとする大輝を強引に遮った。

 

 「何だよ…所で、今朝何かお前が皐月に馬車を引かせてる夢見たぞ?」

 「あ、私もです」

 「え、大輝もか?」

 「私も見たわ」

 「奇遇ですね、私もですよ」

 「ってお前らの寝言とミーナの態度はそれが原因かァァァァ!!」

 「うるっさいわね!!朝っぱらから何騒いでんの!!」

 「「「「「ごめんなさい!!」」」」」

 非常にテンポのいい会話をしたあとで俺達は本題に入る。

 

 「んで美輝、今度は何の用だ?」

 「おう、魔王引き取ってもらいに来た」

 「「はぁ!?」」

 魔族二人が揃って疑問を投げかけるが無視する。

 

 「こいつら悪いヤツじゃねぇし、何より昨日間違えて魔王城に隕石落として爆破しちまってさ…」

 「ちょ、お前マジか」

 「という訳だ。(それに、魔王お前の好みだろ?)」

 「そこ問題じゃねぇし!!」

 くっ、言葉選びを間違えたか?いや、感情把握によると押せばいける!!

 

 「まあまあ、善意でなんとか…頼むよ」

 「嫌だな、責任ぐらい自分で取れ。金払うなら引き受けてやるけどさ」

 「魔王の扱いな」

 俺はそう言いながら適当に大金貨を大輝に渡す。

 

 「お前…金銭感覚狂ってるのか?」

 「フッ、釣りは要らねえ…」

 「え、ちょっと待ちなさい!!え、ちょ、えぇぇ…」

 俺達は魔王を大輝に押し付けてフカセ商会を去った。

 

 

 

 「という訳で悪は去った!!これでミーナとのんびりまったり異世界スローライフだ!!」

 「ご主人様、魔王はまだ12人も残っていますよ?」

 「そうだったァァァァ…」

 俺は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

 

 「フッ、無様だな美輝、いいぞ、俺が一人でも」

 「本当か颯太君、本当なんだね!!そうかそうかありがとう!!頼んだよ!!この世界の命運は君にかかっている!!僕は君を信じているよ!!それじゃ!!」

 「え、いやちょっと待てーい!!」

 わしっと襟首を掴まれた。

 

 「冗談だろうが」

 「…チッ」

 「舌打ちした!?」

 今日も俺達は平和だ。

 

 

 

 「…まあ百歩譲って魔王を倒すのは良いとして、俺は皐月をシバかねばならないんだよ。」

 「ふーん…つまり、お前の皐月に対する怒りの表れが今朝のあの夢だったって事か…」

 「成程、納得です。ご主人様は国王様を馬のように扱いたいんですね!!」

 「何で今朝の夢に結びつける!?いや確かにちょっとやってやろうかと思ったけどさ!!」

 そんな議論もあって俺達はバレリアの町を去った。王都を目指すか次の魔王城へ行くか、議論は馬車の中でも続いた。

 

 

 

 その頃王室では…

 

 「ぶぇっくし!!…ん?風邪か?そう言えば何か寒気もするな…何というか…鳥肌が立つというか…」

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