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働いた事なんて一度も無いのに異世界行ったら社畜だった俺の無双劇。  作者: 粉兎 / パンケーキ
第二章 前世の友達が鬼畜すぎる
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25話 バレリアの喜劇

はぁ…最近謎のスランプだ…初心に帰って、真面目に書きます。

 暗い城の中松明の光が点々と灯っている。その中で一際強い光を放つ部屋、そこには魔王デゼスプワールが佇んでいた。

 

 「はぁ…ネロス、この国の王が私達に刺客を送ってきたらしいわよ。はぁ…」

 ネロスと呼ばれた男は小さくお辞儀をする。

 

 「しかし、我々に居場所を特定されるようではそれ程の脅威ではないと思ってもよろしいかと」

 「…確かにそうね、杞憂かしら」

 そう言ってデゼスプワールは椅子に座り、紅茶を啜った。その瞬間の出来事だ、突然地響きが始まった。

 

 「な、何よ!!」

 「わかりません!!」

 デゼスプワールは走ってバルコニーへ飛び出した。そこで彼女が見たものは…

 

 天空から降ってくる、巨大な赤褐色の岩の塊だった。

 

 「はぁぁぁぁぁあああ!?」

 

 

 

 

 

 俺達は西門を出て、まずはバレリアという町を目指す。その近くに魔王城が一つあるらしい。凄く遠いが山の上にある上にデカいので、ここからでも良く見える。メテオという連星魔法を創り出し、試しに狙ってみたら見事命中して爆発してしまった。跡には瓦礫が残っているだけだ。流石にあの威力は予想外だったが、あんだけやっとけば多分向こうから来てくれるだろう。

 

 「ご主人様…えげつないです」

 「美輝、ホントにえげつねぇぞ?」

 「んな事は分かってるよ!!俺だって悪意があってやったんじゃねえ、事故だよ事故!!」

 俺は必死に弁明するが、颯太の視線は変わらなかった。

 

 「流石腹黒…」

 「うるせぇな…ホントにあんな威力があるとは思ってなかったんだよ…」

 俺は溜息をつく。あーめんどくせえ。コイツ絶対にわかってて言ってるだろ…

 イライラしてきたのでミーナを抱き寄せ、俺は叫んだ。

 

 「四天王!!走れ!!」

 「え、ちょ、まアバーッ!!」

 颯太は馬車の壁に打ち付けられた。

 

 

 

 という訳で到着ですバレリアの町。この町は酒造業等、娯楽関連の産業で発展している町で、カジノとかもあります。これってもしや俺のステータスが生きるのでは?俺は馬車を預けて一直線にカジノへ向かう。いいアイテムと交換できるかもしれない。

 

 「ご主人様、カジノに行かれるのですか?」

 「おう、俺なら相当稼げるはずだ」

 「おい美輝フラグ建てんなし。根拠もねえのに…」

 「黙って見てろもやし野郎!!」

 「もやしぃ!?」

 俺は颯太の襟首を掴んでカジノに引きずって行った。

 

 

 

 「はい、5000クランですね」

 俺は緑のチップを5枚受け取る。さて、スロットでもやるか。

 

 「さて、ちょっと見とれよお前ら…」

 「ご主人様…大丈夫ですか?」

 「お前…爆死しろよ?」

 「しねぇよ!!」

 俺は叫びながらスロットに緑チップを投入し、レバーを引く。

 カシャン、カシャン、カシャン…テレレレッテッテー!!

 コミカルな機械音と共にジャラジャラとメダルが払い出される。ジャックポットって奴?だ。

 

 「嘘だろ!?」

 「流石ご主人様です」

 なんかアレだな、最近の俺は人の性格を変えることに特化してるのかな。颯太もミーナも最初の頃はこんなキャラじゃなかった気がする…気のせいか。

 

 「さーもっかいやるぞー」

 俺は再び、今度は黒チップを投入し、レバーを引いた。カシャン、カシャン、カシャン…テレレレッテッテー!!

 やはりジャックポットする。今度は大量の金チップが払い出される。もはや二人は何も言わない。ふははは、LUCの恩恵が来たか。

 

 「流石にそろそろ迷惑だろうから、本来の目的に戻るか」

 「ご主人様、カジノはお金を稼ぐ場所ではありません」

 「本来は遊び場だぞ?金稼ぐ人もいるけどさ…」

 「知らん!!」

 俺はチップをほぼ全て適当な道具と交換し、二人を引きずってカジノを出た。ふふ、コレだ、これが欲しかった。

 そのアイテムの名は…いや、ここでは言うまい。っていうか、こんな所にコレがあるとは思わなかった。あのスキルのレベルを上げるためにはコレが無いといけないらしいからな。

 

 俺達は適当に宿を取り、ベッドに横になる。あーふかふかしてて気持ちいいんじゃー…あ、勿論あのもやし野郎は別の部屋な。俺らと同じ部屋など一人たりとも許さん。

 

 「ご主人様、今日は…」

 「ああ、流石に隣にアレがいるからなぁ…」

 「そうですか…」

 ミーナがしゅんとなる。や、ヤバい、旅のミーナへの負担を考えていなかった。そうだよな、楽しみがないもんな。そう、ミーナの同行をやめさせておけば…いやそれはそれで駄目だった、じゃあもやし野郎の同行を拒否…そう、何としても拒否するべきだったんだ!!そうすれば俺とミーナが旅先でこんな生殺しにあうハメには…あ、荷物を軽量化する為に覚えたアレ、悪い使い方考えた。

 

 「ミーナ、イケるかもしれない」

 「え?でも隣に…」

 「ここでしなければいいじゃない、時空魔法、ルームクリエイト!!内装はないそうです」

 俺達の目の前にど〇でもドアが現れる。この中は俺が創り出した亜空間と繋がっており、そこに部屋があるのだ!!ハーッハッハッハ!!…疲れた。

 俺は立ち上がってドアを開ける。そこには、普通に広い部屋があった。

 

 「ドヤ!」

 「…ご主人様ってもうなんでもアリですね…」

 「そんなもんさ」

 俺はミーナを部屋の中へご招待した。そのあと何をしたかって?もちろんナニをしたんだよ。

 

 

 

 

 

 「…ッぶはぁ!!何なのよ今のは!!」

 「分かりません…ただ、時系列的にやはり例の刺客とやらの仕業である可能性が高いかと…」

 「全く!!人の城に突然隕石を落とすなんてどんな神経してるのよ!!ちょっと本気で腹が立ってきたわ…」

 「しかしデゼスプワール様、アレだけの力があるなら、ここは撤退した方がよろしいかと…」

 「嫌よ!!」

 「…わかりました、お供いたしましょう」

 その夜、一人の魔王とその従者がバレリアの町へと向かった。時空魔法を操る魔王達にとってバレリアへの移動は大した苦労ではない、少し魔力を使えば簡単に辿り着く。

 

 「…この男かしら?」

 「いえ、例の魔法を使うには魔力が弱すぎます。この男ではないでしょう」

 それを聞いてデゼスプワールは歯噛みする。

 

 「それじゃあ誰が…ん?」

 その時、デゼスプワールがその隣の部屋の違和感に気付いた。その部屋には誰もいなかったが、時空魔法の使い手であるデゼスプワールはその空間の歪みに気がついた。いや、気がついてしまった。

 

 「なるほど、私達が来たのに気付いて隠れたって訳ね。でも、私相手にそれは通用しないわよ?」

 デゼスプワールは邪悪に笑い、空間に隠された扉を呼び出した。そして魔王はその扉のノブに手をかけ、一気に開く。

 

 「私の城に隕石を落としたのは貴方達ね!!」

 

 …この時彼女の目に映ったのは、下着姿の一組の男女だった。男が呟く。

 

 「これって運がいいのやら悪いのやら…これもう分かんねえな。」

無理でした!

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