閑話 ミーナの手記1
今回は後書きまでが1話です。
そう言えば、1000PV達成です!!ありがとうございます!!もう前の作品書く気が起きない…ちょこちょこ書いてるんですけど、ここからどう進めるか迷ってますね。
この作品は必ずや完走させて見せます(フラグ)。
私の名前はミーナと言います。昔は領主の娘でしたが、今は奴隷をやっています。
私のご主人様はミキというお名前です。珍しい名前ですが、転生者だと言われて納得しました。それでも女の名前なんだとご主人様は嘆いていましたが…
私とご主人様が出会ったきっかけは、私が冒険者ギルドにした依頼でした。ご主人様は物好きらしく、依頼内容が分からないようにしてあった私の依頼を受け、私の屋敷までやってきました。最初は依頼を受けてくれた人だとは思えず、侵入者だと思ったので幼少の頃から習った剣術で首を切りつけたのですが、かすり傷しかつけられませんでした。
ご主人様は私の話を聞いて、叔母のマーサへの復讐を引き受けてくれました。ご主人様は恐ろしく強く、領主館の防衛を一人で全滅させてしまいました。
ご主人様はその後でマーサを追いかけ、50人近い護衛をまた全滅させてしまい、そして見た事の無い魔法でマーサを拷問しました。その時に私は一本の杭のようなものを手渡されました。
マーサへの怒りが思い起こされます。私の両親を殺し、信じていたのに裏切られた。私は怒りに任せてマーサを滅多刺しにしました。その時の事はよく覚えていません。
その後、私とご主人様は町に戻ったのですが、誰かが通報したらしく、町の警備騎士団に囲まれてしまいます。その中の一人、聖騎士様を見てご主人様は「自分でも勝てない」と言いました。
私は、自分の依頼を引き受けてくれたご主人様に迷惑はかけられないと、全ての罪を被ることにしました。
その後は、元領主の娘という事で死刑は免除され、代わりに奴隷落ちが決まりました。その時の心境は筆舌に尽くし難いです。どんな人物に買われ、どんな扱いを受けるのか。慰み者にされるのでは、一生扱き使われるのでは、私の脳裏には様々な想像が浮かびました。
しかし、私は自らの行った事の結果であるとそれを受け入れる覚悟を決めました。
そしてオークションの日、私はステージへ連れていかれた時に恐怖で震え上がりました。大勢の人間が私を見ていました。
私が竦み上がる中、競売が始まります。幾つも声が上がる中、「5億!」という声が上がり、会場が静まり返ります。声の主は、貴族の少年でした。ああ、私はこの貴族に買われるんだな。そう思ったその時です。
「7億だ!」
その声の主がご主人様でした。ご主人様と貴族の少年は次々と値段を上げ、他の人は黙ってその様子を見ています。
「25億!!んーこれ以上は出せん!!」
ご主人様はそう言いました。無慈悲にも、貴族の少年が「30億!」と言いました。私は絶望しました。
ご主人様なら、と少し期待していたのですが、それを打ち砕かれて私は落胆しました。
「35億。」
私は顔を上げました。そこには勝ち誇った顔のご主人様がいました。
その後貴族の少年はそれ以上の価格を提示せず、私は35億クランでご主人様に落札されました。
「あと5000万クラーン!!」
ご主人様は金貨を振りかぶって投げ、会場に金貨が散らばります。そしてご主人様は私の方を見て…
にっこりと笑いました。
私の頬を涙が伝いました。
ご主人様に連れられてオークション会場を出ると、先程の貴族の少年が待っていました。彼はご主人様に、私を譲渡するように迫ります。
怖かったです。折角ご主人様に買っていただけたのに、この貴族の少年に渡されてしまうのが。
しかしご主人様はそれを拒否し、力づくで私を奪おうとする少年の護衛達を一太刀で気絶させ、こう言い放ちました。
「ミーナは誰にも、渡さない。」
この時、私は生まれて初めて恋をしました。
その後もご主人様は、私に普通の食事をくださり、どれいとしてではなく普通の女の子として扱ってくれました。冒険者としての依頼に一緒に行く時も、私をからかいながらも前に立ち、私が傷つかない様に守ってくれました。きっと私のLvを上げるために連れていってくれたんだと思います。
でも、ご主人様と話す時にどうしても素直になれません。恥ずかしくて貶すような事を言ったり、思ってもいない様な事を言ってしまいます。昨日もロリコン等と言ってしまいました。
嫌われていないでしょうか。
今日は買っていただいた槍で調子に乗ってしまい、宿屋の壁を吹き飛ばしてしまいました。ご主人様に捨てられたくありません、これからは注意して、言葉遣いもきちんとしなければいけないです。
今日はご主人様と王都へ出発する日です、王都に着いたら今度こそちゃんとアプローチしましょう。
ご主人様…貴方は必ず、私が…
…日記はそこまで書いてあった。なるほど、ミーナはツンデレに若干ヤンデレが混じってるのか。
…どストライクだ。
俺はミーナが部屋に戻る前に手記を閉じた。




